不動産登記法 第28条(職権による表示に関する登記)
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表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。
この条文の基本情報
職権による表示に関する登記とは何ですか?
定義職権による表示に関する登記とは、不動産登記法第28条に定められた規定で、「表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第28条(職権による表示に関する登記)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第28条の条文原文は「表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。」で始まります。
- 不動産登記法第28条は第一款 通則に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第28条の前の条は不動産登記法第27条です。
- 不動産登記法第28条の次の条は不動産登記法第29条です。
- 不動産登記法第28条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第28条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第28条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/28
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法28条は、表示に関する登記を登記官が職権ですることができると定める。権利に関する登記と異なり、所有者の申請がなくても表題部は職権で登記される。
Q · 自分で申請していないのに、法務局が勝手に建物や土地の登記を入れることってあるんですか?
あります。表示に関する登記は登記官が職権でできます
不動産登記法28条により、表示に関する登記は登記官が職権ですることができます。表題部に記録されるのは土地の地目・地積、建物の種類・構造・床面積といった不動産の物理的現況であり、所有権や抵当権のような権利関係ではありません。そのため当事者申請主義(16条)の例外として、登記官は実地調査(29条)を経て自ら登記を入れられます。ただし職権登記があっても所有者の申請義務(37条・47条・51条・57条、いずれも1か月以内)は消えず、違反は10万円以下の過料(164条)の対象です。
解説
登記簿は自分が申請しない限り一行も動かない、そう思っている人がほとんどだ。表示に関する登記だけは違う。建物の構造や床面積、土地の地目や地積、つまり不動産の「物理的な姿」を記録する表題部については、登記官が申請を待たずに自分の判断で登記できる。それが28条である。権利に関する登記(所有権、抵当権)は当事者が申請しなければ絶対に動かない(16条の申請主義)のに、表示だけが例外扱いされる理由は、表題部が「誰のものか」ではなく「この国にどんな不動産が存在するか」を記録する公的台帳だからだ。あなたの家が未登記のまま放置されていれば、登記官は実地調査(29条)をしたうえで職権で表題登記を入れることができる。そして登記されれば、その内容は市町村に通知され、固定資産課税台帳に反映される。あなたが動かなくても、記録の側は動く。
法的な位置づけ
不動産登記法28条は、表示に関する登記についての職権主義を定める規定であり、登記官が当事者の申請を要せず、自らの判断で表題部の登記をすることができる旨を規定する。当事者申請主義(同法16条)の例外として位置付けられ、登記官の実地調査権(同法29条)を事実上の前提とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記事項証明書を取り、表題部と現況のズレを洗い出す 法務局または登記情報提供サービスで登記事項証明書を取得し、表題部の地目・地積・種類・構造・床面積を、固定資産税課税明細書や建築確認済証、手元の測量図と一行ずつ突き合わせる。ズレがある行と、その登記原因の日付を控える
- 2.申請義務の期限を確認し、職権登記を待たずに自分から申請する 建物の新築表題登記は所有権取得から1か月(47条)、建物の表示変更は1か月(51条)、建物の滅失は1か月(57条)、土地の地目・地積の変更は1か月(37条)。既に期限を過ぎていても申請自体は受け付けられるため、放置せず先に動く
- 3.土地家屋調査士に現況測量と図面作成を依頼する 表示に関する登記の代理は土地家屋調査士の独占業務(土地家屋調査士法3条)。自分が依頼した測量成果で床面積や地積を確定させれば、登記官の調査結果がそのまま記録される事態を避けられる。境界が争点になる土地では隣地所有者の立会いも手配する
- 4.職権登記の内容に誤りがあれば更正登記または審査請求で正す 職権で入った表題部の記載が現況と異なる場合、正確な測量図を添えて地積更正登記や表題部の更正登記を申請する。登記官の処分そのものに不服があるときは、監督法務局または地方法務局の長へ審査請求(156条)。実務では更正登記の方が早く決着することが多い
よくある質問 AI による整理
Q1表示に関する登記とは何ですか?
土地の所在・地番・地目・地積、建物の所在・種類・構造・床面積など、不動産の物理的現況を登記簿の表題部に記録する登記です。誰のものかを示す権利に関する登記とは区別されます。
Q2未登記建物のままだとどうなりますか?
抵当権を設定できず住宅ローンが組めません。売買では買主が決済に進めず、相続でも対象を特定しにくくなります。表題登記の申請義務違反は10万円以下の過料(164条)の対象です。
Q3建物の表題登記はいつまでにする必要がありますか?
新築などで所有権を取得した日から1か月以内です(47条)。建物の滅失も1か月以内(57条)、土地の地目・地積の変更も1か月以内(37条)と定められています。
Q4表題登記に登録免許税はかかりますか?
表示に関する登記は原則として登録免許税がかかりません。実際の負担は土地家屋調査士への報酬と測量費用が中心で、建物の規模や現地の状況によって変動します。
Q5表題部と権利部は何が違いますか?
表題部は不動産の物理的現況を記録し、登記官が職権でも登記できます(28条)。権利部は所有権や抵当権を記録し、当事者の申請がなければ動きません(16条)。
Q6建物を解体したのに滅失登記をしないとどうなりますか?
存在しない建物の登記が残り、土地の売買や再建築の障害になります。滅失から1か月以内の申請義務があり(57条)、登記官が職権で滅失登記をする場合もあります。
Q7地積更正登記とはどんな手続ですか?
登記されている土地の面積を実測に基づく正しい面積に改める登記です。隣地所有者との境界確認と土地家屋調査士による測量が前提となり、売却交渉に入る前に済ませておくのが安全です。
Q8表示に関する登記は自分で申請できますか?
本人申請は可能ですが、建物図面・各階平面図や地積測量図の作成が必要です。代理は土地家屋調査士の独占業務であり(土地家屋調査士法3条)、実務では専門家に依頼するのが一般的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの物置、登記してないんですけど、法務局って本当に勝手に登記しに来るんですか?
制度上は可能です。28条が登記官に職権での表示登記を認め、その前提として29条が実地調査権を与えています。実際は人員の制約があり、地図整備、区画整理、市町村からの情報提供などのきっかけがある場合に動くのが通常です。実務のポイント:登記官が動くきっかけの最大の供給源は市町村の家屋調査です。固定資産税の調査で新しい建物が把握された時点で、その存在は登記側からも見えていると考えた方がいい
Q2職権で登記してくれるなら、自分で申請しなくてもいいのでは?
義務は消えません。建物の新築表題登記は1か月以内(47条)、滅失は1か月以内(57条)が申請義務で、違反は10万円以下の過料(164条)の対象です。28条は登記官の権限規定であって、あなたの義務を免除する条文ではありません。実務のポイント:実際に過料が科される例は多くありません。しかし未登記のままでは抵当権が設定できず住宅ローンが組めない。売却時も買主が決済に進めない。過料より、金融機関に断られる方がはるかに痛い
Q3職権で入れられた面積が明らかにおかしいんですが、争えますか?
争えます。登記官の処分に不服があるときは、監督法務局または地方法務局の長へ審査請求ができます(156条)。並行して、土地家屋調査士に依頼して地積更正登記や表題部の更正登記を申請する道もあります。実務のポイント:審査請求より、正確な測量図を添えた更正登記の申請の方が早く決着することが多い。争う姿勢を見せる前に、まず数字で反論できる資料を作る。解釈が分かれる論点ではなく、単純に手続の速さの問題です
間違えやすい点 AI による整理
- 「登記は全部、当事者が申請しなければ動かない」と信じられているが、16条の申請主義が支配しているのは権利に関する登記であって、表示に関する登記には28条という職権発動の道が開いている。表題部は例外領域だと認識を切り替える必要がある
- 表題登記に申請義務があること自体は知っていても、その深刻度が理解されていない。新築建物は所有権取得から1か月(47条)、滅失は1か月(57条)、地目・地積の変更も1か月(37条)が期限で、違反は10万円以下の過料(164条)の対象になる。しかも登記官が職権で登記を入れたとしても、申請を怠っていた事実そのものが消えるわけではない
- あなたから見れば表題部の面積は「固定資産税の計算根拠」にすぎないが、法律から見ればそれは不動産を特定するための識別情報そのものだ。現況とずれた床面積や構造を放置した建物は、売買や抵当権設定の場面で「登記された建物と目の前の建物の同一性が確認できない」と扱われる。この落差が、決済当日に取引を止める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 登記を動かす主体 | 28条:登記官が職権で登記できる | 16条:当事者の申請(または官庁の嘱託)が必要 29条:登記官が現地で事実を調査する権限 |
| 対象となる登記 | 表示に関する登記(表題部:地目・地積・種類・構造・床面積) | 権利に関する登記(権利部:所有権・抵当権など)が中心 表示に関する登記の調査全般 |
| 所有者が動かない場合の帰結 | 登記官が職権で記録を整える。申請義務は消えない | 登記は一切動かない。権利変動は公示されないまま 調査の結果が28条の職権発動につながる |
| 所有者側の対抗手段 | 更正登記の申請、または審査請求(156条) | 自ら申請する以外に方法はない 調査への協力・現況資料の提出で内容を是正 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾も登記機関による「逕為登記」を認め、地籍図重測の成果にもとづき面積等を職権で改める。日本統治期の土地調査事業に由来する地籍制度を基礎とする点で日本と近い
韓国は土地・建物の物理的現況を地籍公簿(지적공부)が一次的に管理し、登記の表題部はこれに従う構造。現況台帳を行政が職権で整える発想は共通する
不動産単元(不动产单元)ごとに自然状況(面積・用途・座落)を登記し、登記機構が誤りを発見したときは職権で更正登記できる仕組みを持つ
ドイツは土地の物理的表示を Grundbuch 自体ではなく公的目録である Liegenschaftskataster が担い、測量行政が職権で更新する。表題部と権利部を一冊に収める日本と機関分担の設計が異なる
フランスは publicité foncière が人的編成に近い構造をとり、物理的現況は財務当局が管理する cadastre が担当する。cadastre の更新は行政の職権作用である
米国は連邦統一の登記簿を持たず、権利証書の記録(recording)と課税目的の parcel 管理が別系統。物理的現況の職権更新は assessor の課税実務として行われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した実家の物置を解体したのに、滅失登記をしないまま放置していたらどうなる? 建物の滅失登記の申請義務は滅失の日から1か月(57条)、怠れば10万円以下の過料の対象(164条)。登記官が職権で滅失登記を入れることもあるが、それを待つか自分で1か月以内に動くかで、記録の中身も費用負担も変わってくる
- 増築した6畳の部屋を登記していない。法務局の職員が敷地の外から建物を測っている場面に出くわす。29条の実地調査であり、その先に控えているのが28条の職権登記だ
- 土地を売る直前に登記事項証明書を取ったら、地積が売買契約書の数字と12平方メートル違っていた。地図整備の成果に基づき、登記官が職権で表題部を書き換えていたためである。坪単価で代金を組み立てていたなら、その差はそのまま金額に跳ね返り、決済日は延期になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 表題部の記載に誤りを見つけたら、登記事項証明書と現況資料(測量図、建築確認済証、固定資産税課税明細)を突き合わせて、どの数字がいつ動いたかを特定する2. 誤りが職権登記によるものでも、表題部所有者または所有権登記名義人として更正の登記を申請できる3. 登記官の処分そのものに不服があれば、監督法務局または地方法務局の長に審査請求(156条)。実務上、期間の制限はないと解されているが、放置するほど取引上の実害は積み上がる4. 測量が争点なら土地家屋調査士、権利の帰属が争点なら弁護士と、窓口を分ける
訴えられた側:1. 未登記の建物や未変更の土地を抱えているなら、職権登記や過料の通知を待たず自分から申請する2. 期限は建物の新築が1か月(47条)、滅失が1か月(57条)、地目・地積の変更が1か月(37条)、建物の表示変更が1か月(51条)。既に過ぎていても申請自体は可能で、遅れたことを理由に受け付けられないわけではない3. 土地家屋調査士に現況測量と図面を整えてもらい、自分の数字で登記を確定させる4. 過料(164条、10万円以下)は裁判所が科す非訟手続であって前科ではない。恐れて放置する方が損失は大きい
時効(請求できる期限):28条自体に期限はない。関連する申請義務の期限は、建物の新築表題登記が所有権取得から1か月(47条)、建物の表示変更が1か月(51条)、建物の滅失が1か月(57条)、土地の地目・地積の変更が1か月(37条)。登記官の処分に対する審査請求(156条)は、実務上、期間の制限がないと解されている(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:28条は登記官の権限規定であり、所有者の申請義務(37条・47条・51条・57条)を免除する趣旨ではないと解される。職権発動は申請義務の履行を補完するものであって代替するものではなく、職権登記後も過料(164条)の可能性は残るとされる。
実務上の理解:職権発動の実際の契機は、地図整備事業、土地区画整理、国土調査の成果送付、市町村からの家屋情報の提供など外部要因に依存する。登記官の人的資源には限りがあるため、網羅的な職権登記は想定されておらず、申請主義を前提とした補完手段として運用されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 旧不動産登記法(明治32年法律第24号)を全部改正し、口語化とオンライン申請制度の導入を行った際に、表示に関する登記についての職権主義が現行28条として整理された
改正の年表
- 1.明治32年(1899年) 新設:旧不動産登記法(明治32年法律第24号)制定。ドイツ Grundbuchordnung の物的編成主義を継受しつつ、課税目的の土地台帳・家屋台帳が登記簿とは別系統で併存する二元的構造が生まれた
- 2.昭和35年(1960年) 改正:土地台帳・家屋台帳と登記簿を一元化し、表示に関する登記の制度が創設された。不動産の物理的現況の公示が登記所の所管に統合され、職権による表示登記の基礎が置かれた
- 3.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法全部改正(平成16年法律第123号)。口語化とオンライン申請制度の導入にあわせ、表示に関する登記についての職権主義が現行28条として整理された
- 4.令和3年(2021年) 改正:所有者不明土地問題への対応として民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)により不動産登記法が改正され、相続登記の申請義務化など登記簿と現況の乖離を埋める方向が強められた
- 不動産登記法 第16条当事者申請主義の原則、本条はその例外
- 不動産登記法 第29条登記官の実地調査権、職権発動の事実的前提
- 不動産登記法 第27条表示に関する登記の登記事項の共通定め
- 不動産登記法 第47条建物の表題登記の申請義務、1か月の期限
- 不動産登記法 第164条申請義務違反に対する過料の制裁
- 地方税法 第382条登記所から市町村長への通知、課税台帳との連動
- 国土調査法 第20条地籍調査の成果に基づく登記簿の表示の改め
- 土地家屋調査士法 第3条表示に関する登記の代理業務の独占範囲
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