いじめ防止対策推進法 第28条(学校の設置者又はその設置する学校による対処)
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- 学校の設置者又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態(以下「重大事態」という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行うものとする。
- 一いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
- 二いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。
- 2.学校の設置者又はその設置する学校は、前項の規定による調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童等及びその保護者に対し、当該調査に係る重大事態の事実関係等その他の必要な情報を適切に提供するものとする。
- 3.第一項の規定により学校が調査を行う場合においては、当該学校の設置者は、同項の規定による調査及び前項の規定による情報の提供について必要な指導及び支援を行うものとする。
この条文の基本情報
学校の設置者又はその設置する学校による対処とは何ですか?
定義学校の設置者又はその設置する学校による対処とは、いじめ防止対策推進法第28条に定められた規定で、「学校の設置者又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態(以下「重大事態」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- いじめ防止対策推進法第28条(学校の設置者又はその設置する学校による対処)は、日本のいじめ防止対策推進法に含まれる条文です。
- いじめ防止対策推進法第28条の条文原文は「学校の設置者又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態(以下「重大事態」という。」で始まります。
- いじめ防止対策推進法第28条は第五章 重大事態への対処に置かれています。
- いじめ防止対策推進法の公布日は平成25年6月28日です。
- いじめ防止対策推進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- いじめ防止対策推進法第28条の前の条はいじめ防止対策推進法第27条です。
- いじめ防止対策推進法第28条の次の条はいじめ防止対策推進法第29条です。
- いじめ防止対策推進法第28条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第28条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC1000000071 - 本サイト収録
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第28条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/425AC1000000071/28
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点いじめ防止対策推進法28条は、いじめによる重大な被害や長期欠席の疑いがあれば、学校の設置者または学校が組織を設けて調査し、被害児童と保護者に情報提供する義務を定める。
Q · 学校が「いじめかどうか分からない」と言うとき、調査を断ることはできるの?
疑いがあれば調査義務あり。いじめの証明は不要です
いじめ防止対策推進法28条1項は、いじめにより重大な被害が生じた「疑い」、または相当の期間の欠席を余儀なくされている「疑い」があると認めるときに、学校の設置者または学校が組織を設けて調査を行うと定めています。いじめの有無は調査で明らかにするものであり、調査を始める前提ではありません。調査後は、2項により被害を受けた児童等と保護者に事実関係等の必要な情報を適切に提供しなければなりません。
解説
学校に「いじめがあったか確認してください」と頼むとき、多くの保護者は相手の好意にすがっている。実際には頼みごとではない。本条は、いじめで子どもの生命、心身または財産に重大な被害が生じた「疑い」があるとき、またはいじめで相当の期間(基本方針では年間30日が目安)欠席を余儀なくされている「疑い」があるとき、学校の設置者または学校に調査組織を設けて事実関係を調べることを義務づけている。この状態を法律は「重大事態」と呼ぶ。鍵になるのは「疑い」の一語である。学校が「いじめかどうか分からない」と言っても、調査を始めない理由にはならない。さらに2項で、調査結果は被害を受けた子どもとその保護者に適切に提供しなければならない。担任との面談で「様子を見ましょう」と言われたら、その場で「重大事態として調査してください」と書面で求める。それだけで、学校の内部判断にとどまっていた話を、法律に定められた手続に乗せることができる。
法的な位置づけ
重大事態調査とは、いじめ防止対策推進法第28条に基づき、いじめによる生命・心身・財産への重大な被害の疑い、または相当の期間の欠席を余儀なくされている疑いがある場合に、学校の設置者または学校がその下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法で事実関係を明確にする調査をいう。
手順
- 1.被害の事実を日付順に記録する 欠席日数、診断書、通院記録、SNSのスクリーンショット、本人の話、金銭被害の記録を日付順に一枚にまとめる。調査組織が最初に確認する資料になる
- 2.学校長宛てに書面で調査を申し立てる 「いじめ防止対策推進法28条の重大事態として調査を求める」と明記した日付入りの書面またはメールを学校長宛てに送り、控えを保管する。口頭のみの申入れは避ける
- 3.調査組織の構成と調査方針を確認する 調査組織に第三者の専門家が入るか、学校関係者との利害関係の有無、調査範囲、質問票(アンケート)の開示方針について、調査開始前に説明を求める
- 4.結果の提供を受け、必要なら所見書と再調査を求める 28条2項に基づき事実関係等の情報提供を受ける。事実と食い違う箇所があれば、報告書に添える所見書を作成し、公立なら地方公共団体の長、私立なら都道府県知事による再調査を求める
よくある質問 AI による整理
Q1いじめの重大事態とは何ですか?
いじめにより生命・心身・財産に重大な被害が生じた疑い、または相当の期間の欠席を余儀なくされている疑いがある状態です。いじめ防止対策推進法28条1項が定めています。
Q2重大事態の調査は誰が行いますか?
学校の設置者(教育委員会や学校法人など)またはその学校です。設置者か学校の下に組織を設けて調査し、学校が調査する場合は設置者が指導・支援します(28条3項)。
Q3いじめで不登校になったら重大事態になりますか?
いじめにより相当の期間の欠席を余儀なくされている疑いがあれば該当します(28条1項2号)。国の基本方針は年間30日の欠席を目安としています。
Q4重大事態の申立ては保護者でもできますか?
できます。国の基本方針とガイドラインは、保護者から申立てがあれば、学校が重大事態ではないと考えていても重大事態が発生したものとして対応するよう求めています。
Q5いじめ調査を学校が拒否するのは違法?
重大事態の疑いがあるのに調査をしなければ、28条1項の義務に反するおそれがあります。公立学校では、国家賠償法上の責任が問題になる余地もあります。
Q6重大事態の調査にアンケートは使われますか?
28条1項は「質問票の使用その他の適切な方法」による調査を定めています。在籍する児童生徒へのアンケートと聞き取りを組み合わせるのが一般的な運用です。
Q7お金を取られるいじめも重大事態になりますか?
なりえます。28条1項1号は生命・心身だけでなく「財産」への重大な被害の疑いも対象にしています。金銭の要求や持ち物の破損が続く場合は検討対象です。
Q8重大事態の調査はいつまでに始めるべき?
条文は「速やかに」と定めており、具体的な日数の期限はありません。初動が遅れると、後の再調査で学校や設置者の対応そのものが検証される可能性があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1欠席がまだ30日いってないんですが、重大事態の調査はお願いできませんか?
お願いできます。30日は文部科学省の基本方針が示す目安であり、28条1項2号の要件ではありません。一定期間連続して欠席している場合などは、30日未満でも迅速に着手するよう求められています。実務のポイント:基本方針とガイドラインは、保護者からの申立てがあったときは、学校が「重大事態ではない」と考えていても重大事態が発生したものとして報告・調査にあたるよう求めています。申立ての書面が、学校の判断を逆転させるスイッチになります
Q2調査結果、こっちには何も教えてもらえないんですか?
28条2項により、学校の設置者または学校は、いじめを受けた児童等とその保護者に、事実関係などの必要な情報を適切に提供しなければなりません。個人情報保護を理由に黙っていてよいわけではありません。実務のポイント:質問票(アンケート)を被害側に開示する可能性があることを、実施前に他の児童生徒や保護者へ説明しておくことが、ガイドラインで求められています。調査開始時に「アンケートの開示方針」を確認しておくと、後で開示を断られにくくなります
Q3報告書の内容がどうしても事実と違います。もう打つ手はないですか?
公立学校なら、調査結果は地方公共団体の長に報告され、長が必要と認めれば再調査を行えます(同法30条1項・2項)。私立学校は31条に同様の仕組みがあります。実務のポイント:報告書に保護者の所見をまとめた文書を添えて首長等へ送付するよう求めることができます。再調査に進むかどうかを判断する人が最初に読むのはこの所見書です。感情ではなく、報告書のどの事実認定がどの証拠と食い違うかを箇条書きにします
間違えやすい点 AI による整理
- 「いじめだと証明できなければ、学校に調査を求められない」という考え方は、問いの立て方そのものが間違っている。本条の要件は「疑いがあると認めるとき」であり、いじめの有無を確かめるために調査をするのである。証明は調査の入口ではなく出口にある
- 調査をすれば加害した子が罰せられると思って、被害側も加害側も身構える。しかし法律から見れば、本条の目的は事実関係を明らかにし、同種の事態の発生を防ぐことにある。処罰や損害賠償は別の手続になる。調査報告書が「誰が悪いか」の判決書になると期待した被害側は失望し、それを恐れた加害側は口を閉ざす。このずれが調査をこじらせる
- 「学校の調査結果が最終結論だ」と多くの家庭は受け止める。実際には、公立学校なら地方公共団体の長が必要と認めれば再調査ができる(同法30条2項)。私立学校には31条に同様の仕組みがある。また、調査結果に保護者の所見をまとめた文書を添えるよう求めることもできる。一度目の報告書で終わりではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動のきっかけ | 28条:重大な被害または長期欠席の「疑い」 | 23条:いじめの事実があると思われるとき・通報を受けたとき 30条:28条調査の結果報告を受けたとき(公立) |
| 主体 | 学校の設置者またはその設置する学校 | 学校(教職員・学校) 地方公共団体の長 |
| 内容 | 組織を設けた事実関係の調査と被害側への情報提供 | 事実確認、被害児童の支援、加害児童への指導等 必要と認めるときの調査結果の再調査 |
| 位置づけ | 重大事態に対する法定の調査手続 | いじめ一般への初期対応 28条調査への外部チェック(私立は31条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では学校の防制校園霸凌因応小組が調査・認定を行う。法律ではなく教育基本法に基づく準則で規律される点が日本と異なる
韓国は学校暴力の調査から加害生徒への措置まで法律で体系化しており、処分の手続を含む点で、事実解明と再発防止を目的とする日本の28条より踏み込んでいる
フランスは学校でのいじめのない就学を受ける権利を法典に明記し、2022年法で学校いじめ(harcèlement scolaire)を刑事罰の対象とした
米国には連邦の包括的ないじめ防止法がなく、各州法が学区に調査・報告手続を課している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 息子が二学期から学校に行けなくなり、欠席はもう25日。学校は「本人の体調の問題では」と言う。でも息子は LINE グループから外され、教室で笑われていたと打ち明けた。30日を越える前に、保護者から重大事態の申立てを書面で出しておく
- 保護者が「重大事態だ」と申し立てたのに、学校が「いじめとは確認できない」と調査を断ったら、どうなる? 文部科学省の基本方針とガイドラインは、申立てがあった時点で重大事態が発生したものとして報告・調査にあたるよう求めている。門前払いは手続違反の疑いが濃い
- あなたは公立中学校の教頭である。生徒が自傷行為をし、背景に部活内のいじめがありそうだ。校長は「大ごとにしたくない」と渋っている。ここで調査を遅らせれば、後で第三者委員会や首長による再調査が入ったとき、学校の初動そのものが検証対象になる
- 子どもの財布から毎週3,000円ずつ消え、問い詰めると同級生に渡していたと分かった。「財産」への重大な被害も、重大事態の入口になる
- あなたの子どもが加害側として質問票に名前を書かれた。調査組織から聞き取りの日程が届く。調査は処分の場ではないが、記録は残る。面談の前夜、家族で事実を時系列にまとめておく時間はもう一晩しかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 欠席日数、けがの診断書、通院記録、SNS のスクショ、本人の話を日付順にまとめる2. 学校長宛てに「いじめ防止対策推進法28条の重大事態として調査を求める」と書面で申し立て、控えを残す3. 調査組織の構成と第三者性、調査の範囲、質問票の扱いについて説明を求める4. 結果に納得できなければ所見書を添付し、公立なら首長による再調査(30条2項)を求める。損害賠償は別に検討する
訴えられた側:1. 学校側の立場なら、「疑い」の段階で設置者に報告し、調査組織を速やかに立ち上げる。様子見は後の検証で最も重く見られる2. 加害側とされた家庭は、聞き取り前に事実を時系列で整理し、子どもに誘導のない形で話をさせる3. 調査は処罰の手続ではないことを確認したうえで、事実と違う記載には書面で意見を出す4. 懲戒や出席停止は別の根拠に基づく手続であり、その段階で改めて弁明する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はなく「速やかに」とされる。不登校の重大事態は年間30日の欠席が目安(文部科学省の基本方針)。損害賠償を請求する場合、損害および加害者を知った時から3年、生命・身体の侵害なら5年(民法724条、724条の2)。公立学校の設置者に対する国家賠償請求も、民法の時効規定に従う(国家賠償法4条)
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年) いじめ防止対策推進法の制定により新設。大津市の中学生いじめ自殺事件を契機に、重大事態の調査義務と被害側への情報提供義務が明文化された。その後の本条文言の改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)の制定により新設。重大事態の調査義務と、いじめを受けた児童等・保護者への情報提供義務を規定した
- いじめ防止対策推進法 第2条いじめの定義、ネット上の行為を含む
- いじめ防止対策推進法 第23条いじめ発覚時の学校の措置義務
- いじめ防止対策推進法 第30条公立学校の首長報告と再調査
- いじめ防止対策推進法 第31条私立学校の知事報告と再調査
- いじめ防止対策推進法 第11条国の基本方針、30日目安の根拠
- 国家賠償法 第1条公立学校の調査懈怠等の賠償責任
- 学校教育法 第35条加害児童の出席停止制度
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