いじめ防止対策推進法 第26条(出席停止制度の適切な運用等)
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市町村の教育委員会は、いじめを行った児童等の保護者に対して学校教育法第三十五条第一項(同法第四十九条において準用する場合を含む。)の規定に基づき当該児童等の出席停止を命ずる等、いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を速やかに講ずるものとする。
この条文の基本情報
出席停止制度の適切な運用等とは何ですか?
定義出席停止制度の適切な運用等とは、いじめ防止対策推進法第26条に定められた規定で、「市町村の教育委員会は、いじめを行った児童等の保護者に対して学校教育法第三十五条第一項(同法第四十九条において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- いじめ防止対策推進法第26条(出席停止制度の適切な運用等)は、日本のいじめ防止対策推進法に含まれる条文です。
- いじめ防止対策推進法第26条の条文原文は「市町村の教育委員会は、いじめを行った児童等の保護者に対して学校教育法第三十五条第一項(同法第四十九条において準用する場合を含む。」で始まります。
- いじめ防止対策推進法第26条は第四章 いじめの防止等に関する措置に置かれています。
- いじめ防止対策推進法の公布日は平成25年6月28日です。
- いじめ防止対策推進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- いじめ防止対策推進法第26条の前の条はいじめ防止対策推進法第25条です。
- いじめ防止対策推進法第26条の次の条はいじめ防止対策推進法第27条です。
- いじめ防止対策推進法第26条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第26条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC1000000071 - 本サイト収録
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第26条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/425AC1000000071/26
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点いじめ防止対策推進法26条は、市町村の教育委員会に対し、いじめを行った児童等の保護者への出席停止命令など、被害児童等が安心して教育を受けられる措置を速やかに講ずるよう定める。
Q · いじめの加害者を出席停止にしてもらうことはできるの?
求められる。決定権は校長でなく市町村教育委員会にある
いじめ防止対策推進法26条は、市町村の教育委員会に対し、加害児童等の保護者への出席停止命令など、被害児童等が安心して教育を受けられる措置を速やかに講ずるよう定めています。出席停止の要件と手続は学校教育法35条にあり、教育委員会は保護者の意見を事前に聴き、理由と期間を記した文書を交付しなければなりません。対象は公立小中学校が中心で、私立では校長による懲戒で対応します。
解説
いじめの被害を受けた子が転校し、加害者のほうは何事もなかったように同じ教室に通い続ける。多くの家庭がこの理不尽を「仕方ない」と飲み込んできた。だが本条は、市町村の教育委員会に対して、加害児童等の保護者に出席停止(学校教育法35条に基づき、一定期間登校させないよう役所が保護者に命じる決定)を命ずるなど、被害児童等が安心して学べるための措置を「速やかに講ずるものとする」と定めている。押さえておきたい点は三つある。第一に、出席停止は罰(懲戒)ではなく、他の子の学習権を守るための制度である。第二に、決めるのは学校長ではなく教育委員会である。校長に「それは無理です」と言われても、そこで終わりではない。第三に、対象は公立の小中学校が中心で、私立には出席停止制度がなく、退学や停学などの懲戒の仕組みで対応する。動かす先を間違えなければ、「被害者が出ていく」以外の選択肢が見えてくる。
法的な位置づけ
いじめ防止対策推進法26条は、いじめへの対応として市町村の教育委員会が講ずべき措置を定める規定である。学校教育法35条(中学校には同法49条で準用)の出席停止制度をいじめ事案に適切に用いることを求め、加害児童等の保護者に対する出席停止命令を代表例として、被害児童等を含む児童等が安心して教育を受けられる環境を速やかに確保する義務を課している。
手順
- 1.いじめの記録を日付順に整理する 写真、診断書、子どもの話のメモ、欠席日数などを日付順にまとめる。教育委員会に措置を求める際の事実の土台になる
- 2.学校に事実確認と指導を書面で求める いじめ防止対策推進法23条に基づき、学校に事実確認と加害児童への指導、必要に応じた別室学習等を書面で求める。提出日と受付者を控えておく
- 3.教育委員会に出席停止を含む措置を書面で要請する 学校で改善しない場合、市町村教育委員会あてに本条と学校教育法35条を挙げ、出席停止を含む措置を速やかに講ずるよう書面で要請する。受付日が残る形で提出する
- 4.欠席が長引けば重大事態の認定も同時に求める 欠席が相当期間に及ぶ場合は、同法28条の重大事態として扱うよう同時に求め、調査と学習環境の回復を並行して進める
よくある質問 AI による整理
Q1いじめ 出席停止とは?
いじめを繰り返す児童の保護者に、教育委員会が一定期間子どもを登校させないよう命じる制度です。罰ではなく、他の児童の学習環境を守るための措置です。
Q2出席停止の要件は?
学校教育法35条1項により、他の児童に傷害や心身の苦痛を与える行為などを繰り返す等、性行不良で他の児童の教育に妨げがあると認められることが要件です。
Q3出席停止は誰が決める?
市町村の教育委員会です。校長や担任には命じる権限がありません。学校が動かないときは、教育委員会に直接書面で求めるのが筋です。
Q4高校でも出席停止はできる?
学校教育法35条の出席停止は小学校と中学校等の義務教育段階の制度です。高校では、校長による停学などの懲戒で対応する仕組みになっています。
Q5出席停止に不服があったら争える?
学校の教育目的の処分は行政不服審査法7条1項8号で審査請求の対象外です。争う場合は、処分を知った日から6か月以内の取消訴訟を検討します。
Q6加害者の親は出席停止を拒否できる?
命令は保護者に対して出されるため、拒否はできません。ただし事前の意見聴取で言い分を述べる機会があり、理由と期間を記した文書の交付も受けられます。
Q7いじめ被害者は転校するしかない?
そうとは限りません。同法23条4項は加害児童を別室で学習させる措置を想定し、本条は教育委員会に出席停止等の措置を求めています。被害者が動くのが前提ではありません。
Q8重大事態の調査と出席停止は同時に求められる?
求められます。同法28条の重大事態調査と本条の出席停止等の措置は別の制度なので、要望書で両方を同時に申し入れることができます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1加害者を出席停止にしてくださいって、親が頼んでもいいんですか?
頼んで構いません。本条は教育委員会に、被害児童等が安心して学べるための措置を速やかに講ずる義務を課しており、出席停止はその代表例として明記されています。実務のポイント:要望は担任経由ではなく、教育委員会あてに日付入りの書面で出すのが効きます。口頭の相談は記録に残らず、「保護者から要望はなかった」と扱われることがあるからです
Q2出席停止って、何日くらい休ませられるんですか?
法律に上限日数の定めはなく、教育委員会が命令書に期間を記載して決めます(学校教育法35条2項)。具体的な手続は各市町村の教育委員会規則で定められています(同条3項)。実務のポイント:期間の決め方は自治体ごとに違うため、まず住んでいる市町村の出席停止に関する規則を情報公開で入手すると、交渉の土台が一気に固まります
Q3うちの子が出席停止になったら、勉強はどうなるんですか?
教育委員会は停止期間中の学習支援その他の教育上必要な措置を講ずることになっています(学校教育法35条4項)。制度の目的は罰ではないので、加害児童の学ぶ権利も切り捨てられません。実務のポイント:課題プリントを渡すだけの形式的な対応も現実にはあります。家庭訪問の頻度や担当教員を具体的に書面で確認しておくと、復帰後の再発防止面談の質まで変わります
Q4私立に通ってるんですが、同じことはできますか?
学校教育法35条の出席停止は市町村教育委員会の権限なので、私立には直接及びません。私立では校長による懲戒(同法11条)として、停学や退学で対応する仕組みです。実務のポイント:学齢児童生徒に停学はできませんが、私立の中学校では退学が可能です(学校教育法施行規則26条)。公立より加害者側への処分の幅がむしろ広い、という逆転が起きます
間違えやすい点 AI による整理
- 「出席停止は加害者への罰だから、よほど悪質でないと無理」と思われがちだが、制度の目的は罰ではなく、他の子が安心して教育を受けられるようにすることである。問われるのは加害者の悪質さの度合いより、被害児童の学習環境が守られているかどうかである
- 出席停止という制度の存在は知っていても、その運用がどれほど少ないかは知られていない。いじめの認知件数が年70万件を超えるなかで、出席停止は全国で毎年ひと桁台にとどまっている(最新の統計をご確認ください)。つまり黙って待っていれば、まず発動されない。発動させるには、保護者側が根拠を挙げて具体的に求めることが事実上の出発点になる
- 「校長が出席停止を決めてくれない」という不満そのものが、問いの立て方として誤っている。命じる権限は市町村の教育委員会にあり、校長にはない。学校とだけ交渉し続けても、権限者は議論の場にいない
- 加害者の保護者から見れば「一方的に子どもを締め出す処分」だが、法律から見れば、意見聴取・理由と期間の書面交付・停止期間中の学習支援がセットになった手続である(学校教育法35条2項・4項)。手続を軽んじた命令は、後で争われる余地を残す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 措置の主体 | 26条:市町村の教育委員会 | 23条:学校(教職員) 25条:校長及び教員 |
| 措置の内容 | 加害児童等の保護者への出席停止命令など | 事実確認、被害児童の支援、加害児童への指導、別室学習など 学校教育法11条に基づく懲戒 |
| 性質 | 他の児童の学習環境を守る措置(懲戒ではない) | 学校現場での初動対応 教育上必要な場合の懲戒 |
| 根拠となる他法令 | 学校教育法35条(中学校は49条で準用) | 特になし(本法内で完結) 学校教育法11条 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は教育部の準則で学校の霸凌防制と調査手続を定める。日本のように教育委員会が保護者に出席停止を命じる仕組みは採らず、学校内での輔導と懲処が中心
韓国は加害学生への措置を段階的に法定し、その中に出席停止を明記する。日本より措置の類型化が進んでいる
ドイツは州の学校法で秩序措置として一時的な授業からの排除を定める。連邦ではなく州ごとに制度が異なる
米国は州法ごとにいじめ対策を定め、停学等の処分は学区の規律方針に委ねられることが多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 子どもが同じクラスの三人から毎日持ち物を隠され、殴られ、もう二週間学校に行けていない。担任は「加害者には指導しました」と言うだけ。保護者として、本条と学校教育法35条を挙げて、市町村教育委員会あてに出席停止の検討を書面で求めることができる
- 加害者を出席停止にできないなら、うちの子が別室登校するしかないの? 実はいじめ防止対策推進法23条4項は、加害側を別室で学習させる措置も想定している。被害者が動くことが前提ではない
- あなたの息子が「いじめの加害者」とされ、教育委員会から意見聴取の連絡が来た。出席停止を命じるには保護者の意見を事前に聴き、理由と期間を書いた文書を交付しなければならない(学校教育法35条2項)。聴取の日まであと五日。言い分と証拠を整理する時間は、それしかない
- 娘は私立中学に通っている。出席停止を頼んだら「本校には制度がない」と言われた。私立は退学・停学といった懲戒で対応する仕組みなので、求める先と根拠を切り替える必要がある
- PTA の知り合いから「出席停止なんて実際は誰もやらない、言うだけ無駄」と言われた。運用件数が少ないのは事実だが、それは法律上できないという意味ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. いじめの記録を日付順に整理する(写真、診断書、子どもの話のメモ、欠席日数)2. 学校には同法23条に基づく事実確認と加害児童への指導を書面で求める3. 改善しなければ市町村教育委員会あてに、本条と学校教育法35条を挙げて出席停止を含む措置を書面で要請する4. 欠席が長引く場合は同法28条の重大事態として扱うよう、同時に求める
訴えられた側:1. 教育委員会からの意見聴取には必ず応じ、子どもの言い分、経緯、反省や関係修復の動きを書面にまとめて出す2. 命令書に理由と期間が明記されているか確認する(学校教育法35条2項)3. 停止期間中の学習支援の具体的内容を求める(同条4項)4. 事実認定に重大な誤りがあれば、審査請求ではなく取消訴訟を視野に弁護士へ相談する
時効(請求できる期限):本条自体に期限はないが、教育委員会には「速やかに」措置を講ずる義務がある。出席停止命令を争う取消訴訟は、処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。いじめによる損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)
学説
行政解釈(制度趣旨):学校教育法35条の出席停止は、本人への懲戒ではなく、他の児童の教育を受ける権利を保障するための措置と位置づけられる。本条はこの制度をいじめ事案で適切に運用するよう教育委員会に求めるものと理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)制定 いじめ防止対策推進法の制定(同年9月28日施行)に伴い新設。学校教育法上の出席停止制度をいじめ対応に適切に運用するよう教育委員会に求めた
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:いじめ防止対策推進法の制定(同年9月28日施行)に伴い新設。学校教育法上の出席停止制度をいじめ対応に用いるよう市町村教育委員会に求めた
- いじめ防止対策推進法 第2条いじめの定義、措置の前提
- いじめ防止対策推進法 第23条学校の事実確認・加害者別室学習等
- いじめ防止対策推進法 第25条校長・教員による懲戒
- いじめ防止対策推進法 第28条重大事態の調査義務
- 学校教育法 第35条出席停止の要件と手続の本体
- 学校教育法 第49条中学校への出席停止の準用
- 行政不服審査法 第7条学校の教育目的処分を審査請求から除外
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