障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 第73条(自立支援医療費等の審査及び支払)
クイックジャンプ
- 都道府県知事は、指定自立支援医療機関、療養介護医療を行う指定障害福祉サービス事業者等又は基準該当療養介護医療を行う基準該当事業所若しくは基準該当施設(以下この条において「公費負担医療機関」という。)の診療内容並びに自立支援医療費、療養介護医療費及び基準該当療養介護医療費(以下この条及び第七十五条において「自立支援医療費等」という。)の請求を随時審査し、かつ、公費負担医療機関が第五十八条第五項(第七十条第二項において準用する場合を含む。)の規定によって請求することができる自立支援医療費等の額を決定することができる。
- 2.公費負担医療機関は、都道府県知事が行う前項の決定に従わなければならない。
- 3.都道府県知事は、第一項の規定により公費負担医療機関が請求することができる自立支援医療費等の額を決定するに当たっては、医療情報基盤・診療報酬審査支払機構法(昭和二十三年法律第百二十九号)に定める審査委員会、国民健康保険法に定める国民健康保険診療報酬審査委員会その他政令で定める医療に関する審査機関の意見を聴かなければならない。
- 4.市町村等は、公費負担医療機関に対する自立支援医療費等の支払に関する事務を医療情報基盤・診療報酬審査支払機構、連合会その他主務省令で定める者に委託することができる。
- 5.前各項に定めるもののほか、自立支援医療費等の請求に関し必要な事項は、主務省令で定める。
- 6.第一項の規定による自立支援医療費等の額の決定については、審査請求をすることができない。
この条文の基本情報
自立支援医療費等の審査及び支払とは何ですか?
定義自立支援医療費等の審査及び支払とは、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第73条に定められた規定で、「都道府県知事は、指定自立支援医療機関、療養介護医療を行う指定障害福祉サービス事業者等又は基準該当療養介護医療を行う基準該当事業所若しくは基準該当施設(以下この条…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第73条(自立支援医療費等の審査及び支払)は、日本の障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に含まれる条文です。
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第73条の条文原文は「都道府県知事は、指定自立支援医療機関、療養介護医療を行う指定障害福祉サービス事業者等又は基準該当療養介護医療を行う基準該当事業所若しくは基準該当施設(以下この条…」で始まります。
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第73条は第四節に置かれています。
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の公布日は平成17年11月7日です。
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第73条の前の条は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第72条です。
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第73条の次の条は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第74条です。
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第73条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第73条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000123 - 本サイト収録
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第73条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/417AC0000000123/73
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点障害者総合支援法73条では、都道府県知事が自立支援医療費等の請求と診療内容を随時審査し、請求できる額を決定する。この決定に審査請求はできない。
Q · 自立支援医療の公費請求が減額されたら、県に審査請求できるの?
できない。73条6項が審査請求を排除している
障害者総合支援法73条1項により、都道府県知事は自立支援医療費・療養介護医療費・基準該当療養介護医療費の請求と診療内容を随時審査し、請求できる額を決定できます。医療機関はこの決定に従う義務を負います(2項)。額を決定する前には、支払基金や国保の審査委員会などの意見を聴かなければなりません(3項)。一方、この決定には審査請求ができないため(6項)、実務では審査支払機関への再審査の申出が使われます。
解説
心療内科に月二回通っていても、窓口で払うのは原則一割で、月ごとの上限もある。では残りの公費はどこを通って、どうやって病院に届くのか。その答えが本条である。自立支援医療(精神通院医療・更生医療・育成医療)や療養介護医療で、病院・薬局・訪問看護ステーションが受け取る公費部分について、都道府県知事は「請求額」だけでなく「診療内容」そのものを随時審査し、請求できる額を決める(1項)。医療機関はその決定に従わなければならない(2項)。さらに、この決定には行政不服審査法の審査請求(役所の決定に不服を申し立てる正式な手続)をすることができない(6項)。一方で、知事が一人で決めるわけではない。社会保険診療報酬支払基金の審査委員会や国民健康保険診療報酬審査委員会など、医療の専門家の意見を聴く義務がある(3項)。つまり、あなたの受給者証の裏では、健康保険のレセプト(診療報酬明細書)審査と同じ専門家の目が、処方の量や通院の頻度を見ている。医療機関にとっては「請求した額がそのまま入る」世界ではなく、患者にとっては公費が際限なく流れ出ないための関所がある、ということだ。
法的な位置づけ
障害者総合支援法第73条は、自立支援医療費、療養介護医療費及び基準該当療養介護医療費の審査に関する規定である。都道府県知事は公費負担医療機関の診療内容と請求を随時審査して請求可能額を決定し、医療機関はこれに従う義務を負う。額の決定には審査委員会等の意見聴取を要し、審査請求は排除される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.請求前に診療録の根拠を固める 自立支援医療分のレセプトを提出する前に、処方量・算定項目ごとの医学的根拠を診療録に記載しておく。減額後は審査請求ができないため、事前の整合性確認がもっとも効く
- 2.減額通知の査定事由を特定する 減額通知が届いたら、どの患者のどの算定が、どの理由で削られたかを一覧にする。同じ理由の減額が繰り返されていないかも確認する
- 3.再審査の申出期限を確認する 73条6項により審査請求は使えないため、審査支払機関への再審査の申出を検討する。受付期限は機関ごとの運用によるので、通知を受け取ったらすぐ確認する
- 4.医学的根拠を添えて再審査を申し出る 担当医の意見と診療録の該当部分を添えて、期限内に再審査を申し出る。時間が経つほど記憶も補足資料も薄れるため、早めに出す
- 5.繰り返す減額は事前確認で断つ 同じ減額が続く場合は、都道府県の担当課に算定の考え方を事前に確認し、院内の請求ルールを文書化する
よくある質問 AI による整理
Q1自立支援医療費の審査とは何ですか?
都道府県知事が、医療機関の診療内容と自立支援医療費等の請求を審査して請求できる額を決める仕組みです。障害者総合支援法73条が根拠です。
Q2自立支援医療のレセプトは誰が審査していますか?
額を決めるのは都道府県知事です。決定前に、社会保険診療報酬支払基金や国保の審査委員会などの意見を聴く義務があります(73条3項)。
Q3精神通院医療の公費請求は減額されることがありますか?
あります。審査は請求額だけでなく診療内容にも及ぶため、医学的に不自然な処方や算定は減額の対象になりえます。
Q4自立支援医療費の減額に不服がある場合はどうする?
73条6項により審査請求はできません。実務では審査支払機関に再審査を申し出ます。受付期限は各機関の案内で確認してください。
Q5療養介護医療も審査の対象ですか?
対象です。73条1項は、自立支援医療費に加えて療養介護医療費と基準該当療養介護医療費も審査対象としています。
Q6自立支援医療費の支払事務は誰がしている?
市町村等は、支払事務を社会保険診療報酬支払基金や国保連合会などに委託できます(73条4項)。
Q7公費負担医療機関とは?
指定自立支援医療機関、療養介護医療を行う指定障害福祉サービス事業者等、基準該当事業所・施設を合わせて73条が定義した呼び名です。
Q8自立支援医療の請求ルールはどこに書いてある?
73条のほか、請求に関する細かい事項は主務省令で定められています(73条5項)。請求の根拠規定は58条5項です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1減額されたら、県に審査請求って出せないんですか?
出せない。本条6項が、1項の額の決定について審査請求を明文で排除しているからである。実務では、審査支払機関に再審査を申し出る方法が使われる。実務のポイント:取消訴訟で争えるかは、健康保険の減額査定を処分でないとした最判昭和53.4.4との関係で解釈が分かれており、多くの医療機関は訴訟より再審査と次回以降の請求の修正で実利を取っている
Q2自立支援医療を使ってる患者側に、この審査って関係ありますか?
直接の当事者は医療機関だが、関係はある。本条1項の審査は診療内容に及ぶため、公費で認められにくい処方や算定は、医療機関が最初から避ける傾向がある。実務のポイント:医師が「この薬は自立支援の対象外になりやすい」と言うとき、その背景には本条の審査で削られるリスクがある。理由を尋ねれば、代替の処方や健康保険のみでの扱いなど、選択肢を提示してもらえることが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「役所の決定なのだから、不服なら審査請求すればいい」と考える医療機関は多い。しかし本条6項は審査請求を明文で排除している。さらに、健康保険の減額査定については最高裁(最判昭和53.4.4)が行政処分ではないとした経緯があり、本条の決定を取消訴訟で争えるかは実務上、解釈が分かれている。争い方の地図そのものが一般の行政処分とは違う
- 患者の多くは「公費で払われるなら、病院はいくらでも請求できる」と漠然と思っている。実際はその逆で、公費部分こそ知事と審査委員会が診療内容まで踏み込んで見る対象である。患者から見れば無料に近い医療も、医療機関から見れば一件ずつ審査を通過しなければ入金されない請求であり、この視点の落差を知らないと、医療機関の「この処方は公費では出しにくい」という説明の意味が分からない
- 「審査は年に一度の監査のようなもの」と思われがちだが、1項は「随時」審査と定めている。毎月のレセプトの流れそのものに審査が組み込まれており、特別な調査の時だけ発動する仕組みではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 73条:請求と診療内容の審査・額の決定 | 58条:自立支援医療費の支給と請求の根拠 75条:不正利得の徴収 |
| 主な主体 | 都道府県知事(審査委員会等の意見を聴く) | 市町村等(支給)と指定自立支援医療機関(請求) 市町村等(徴収) |
| 作用する段階 | 支払前の審査(随時) | 受診・請求の段階 支払後、不正が判明した段階 |
| 不服の扱い | 審査請求は不可(6項)、実務では再審査の申出 | 条文ごとに確認が必要 条文ごとに確認が必要 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では医療機関の費用申報を保険者(中央健康保険署)が審査し、専門的な審査の仕組みを置く。公費医療を健康保険の審査インフラに乗せる発想は日本と近い
韓国は健康保険審査評価院が療養給付費用を審査する。専門機関の審査を経て支払う構造は共通
ドイツは保険医の診療の経済性審査を医師団体と疾病金庫の共同機関で行う。審査主体が自治的である点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 精神科クリニックの事務長として、ある月の自立支援医療分のレセプトが減額されて戻ってきた。院長は「不服を申し立てろ」と言うが、本条6項は審査請求を封じている。正面から役所に不服申立てをする道はない。実務で使われるのは、審査支払機関への再審査の申出という別ルートである(運用は各機関の案内をご確認ください)
- もし、通っている病院の薬局で、処方されたはずのない薬の分まで公費請求されていたとしたら、どうなる? 本条1項の審査は「診療内容」に及ぶため、請求の中身が医学的に不自然なら審査段階で削られうる。受給者証と自己負担上限額管理票の記録を手元で照合しておけば、不審な点を都道府県の担当窓口に伝える材料になる
- 減額通知が届いた。再審査の申出には受付期限がある。カルテと処方の根拠をまとめる時間は、実質数週間しかない
取るべき行動
被害を受けた側:医療機関として減額された場合:1. 減額理由(査定事由)を通知から特定する2. 該当患者の診療録・処方の医学的根拠を整理する3. 6項により審査請求はできないため、審査支払機関への再審査の申出を期限内に行う4. 同じ減額が繰り返されるなら、都道府県の担当課に算定の考え方を事前確認する。患者として請求内容に疑問がある場合は、受給者証・自己負担上限額管理票・領収書を揃えて都道府県の担当窓口に相談する
訴えられた側:不適切な請求を指摘された医療機関の場合:1. まず指摘の範囲が単なる算定誤りか、組織的な請求か事実関係を確認する2. 誤りなら速やかに訂正・返還の意思を示す3. 不正請求と判断されると、第75条による支払済み費用の徴収や、指定取消しなどの処分に発展しうるため、早期に顧問弁護士・社会保険労務士ではなく医療法務に詳しい弁護士へ相談する4. 以後の請求体制(ダブルチェック)を文書化して示す
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。公費の請求権は一般に5年で時効消滅すると考えられる(地方自治法236条、民法166条。最新の改正状況をご確認ください)。再審査の申出の受付期限は審査支払機関の運用によるため、通知受領後ただちに確認すること
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:障害者自立支援法(平成17年法律第123号)の制定により、自立支援医療費等の審査の仕組みが設けられた
- 2.平成24年(2012年) 改正:法律の題名が「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に改められた(平成25年4月施行)
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 第58条自立支援医療費の支給と請求の根拠
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 第70条療養介護医療費の支給、58条5項を準用
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 第71条基準該当療養介護医療費の支給(現行効力を要確認)
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 第75条自立支援医療費等の不正利得の徴収(現行効力を要確認)
- 行政不服審査法 第1条一般法、本条6項が審査請求を排除する特則
- 国民健康保険法 第87条国保診療報酬審査委員会の設置根拠(現行効力を要確認)
- 生活保護法 第53条医療扶助の審査支払、同型の仕組み(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。