不動産登記法 第29条(登記官による調査)
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- 登記官は、表示に関する登記について第十八条の規定により申請があった場合及び前条の規定により職権で登記しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該不動産の表示に関する事項を調査することができる。
- 2.登記官は、前項の調査をする場合において、必要があると認めるときは、日出から日没までの間に限り、当該不動産を検査し、又は当該不動産の所有者その他の関係者に対し、文書若しくは電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの提示を求め、若しくは質問をすることができる。この場合において、登記官は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
この条文の基本情報
登記官による調査とは何ですか?
定義登記官による調査とは、不動産登記法第29条に定められた規定で、「登記官は、表示に関する登記について第十八条の規定により申請があった場合及び前条の規定により職権で登記しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該不動…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第29条(登記官による調査)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第29条の条文原文は「登記官は、表示に関する登記について第十八条の規定により申請があった場合及び前条の規定により職権で登記しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該不動…」で始まります。
- 不動産登記法第29条は第一款 通則に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第29条の前の条は不動産登記法第28条です。
- 不動産登記法第29条の次の条は不動産登記法第30条です。
- 不動産登記法第29条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第29条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第29条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/29
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法29条は、表示に関する登記について登記官の実地調査権を定める。検査は日出から日没までに限られ、登記官は身分証明書の提示義務を負う。罰則のない任意調査である。
Q · 法務局の登記官が家や土地を見に来るって、断ってもいいんですか?
断れるが罰則がない代わりに申請が却下されうる
不動産登記法29条1項により、登記官は表示に関する登記の申請(18条)または職権登記(28条)の場面で、必要があると認めるときに不動産の表示に関する事項を調査できます。2項の検査・質問・文書提示要求は日出から日没までに限られ、登記官は身分証明書を携帯し、請求があれば提示しなければなりません。応じない者を処罰する規定はなく任意調査ですが、調査結果と申請情報が合致しないときは25条13号により申請そのものが却下されます。
解説
法務局の職員が、平日の昼下がりに突然あなたの敷地の前に立つことがある。建物の表題登記、地積の更正、滅失の登記といった「表示に関する登記」は、提出された書類だけで決まらないからだ。29条1項が登記官に調査権限を与え、2項が現地を検査し、所有者やその他の関係者に質問し、文書や電磁的記録の提示を求める権限まで与えている。ここであなたが握っておくべきは三本の縛りだ。第一に時間帯、日出から日没までに限られ、夜間の検査は権限外。第二に身分証明書、登記官は携帯義務を負い、あなたが請求すれば提示しなければならない。第三に強制力、この調査に応じない者を罰する規定は置かれておらず、法的性質は任意調査である。そしてもう一つ、条文は「調査することができる」と書くが、不動産登記規則93条は登記官に「調査しなければならない」と義務づけている。省略を期待して待つ側に回ると、調査結果と申請内容が合致しないという理由(25条13号)で案件ごと却下される。
法的な位置づけ
不動産登記法29条は、登記官の実地調査権を定める規定である。表示に関する登記につき申請があった場合または職権で登記しようとする場合において、登記官は不動産の表示に関する事項を調査することができ、日出から日没までの間に限り当該不動産を検査し、所有者その他の関係者に質問し、文書または電磁的記録に記録された事項の表示を求めることができる。罰則を伴わない任意調査として設計されている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申請前に現況と申請情報を突き合わせる 建物図面・各階平面図・地積測量図と実際の現況(増改築部分、附属建物、地目、境界)を照合する。ずれがあれば申請前に測量をやり直す。調査で不一致が記録されてから直すより、申請前に直す方が圧倒的に安い
- 2.実地調査の日程連絡が来たら立会いを準備する 登記官から現地確認の連絡が入ったら、立会いの可否と時間帯を確認する。日出から日没までが権限の範囲なので、日没後の日程を提示された場合はその場で時間帯の制限(29条2項)を指摘して調整を求める
- 3.身分証明書の提示を求め、記録を残す 現地に来た登記官へ身分証明書の提示を求める(29条2項後段)。氏名・所属・訪問日時をメモし、可能なら現況写真も撮る。後日156条の審査請求に進む場合、事実関係の起点として使える
- 4.現況についての認識を口頭と資料で伝える 増改築の時期、境界の経緯、解体の日付など、自分の認識を具体的に説明する。裏づけ資料があればその場で示す。建物内部への立入りを求められた場合は、必要な範囲に限定して承諾する
- 5.不一致を指摘されたら取下げ・補正か審査請求を選ぶ 調査で不一致を指摘された場合、却下(25条13号)を待たずに取下げまたは補正を出す方が期限管理上は有利。すでに却下処分が出ているなら、監督法務局または地方法務局の長への審査請求(156条)を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1登記官の実地調査とは何ですか?
表示に関する登記について、登記官が現地に赴き不動産の現況を確認する調査です。不動産登記法29条が根拠で、検査・質問・文書の提示要求ができます。
Q2表題登記の申請後、実地調査はいつ行われますか?
申請受付後、審査の過程で必要と認められた段階で行われます。時期は事案と登記所の繁忙により異なり、日程は事前に連絡されるのが通例です。
Q3実地調査が省略されることはありますか?
条文は「調査することができる」ですが、不動産登記規則93条は登記官に調査を義務づけたうえで省略できる場合を定めています。省略を期待して申請内容を現況に合わせない対応は危険です。
Q4登記官は建物の中まで入れますか?
29条2項が予定するのは不動産の検査であり、住居内部の捜索ではありません。任意調査のため建物内部への立入りには居住者の承諾が必要です。
Q5申請人以外でも調査の対象になりますか?
なります。29条2項は「所有者その他の関係者」に対する質問・提示要求を認めており、隣地所有者や占有者も対象になり得ます。
Q6調査結果が申請内容と違うとどうなりますか?
表示に関する登記の申請情報が29条の調査結果と合致しないときは、25条13号により申請が却下されます。補正で済む軽微な問題として扱われるとは限りません。
Q7登記官の処分に不服があるときはどうすればいいですか?
監督法務局または地方法務局の長に対する審査請求ができます(不動産登記法156条)。却下通知を受けたら根拠と理由を確認して検討します。
Q8建物を新築したのに表題登記をしないと違法ですか?
建物の新築から1か月以内の表題登記申請が義務です(47条1項)。怠ると10万円以下の過料の対象となります(164条、最新の改正状況をご確認ください)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1登記官の調査って、断ったらどうなるんですか?
29条の調査に応じない者を罰する規定は不動産登記法になく、法的性質は任意調査である。ただし断れば、申請情報が調査結果と合致しないとして却下されうる(25条13号)。実務のポイント:法律の文言は「調査することができる」だが、不動産登記規則93条は登記官に調査を義務づけている。あなたが断っても調査は止まらず、過去の図面や現地の外観からあなたの言い分抜きで結論が出る。断るより、立ち会って自分の認識を残す方が実利は大きい
Q2夜に来られたら? そもそも立ち会わないとダメなんですか?
日没後は権限外である。2項が「日出から日没までの間に限り」と明記しており、夜間の検査はできない。立会いを強制する規定もない。実務のポイント:行政調査と憲法35条の関係について、最高裁は川崎民商事件(最大判昭和47.11.22)で、刑事手続以外にも35条の保障が及びうるとしつつ、罰則付きの質問検査を合憲とした。不動産登記法の調査は罰則すらない最も弱い類型に位置する
間違えやすい点 AI による整理
- 登記官に調査権があること自体は知られている。だがその調査結果が却下事由に直結する点までは、意外なほど知られていない。25条13号は、表示に関する登記の申請について、申請情報の内容が29条の調査結果と合致しないときは却下すると定める。現況との不一致は「補正すれば済む軽微な話」ではなく、案件そのものが終わる分岐点である
- 「調査を断れるのか」という問いの立て方自体が、実はずれている。29条の調査に応じない者を処罰する規定は不動産登記法に置かれていないので、形式的には断れる。だが断った結果として待っているのは罰金ではなく、あなたの言い分が記録されないまま結論が出ることだ。問うべきは断れるかではなく、断ったとき誰の情報が登記簿に残るか
- 令状がないのだから立入りは全面的に拒めるはずだ、と考える人がいる。だが29条2項が想定するのは不動産そのものの検査であって、住居内部の捜索ではない。任意調査である以上、建物内部に入るには居住者の承諾が要り、承諾なき立入りは憲法35条の問題に触れる。争点は「令状の有無」ではなく「不動産の検査」と「住居への侵入」の境界線がどこかにある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 29条:登記官に実地調査の権限を与える | 28条:申請がなくても職権で表示登記をする根拠 25条:調査結果と申請情報が合致しない場合の却下事由(13号) |
| 発動の契機 | 18条の申請があったとき、または28条の職権登記をしようとするとき | 登記官が現況と登記簿の齟齬を把握したとき 審査の結果、申請情報に法定の瑕疵が認められたとき |
| 私人への効果 | 検査・質問・提示要求を受ける(罰則なしの任意調査) | 申請しなくても登記簿が動く(滅失登記など) 申請が却下され、手続をやり直す必要が生じる |
| 不服の手段 | 調査自体への不服は想定されにくいが、後続処分は156条の審査請求 | 職権登記の処分に対して156条の審査請求 却下処分に対して156条の審査請求 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾では建物所有權第一次登記の前提として建物第一次測量が要求され、登記機関の実地勘查が現況確認の回路になる。日本の29条が登記官自身の権限として構成されるのに対し、台湾は測量手続を通じた確認の比重が高い
韓国では不動産の表示は地籍公簿・建築物台帳の記載を基礎とし、登記官が独自に現地を調査する場面は日本より限定的とされる。台帳と登記簿の連動が制度的に強い
中国では不動産登記機構が一定の場合に実地査看を行うことができると定められ、申請人の協力義務も規定されている。任意調査に徹する日本と異なり、協力義務を正面から置く点が特徴
ドイツは登記簿(Grundbuch)と地籍(Liegenschaftskataster)を制度的に分離し、現況の確定は測量行政の側で行う。登記官が現地に出向く発想は薄く、日本の29条のような権限規定を登記法内に置かない
フランスは publicité foncière(公示)と cadastre(地籍)を分け、現況の変更は géomètre-expert が作成する document d'arpentage を通じて反映される。公示機関自身の現地調査権という構成は採らない
米国は登録官(recorder)が書面の受理・記録を行うにとどまり、現況確認は当事者側の licensed surveyor による survey と title insurance が担う。公的機関の実地調査権として制度化されていない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、平日の午後に法務局の職員が「隣地の地積更正の件で」とあなたの庭先に立ったら、どうなるか。あなたは申請人ですらない。それでも29条2項の「その他の関係者」に当たり、質問と提示要求の対象になる。断っても罰則はないが、あなたの認識が記録されないまま隣地の境界が動く可能性は残る。何を答え、何を保留するかを決めるのはあなた自身であって、その場の空気ではない
- 新築した建物の表題登記の期限は、完成から1か月(47条1項)。申請から10日後、登記官から現地を見たいと連絡が入る。床面積の算定が図面と食い違えば25条13号で却下され、期限は待ってくれない。残り20日で測り直して出し直せるか、そこが勝負
- 解体したはずの建物の登記が、登記簿に残ったままになっている。登記官が現地を見て建物の不存在を確認すれば、28条の職権で滅失の登記ができる。あなたが動かなくても、登記簿は動く
取るべき行動
被害を受けた側:調査を受ける側の所有者・関係者として。1. 身分証明書の提示を求め、氏名・所属・日時を控える(29条2項後段) 2. 訪問時刻が日没後なら、その場で時間帯の制限(同項)を指摘して日を改めてもらう3. 建物内部への立入りは承諾が前提なので、必要な範囲だけに限定して同意する4. 現況について自分の認識(増改築の時期、境界の経緯、解体の日付)を口頭で伝え、資料があればその場で示す。沈黙は有利には働かない
訴えられた側:申請人・調査で不一致を指摘された側として。1. 調査前に現況と申請情報を突き合わせ、ずれがあれば取下げまたは補正を先に出す2. 指摘を受けたら、測量図・工事完了書類・写真など現況を裏づける資料を追加提出する3. 却下処分が出た場合は、監督法務局または地方法務局の長への審査請求(156条)を検討する4. 表示登記の測量・調査は土地家屋調査士の業務範囲(土地家屋調査士法3条)なので、争点が面積や境界なら早い段階で依頼先を確認する
時効(請求できる期限):29条の調査自体に特定の時効はないが、時間帯の制限がある(日出から日没まで、2項)。周辺の期限は厳格で、建物を新築した場合は1か月以内に表題登記の申請(47条1項)、土地の地目または地積に変更が生じた場合も1か月以内(37条1項)。怠れば10万円以下の過料(164条、最新の改正状況をご確認ください)。登記官の処分に不服がある場合は156条の審査請求へ
学説
通説(行政調査論):不動産登記法29条の調査は、罰則も実力行使も伴わない非権力的な任意調査と解される。強制力を欠く代わりに、25条13号の却下という手続上の不利益によって実効性が担保されており、住居内部への立入りには居住者の承諾を要する。
登記実務の運用:条文の文言は「調査することができる」であるが、不動産登記規則93条が登記官に実地調査を義務づけているため、実務上は原則として調査が行われる前提で申請を準備すべきとされる。省略を前提とした申請設計は却下リスクを高める。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 現行の不動産登記法(平成16年法律第123号)の制定により、旧法下の登記官の実地調査権が現行29条として整理され、電磁的記録に記録された事項の提示要求が明文化された。条番号の対応関係と改正回数は要人的検証
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正(平成16年法律第123号)。旧法下の登記官の実地調査権が現行29条として整理され、電磁的記録に記録された事項の提示要求が明文化された。条番号の対応関係および改正回数は人的検証が必要
- 不動産登記法 第18条調査の契機となる申請の方法
- 不動産登記法 第28条職権による表示登記、調査の第二の契機
- 不動産登記法 第25条13号が調査結果との不一致を却下事由とする
- 不動産登記法 第156条登記官の処分に対する審査請求
- 不動産登記法 第164条表示登記の申請義務違反に対する過料
- 国土調査法 第20条地籍調査の成果に基づく登記への反映
- 土地家屋調査士法 第3条表示登記の調査・測量を担う専門職の業務範囲
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