不動産登記法 第57条(建物の滅失の登記の申請)
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建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。
この条文の基本情報
建物の滅失の登記の申請とは何ですか?
定義建物の滅失の登記の申請とは、不動産登記法第57条に定められた規定で、「建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第57条(建物の滅失の登記の申請)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第57条の条文原文は「建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の…」で始まります。
- 不動産登記法第57条は第三款 建物の表示に関する登記に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第57条の前の条は不動産登記法第56条です。
- 不動産登記法第57条の次の条は不動産登記法第58条です。
- 不動産登記法第57条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第57条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第57条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/57
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法57条は、建物が滅失したときは表題部所有者または所有権の登記名義人が、滅失の日から一月以内に滅失の登記を申請しなければならないと定める。怠れば10万円以下の過料の対象。
Q · 家を解体したら、法務局にも何か手続きが要るんですか?
要ります。所有者が一月以内に滅失の登記を申請する義務があります
不動産登記法57条により、建物が滅失したときは表題部所有者または所有権の登記名義人が、滅失の日から一月以内に建物の滅失の登記を申請しなければなりません。起算点は解体工事の完了日(火災・倒壊ならその発生日)です。解体業者が市町村へ出す家屋滅失届は固定資産税の系統であり、法務局への登記申請とは別です。怠ると同法164条により10万円以下の過料の対象となるほか、土地売却時に決済が止まる実務上の不利益が生じます。
解説
実家の古い離れを解体した。業者に費用を払い、更地になり、それで終わったと思っている。ところが法務局の登記記録には、その建物がまだ生きたまま残っている。不動産登記法57条は、建物が滅失したときは表題部所有者または所有権の登記名義人が、滅失の日から一月以内に滅失の登記を申請しなければならないと定める。義務である。しかも起算点は「解体工事の完了日」であって、あなたが登記の存在を思い出した日ではない。この一月を過ぎたまま放置すると、存在しない建物に固定資産税が課され続けることがあり、土地を売ろうとしたとき買主の司法書士から「建物の登記が残っているので決済できません」と止められる。さらに滅失登記をしないまま所有者が亡くなると、相続人全員を巻き込んだ手続に膨れ上がる。取り壊し費用より、後始末の方が高くつく構造がここにある。
法的な位置づけ
不動産登記法57条は建物の滅失の登記の申請義務を定める規定であり、建物が滅失した場合に、表題部所有者または所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記等がある建物にあっては所有者)が、滅失の日から一月以内に滅失の登記を申請すべき旨を規定する。表示に関する登記において、登記記録と物理的現況を一致させる機能を担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記記録が残っているか確認する 登記情報提供サービスまたは管轄法務局で、解体した建物の登記事項証明書を取得し、登記記録が閉鎖されずに残っているかを確認する。所在・家屋番号・登記名義人を控える
- 2.解体業者から取壊証明書一式を受け取る 解体業者に取壊証明書と、業者の資格を示す書類(法人なら代表者事項証明書、個人事業主なら印鑑証明書)の交付を依頼する。工事の見積り段階で依頼しておくと、完了後に業者と連絡が取れなくなる事態を防げる
- 3.証明書が揃わない場合は代替資料を組み立てる 業者が廃業している、災害で滅失した、近隣に片付けてもらったなど証明書が得られない場合は、所有者作成の上申書に現地写真、罹災証明書、固定資産税の課税明細、閉鎖された課税台帳の記録などを添えて疎明する。求められる資料は管轄法務局によって差があるため、登記相談で先に確認する
- 4.登記名義人が死亡している場合は相続人であることを証明する 登記名義人が既に亡くなっている場合、先に相続登記を経る必要はない。戸籍謄本等で相続人であることを証明すれば、相続人から直接、滅失の登記を申請できる。相続人が複数でも一人から申請可能
- 5.管轄法務局へ建物滅失登記を申請する 建物の所在地を管轄する法務局に、建物滅失登記申請書と添付書類を提出する。登録免許税は非課税。窓口・郵送・オンラインいずれも可能で、完了までおおむね一週間から十日を見込む
- 6.完了後に閉鎖登記事項証明書で確認する 登記完了証を受け取ったら、閉鎖事項証明書を取得して登記記録が確実に閉鎖されたことを確認する。あわせて市町村の固定資産税部門にも滅失が反映されているか照合し、課税が止まっているかを翌年度の納税通知書で検証する
よくある質問 AI による整理
Q1建物滅失登記とは何ですか?
建物が取壊し・焼失などで物理的になくなったとき、登記記録を閉鎖する表示に関する登記です。不動産登記法57条が所有者に一月以内の申請義務を課しています。
Q2建物滅失登記はいつまでに申請しますか?
滅失の日から一月以内です。起算点は解体工事の完了日、火災・倒壊ならその発生日で、所有者が気付いた日ではありません。期限後も申請自体は受理されます。
Q3建物滅失登記は自分でできますか?
できます。登録免許税は非課税で、申請書と取壊証明書等を管轄法務局へ提出すれば本人申請が可能です。相続人多数や書類欠落の事案は土地家屋調査士に依頼するのが安全です。
Q4滅失登記に必要な書類は何ですか?
建物滅失登記申請書、取壊証明書、解体業者の資格を示す書類(法人は代表者事項証明書、個人は印鑑証明書)、建物図面が残る場合はその位置関係資料が基本セットです。
Q5取壊証明書がない場合はどうすればいいですか?
所有者作成の上申書に、現地写真、罹災証明書、固定資産税の課税明細や閉鎖台帳の記録などを添えて疎明する運用があります。管轄法務局の登記相談で必要書類を先に確認してください。
Q6滅失登記をしないとどうなりますか?
同法164条により10万円以下の過料の対象となります。実務上の打撃はむしろ売買で、存在しない建物の登記が残ると買主の融資・決済が実行できず取引が止まります。
Q7建物滅失登記の費用はいくらかかりますか?
登録免許税は非課税のため、本人申請なら実費(郵送費・証明書取得費)程度です。土地家屋調査士に依頼する場合は事案の複雑さに応じた報酬が別途かかります。
Q8滅失登記の完了までどれくらいかかりますか?
申請後、法務局の処理におおむね一週間から十日程度を見込みます。決済日が決まってから動くと間に合わない恐れがあるため、売却を検討し始めた段階で先に済ませるのが安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1解体業者が市役所に届けてくれたって言ってたんですけど、それで終わりじゃないんですか?
終わりではない。業者が出したのは市町村の固定資産税部門向けの家屋滅失届で、法務局の登記記録は別系統である。57条の申請義務は所有者本人に残ったままだ。実務のポイント:市役所への届出で翌年の家屋分の課税は止まることが多いため、多くの人がそこで完了したと錯覚する。登記が残っていることに気付くのは、たいてい数年後に土地を売ろうとした瞬間だ
Q2何十年も前に壊した建物の登記が残ってました。今さらどうすれば?
今からでも滅失登記を申請する。期限超過でも受理される。問題は書類で、当時の解体業者はまず存在しないため、所有者作成の上申書に現地写真や閉鎖された固定資産課税台帳の記録などを添えて疎明する運用になる。実務のポイント:この種の古い滅失は、実務上、管轄法務局によって求められる疎明資料の中身が変わる。いきなり書類を揃える前に、管轄法務局の登記相談で「何を出せば足りるか」を先に確認すると、二度手間が消える
Q3登記名義人が亡くなった祖父のままなんですが、先に相続登記をしないとダメですか?
建物の滅失登記については、先に相続登記を経る必要はない。相続人であることを戸籍等で証明すれば、相続人から直接申請できる。存在しない建物に相続登記をかけるのは無駄である。実務のポイント:相続人が複数いても、申請は一人からで足りる。全員の実印を集めようとして頓挫する家庭が多いが、そこは滅失登記の場合ハードルが低い。土地の方の相続登記とは要件が別物だと理解しておくと、動き出しが数か月早くなる
Q4過料10万円って、実際に取られた人いるんですか?
登記懈怠に対する過料は法務局から裁判所への通知を経て科される仕組みで、運用の頻度は事案によって差がある(最新の運用状況をご確認ください)。ただし相続登記の義務化以降、登記の実効性確保が政策的に強化されている流れは明確だ。実務のポイント:過料そのものより、滅失登記の未了が売買契約の決済不能や融資の停止を招く方が金額的な打撃は桁違いに大きい。罰則の有無で判断する話ではない
間違えやすい点 AI による整理
- 「解体業者が役所に届け出るから自分は何もしなくていい」と信じている人が多い。業者が出すのは建築リサイクル法上の届出や家屋滅失届(市町村の固定資産税部門向け)であって、法務局への滅失登記とは別系統である。業者が代行してくれるのは取壊証明書の発行までで、登記申請の義務は57条により所有者本人に残る
- 滅失登記を忘れると固定資産税が余計にかかる、という話は知っている人が多い。だが深刻さの本体はそこではない。本当の打撃は売却の局面で出る。買主が住宅ローンを使う場合、土地に抵当権を設定するために登記記録の整理が前提になり、滅失登記が済んでいないと決済日が動かせない。数万円の税金ではなく、数千万円の取引が止まる
- 「一月を過ぎたらもう申請できないのでは」と考える人がいるが、問いの立て方が誤っている。期限を過ぎても申請は受理されるし、するべきである。期限の意味は申請権の消滅ではなく、義務違反として過料の対象になりうる点にある(不動産登記法164条、10万円以下の過料)。遅れたことを理由に手続を諦めるのが、最悪の判断になる
- 所有者の視点では「自分の建物を壊しただけ」だが、登記制度の視点では「公示されている物権の客体が消滅したのに公示が残っている」状態である。この落差が、第三者との取引で必ず問題として噴き出す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる事実 | 57条:建物が滅失した(取壊し・焼失・倒壊) | 47条:建物を新築した(表題登記がない建物の取得) 51条:建物の表題部の記録事項に変更が生じた(増改築・一部取壊し等) |
| 申請義務者 | 表題部所有者または所有権の登記名義人(共用部分の登記がある建物では所有者) | 所有権を取得した者 表題部所有者または所有権の登記名義人 |
| 申請期間 | 滅失の日から一月以内 | 所有権の取得の日から一月以内 変更があった日から一月以内 |
| 怠った場合 | 164条により10万円以下の過料。加えて土地売却時に決済不能となる実務上の不利益 | 164条により10万円以下の過料。所有権保存登記に進めない 164条により10万円以下の過料。登記記録と現況の不一致が残る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も建物を独立した登記対象とし、権利消滅時の変更登記を1か月以内に申請すべきものとする。遅延には登記費用の倍数による罰鍰が科され、金額が期間に比例して増える点が日本の定額過料と異なる。未申請の場合に登記機関が職権で塗銷できる仕組みも備える
韓国も建物滅失後1か月以内の申請義務を定め、日本法とほぼ同一の構造を持つ。旧日本法の継受による制度的同型性が最も明瞭に現れる領域のひとつ
ドイツでは建物は土地の本質的構成部分であり独立の不動産ではないため、建物単位の登記記録が存在しない。したがって建物滅失登記という制度自体が不要で、取壊しは建築法規上の届出と地籍(Liegenschaftskataster)の更新で処理される
米国は deed recording が中心で建物単位の権利登記簿がなく、取壊しは自治体の解体許可と課税評価官への通知で完結する。連邦統一の申請義務や期限は存在せず、郡ごとに運用が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親から相続した実家を解体して土地を売却する契約を結んだ。決済日は三週間後。ところが登記情報を取ったら建物の登記が残っていて、買主側の司法書士から「滅失登記が完了しないと融資が実行できない」と告げられる。解体業者に取壊証明書の再発行を依頼し、法務局に申請し、完了まで一週間から十日。残された時間で間に合うかどうかの綱渡りになる
- 火災で自宅が全焼した。消防と保険の対応で頭がいっぱいで、登記のことなど思い浮かびもしない。だが一月の期限は火災の日から進んでいる。罹災証明書があれば滅失登記の添付書類として使えるが、それを知っている被災者は少ない
- 台風で倒壊した納屋を、近所の人に頼んで片付けてもらった。取壊業者を通していないので取壊証明書がない。この場合はどうなるのか。実務では、所有者作成の上申書と現地の写真、固定資産税の課税明細などで代替する運用がある。書類がないから諦める、が最も損をする選択
- 祖父名義のまま何十年も放置されていた建物が、実際にはとっくに取り壊されていたことが判明した。申請義務者は「所有権の登記名義人」だが、その人はもう亡くなっている。相続人が申請することになり、戸籍を遡って相続関係を証明する作業から始まる。一月の期限どころか、着手までに数か月かかる
- あなたがアパート経営者で、古い一棟を建て替えるとする。解体から新築表題登記まで、一連の流れで滅失登記を挟むのを忘れると、同じ土地の上に古い建物と新しい建物の二つの登記が並ぶ。金融機関の抵当権設定で必ず引っかかる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 登記情報提供サービスまたは法務局で、対象建物の登記記録が残っているか確認する2. 解体業者から取壊証明書と業者の資格を示す書類(法人なら代表者事項証明書、個人なら印鑑証明書)を取得する3. 業者が不明・廃業・災害による滅失の場合は、所有者作成の上申書に現地写真、罹災証明書、固定資産税の課税明細などを添えて代替する4. 建物所在地を管轄する法務局に建物滅失登記を申請する。登録免許税は非課税、本人申請も十分可能。複雑なケース(相続人多数、書類欠落)は土地家屋調査士に依頼する
訴えられた側:1. 期限を過ぎていても申請を止めない。遅延を理由に受理されないことはない2. 過料の通知が来た場合、遅延の事情(相続関係の調査に時間を要した、被災していた、業者の書類が揃わなかった等)を裁判所に説明する機会がある3. 名義人が既に死亡している場合、相続人の一人からでも申請できる。全員の同意を待つ必要はない4. そもそも自分が申請義務者に当たるかを確認する。共用部分である旨の登記がある建物では、義務者は登記名義人ではなく所有者になる
時効(請求できる期限):滅失の日から一月以内(不動産登記法57条)。起算点は解体工事の完了日、火災・倒壊であればその発生日であり、所有者が滅失を知った日ではない。この期限を過ぎても申請自体は可能だが、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となる(同法164条)。なお、申請義務者が死亡している場合は相続人が承継して申請する
学説
通説:57条の申請義務は公法上の義務であり、登記記録と物理的現況の一致という表示登記の目的から導かれる。義務違反の効果は過料にとどまり私法上の権利変動には影響しないが、公示の不整合は第三者との取引で実質的な障害として現れると理解されている
実務通説:建物の滅失登記については、登記名義人が死亡していても先に相続登記を経る必要はなく、相続人であることを証する書面を添付して相続人から直接申請できると解されている。存在しない建物について相続登記を求めるのは無益であるためである
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.明治32年(1899年) 新設:旧不動産登記法の制定により、建物の滅失に関する登記の申請義務が定められた。土地と建物を別個の不動産とする日本固有の建物独立不動産主義を前提とする制度設計
- 2.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正(平成16年法律第123号)。オンライン申請の導入と条文の全面整理が行われ、建物の滅失の登記の申請義務は現行57条として整理された
- 不動産登記法 第47条建物の新築における表題登記の申請義務、滅失と対をなす
- 不動産登記法 第51条建物の表題部の変更・更正登記の申請義務
- 不動産登記法 第58条共用部分である旨の登記等がある建物の滅失に関する規律
- 不動産登記法 第164条申請義務違反に対する10万円以下の過料
- 不動産登記法 第28条登記官の職権による表示に関する登記
- 民法 第177条不動産物権変動の対抗要件としての登記
- 土地家屋調査士法 第3条表示に関する登記の代理申請権限の所在
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