不動産登記法 第19条(受付)
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- 登記官は、前条の規定により申請情報が登記所に提供されたときは、法務省令で定めるところにより、当該申請情報に係る登記の申請の受付をしなければならない。
- 2.同一の不動産に関し二以上の申請がされた場合において、その前後が明らかでないときは、これらの申請は、同時にされたものとみなす。
- 3.登記官は、申請の受付をしたときは、当該申請に受付番号を付さなければならない。この場合において、同一の不動産に関し同時に二以上の申請がされたとき(前項の規定により同時にされたものとみなされるときを含む。)は、同一の受付番号を付するものとする。
この条文の基本情報
受付とは何ですか?
定義受付とは、不動産登記法第19条に定められた規定で、「登記官は、前条の規定により申請情報が登記所に提供されたときは、法務省令で定めるところにより、当該申請情報に係る登記の申請の受付をしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第19条(受付)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第19条の条文原文は「登記官は、前条の規定により申請情報が登記所に提供されたときは、法務省令で定めるところにより、当該申請情報に係る登記の申請の受付をしなければならない。」で始まります。
- 不動産登記法第19条は第一節 総則に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第19条の前の条は不動産登記法第18条です。
- 不動産登記法第19条の次の条は不動産登記法第20条です。
- 不動産登記法第19条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第19条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第19条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法19条は、登記官が申請情報の提供を受けたときに受付をし、受付番号を付すことを定める。前後が明らかでない複数申請は同時申請とみなされ、同一番号が付される。
Q · 同じ家を二人が買ったら、どっちのものになるんですか?
契約日ではなく、法務局の受付番号の早い方が勝ちます
不動産登記法19条により、登記官は申請情報の提供を受けたときに受付をし、受付番号を付さなければなりません。この受付番号の前後が、同一不動産をめぐる権利の優劣を決めます(同法4条、民法177条)。契約書の日付が早くても、代金を全額支払っていても、先に受付番号を取られれば第三者に所有権を対抗できません。前後が明らかでないときに限り同時申請とみなされ、同一の受付番号が付されます(19条2項、3項)。
解説
住宅ローンの決済当日、司法書士が代金の着金を確認した足で法務局へ走る。あの慌ただしさの正体が不動産登記法19条だ。登記官は申請情報が届いたら受付をしなければならず(1項)、受付には番号が付される(3項)。この受付番号こそ、同じ不動産をめぐる権利の優劣を決める数字である。あなたが先に契約し、先に代金を全額払っていても、相手方が先に受付番号を取れば、その不動産はあなたのものにならない(民法177条)。逆に前後が明らかでないときは同時申請とみなされ、同一の受付番号が付く(2項、3項後段)。何億円の取引でも、決着は秒で付く。19条はその勝負の時計を回している条文である。
法的な位置づけ
不動産登記法19条は、登記申請の受付手続と受付番号の付与を定める規定である。登記官は申請情報が登記所に提供されたときに受付をする義務を負い、受付をしたときは受付番号を付す。同一不動産に関する複数の申請で前後が明らかでないものは同時申請とみなされ、同一の受付番号が付与される。受付番号は登記の順位を画する形式的基準として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.決済前に登記事項証明書で現状の受付状況を確認 決済日の直前に登記事項証明書(または登記情報提供サービス)を取得し、差押え・仮差押え・仮登記など先行する受付番号がないかを確認する。ここで異常があれば決済を止める
- 2.決済の段取りを受付時刻から逆算して組む 着金確認から法務局の受付時間内に申請が届くよう、決済開始時刻・金融機関・法務局の距離を逆算する。オンライン申請なら送信時刻、書面申請なら窓口到着時刻を基準に設計する
- 3.申請情報を提供し受付番号を取得 登記識別情報・登記原因証明情報・委任状等を揃えて申請情報を提供する。受付がされると受付番号が付され(不動産登記法19条3項)、この瞬間に順位が確定する
- 4.不備を指摘されたら取下げず補正で対応 登記官から補正の指示があった場合、取下げて再申請すると受付番号が最後尾に落ちる。定められた期間内に補正すれば当初の受付番号と順位が維持される(同法25条ただし書)
- 5.完了後に登記事項証明書で受付番号を確定記録 登記完了後、登記事項証明書を取得して受付年月日・受付番号を確認し、取引記録として保存する。将来の順位争いや紛争時に最初に問われる情報である
よくある質問 AI による整理
Q1登記の受付番号とは何ですか?
登記官が申請を受け付けた際に付す通し番号です(不動産登記法19条3項)。同一不動産に複数の権利が競合したとき、この番号の前後だけで優劣が決まります。
Q2不動産登記の順位はどうやって決まりますか?
登記の前後によります(不動産登記法4条)。同一区の登記は順位番号、異なる区の登記は受付番号の前後で判断され、契約日や代金支払日は考慮されません。
Q3二重譲渡されたらどうなりますか?
先に登記の受付番号を取った買主が所有権を第三者に対抗できます(民法177条)。負けた側に残るのは売主への損害賠償請求権のみで、不動産そのものは取り戻せません。
Q4登記はいつまでにしないといけませんか?
権利に関する登記に一般的な申請期限はありませんが、相続登記は2024年4月から3年以内の申請義務があります。期限より、他人より早いかどうかが実質的な問題です。
Q5法務局は何時まで登記申請を受け付けていますか?
登記所の業務時間は原則として平日8時30分から17時15分です。決済日に受付を確保するため、司法書士は午前中の申請を組むのが一般的です。
Q6受付番号はどこで確認できますか?
登記事項証明書または登記情報提供サービスで、各登記の「受付年月日・受付番号」欄に記載されています。争いの起点はまずここを取得して特定します。
Q7差押えと所有権移転、どちらが優先しますか?
受付番号の早い方が優先します。決済当日の午前に移転登記を受け付けていれば買主が勝ち、翌日に回せば先に入った差押登記に負けます。
Q8相続登記を放置すると危ないですか?
危険です。他の相続人が法定相続分だけを登記して第三者に売却すれば、その受付番号が先行します。遺産分割の話し合い中でも順位争いは進行しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1同じ日に二人が登記を出したら、結局どっちが勝つんですか?
同一不動産に複数の申請があれば、登記官は受付番号の順序に従って処理する(不動産登記法20条)。前後が明らかでないときだけ同時申請とみなされ、同一の受付番号が付く(同19条2項、3項)。実務のポイント:同一受付番号となった抵当権は同順位となり、配当は債権額に応じて按分される(民法373条)。番号一つの差が、そのまま回収額の差になる
Q2登記官から補正してくださいと言われました。取り下げて出し直した方が早いですよね?
その判断が最も危ない。取下げて再申請すると受付番号は新しくなり、その間に入った他の申請に順位で負ける。補正で対応すれば当初の受付番号が維持される(不動産登記法25条ただし書)。実務のポイント:司法書士が申請前に登記官へ事前照会をかけるのは、補正で済むか却下されるかを先に見極め、番号を失わずに済ませるためである
間違えやすい点 AI による整理
- 「代金を全部払って契約書も交わしたのだから、もう自分のものだ」と考えるのが普通の感覚だが、登記の世界では受付番号を取るまで、あなたは第三者に対して何も主張できない。売主が同じ物件を別人に売り、その別人が先に受付番号を取れば、あなたに残るのは損害賠償請求権だけである
- 「登記の順位は受付番号で決まる」と知っている人は多い。だがその差が数分、ときには同じ日の午前と午後でしかないという深刻度までは知られていない。差押えや仮差押えは前触れなく入る。順位争いは何日も続く競争ではなく、一日のうちに終わる競争である
- 「登記はいつまでに済ませればいいですか」という問いの立て方自体が誤っている。期限があるのではなく、他人より一秒でも早いかどうかしかない。締切から逆算する発想でいる限り、あなたは常に他人の申請速度という見えない相手と競っていることに気付けない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 19条:申請の受付と受付番号の付与 | 20条:受付番号の順序に従った処理義務 25条:却下と補正(受付番号の維持・喪失) |
| 登記官の行為 | 受付をする義務、受付番号を付す義務 | 受け付けた順序どおりに登記を実行する義務 不備があれば補正を求め、応じなければ却下する |
| 順位への影響 | 順位の起点が確定する(民法177条の優劣を画する) | 順位の逆転を防ぐ(先行申請の追い越し禁止) 取下げ=順位喪失、補正=順位維持 |
| 実務上の勝負どころ | 決済当日に何時・何番で受付できるか | 先行申請の処理待ちによる完了時期の読み 補正で粘るか取下げるかの一択 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も申請を收件簿に登載し收件號數の順序で処理する。日本統治期の登記制度を土台とするため、受付順序による順位決定という骨格は日本と同型である
韓国も接受の時点と接受番号を基準に順位を判断する。日本法を経由してドイツ法系の受付順序主義を継受した点で日本と同系統にある
ドイツは登記官に申請の到達順による処理を義務付け、順位も到達順で決する。日本19条・20条の直接の母法にあたる構造で、Grundbuchamt の形式的処理という思想も共通する
米国は州ごとに三類型が分かれる。純粋な先着順は race 型のみで、notice 型・race-notice 型では後行取得者の善意が要件となる点が、善意悪意を原則問わない日本の形式的順位主義と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 決済当日の午後、売主に別の債権者が差押えを打ってきたとしたら、何が起きる? 勝敗はその日の受付番号だけで決まる。司法書士が午前中に受付を済ませていれば家は残り、翌日に回していれば代金だけが消える。猶予は数時間しかない
- あなたは買主から代金を受け取った後、同じ土地を別の業者にも売った。先に受付番号を取ったのは業者側だった。買主から突き付けられるのは、履行不能を理由とする損害賠償請求である
- 相続した実家の分け方が兄と決まらないうちに、兄が自分の法定相続分だけを登記して第三者に売っていた。登記事項証明書を取り寄せると、その移転登記の受付番号は先月の日付。あなたが遺産分割協議書の文言を練っていた数週間で、順位はすでに確定していた
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず登記事項証明書を取得し、相手方の登記の受付年月日と受付番号を特定する。ここが争いの起点になる2. 相手方の登記が実体を欠くなら、抹消・更正登記請求訴訟と同時に処分禁止の仮処分(民事保全法53条)を入れて、これ以上転売されるのを止める3. 相手方が単なる先着ではなく、あなたの取得を知りながら害する意図で登記した事情があれば、背信的悪意者として対抗を否定できる余地がある4. 並行して売主に対する損害賠償請求(民法415条、709条)の準備を進める
訴えられた側:1. 却下されれば受付番号を失うため、登記官が定めた期間内に必ず補正する(不動産登記法25条ただし書)。安易な取下げは順位の放棄と同じである2. 自分の申請が実体を伴うことを示す証拠(振込記録、契約書、鍵の引渡し記録)を保全する3. 登記官の処分に不服があれば審査請求(同156条)を検討する4. 相手方から仮処分を打たれた場合は、放置せず起訴命令の申立てで決着を早める
学説
通説(形式的審査主義):登記官の審査権は申請情報と添付情報の形式的整合性に限られ、実体的権利関係の存否には及ばない。19条が受付を義務付け機械的に番号を付す構造は、この形式的審査主義の帰結であり、取引の迅速性と順位の予測可能性を優先した立法選択と解される
通説(同時申請擬制の趣旨):19条2項の同時申請擬制は、受付の前後を証明できない場合に登記官が実体判断へ踏み込むことを避けるための技術的処理である。同一受付番号が付された抵当権は同順位となり、配当は債権額に応じて按分される(民法373条参照)
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 オンライン申請制度の導入に伴う全部改正により、旧法の受付規定を承継しつつ現行19条として整理された。申請情報が登記所に提供された時点を受付の基準とし、書面申請と電子申請を同一の受付番号体系に統合した
改正の年表
- 1.明治32年(1899年) 新設:旧不動産登記法の制定により、登記申請の受付と受付番号による順位決定の枠組みが確立された。ドイツ Grundbuchordnung の受付順序主義を継受した構造である
- 2.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正。オンライン申請制度の導入に伴い、旧法の受付規定を承継しつつ現行19条として整理された。申請情報が登記所に提供された時点を受付の基準とし、書面申請と電子申請を同一の受付番号体系に統合した
- 不動産登記法 第4条登記の順位は登記の前後による
- 不動産登記法 第18条申請情報の提供方法、受付の前提
- 不動産登記法 第20条受付番号の順序に従った処理義務
- 不動産登記法 第25条却下と補正、受付番号の維持
- 不動産登記法 第106条仮登記による順位保全の効力
- 民法 第177条受付番号が対抗要件の優劣を決する
- 民法 第373条抵当権の順位は登記の前後による
- 民事保全法 第53条処分禁止の仮処分登記による順位確保
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