いじめ防止対策推進法 第30条(公立の学校に係る対処)
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- 地方公共団体が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、当該地方公共団体の教育委員会を通じて、重大事態が発生した旨を、当該地方公共団体の長に報告しなければならない。
- 2.前項の規定による報告を受けた地方公共団体の長は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。
- 3.地方公共団体の長は、前項の規定による調査を行ったときは、その結果を議会に報告しなければならない。
- 4.第二項の規定は、地方公共団体の長に対し、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第二十一条に規定する事務を管理し、又は執行する権限を与えるものと解釈してはならない。
- 5.地方公共団体の長及び教育委員会は、第二項の規定による調査の結果を踏まえ、自らの権限及び責任において、当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずるものとする。
この条文の基本情報
公立の学校に係る対処とは何ですか?
定義公立の学校に係る対処とは、いじめ防止対策推進法第30条に定められた規定で、「地方公共団体が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、当該地方公共団体の教育委員会を通じて、重大事態が発生した旨を、当該地方公共団体の長に報告しな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- いじめ防止対策推進法第30条(公立の学校に係る対処)は、日本のいじめ防止対策推進法に含まれる条文です。
- いじめ防止対策推進法第30条の条文原文は「地方公共団体が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、当該地方公共団体の教育委員会を通じて、重大事態が発生した旨を、当該地方公共団体の長に報告しな…」で始まります。
- いじめ防止対策推進法第30条は第五章 重大事態への対処に置かれています。
- いじめ防止対策推進法の公布日は平成25年6月28日です。
- いじめ防止対策推進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- いじめ防止対策推進法第30条の前の条はいじめ防止対策推進法第29条です。
- いじめ防止対策推進法第30条の次の条はいじめ防止対策推進法第30条の2です。
- いじめ防止対策推進法第30条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第30条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC1000000071 - 本サイト収録
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第30条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/425AC1000000071/30
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点いじめ防止対策推進法30条は、公立学校の重大事態を教育委員会経由で首長に報告させ、首長が必要と認めれば附属機関等で再調査し、結果を議会に報告すると定める。
Q · 学校のいじめ調査の結果に納得できないとき、市長に再調査を頼めるの?
申し入れはできるが、実施するかは首長の判断次第
いじめ防止対策推進法30条2項により、公立学校の重大事態について報告を受けた首長は、必要と認めるときに附属機関を設けるなどして、学校や教育委員会の調査結果を再調査できます。条文は「できる」という権限規定のため、保護者の申し入れで再調査が必ず始まるわけではありません。再調査を行った場合、首長は結果を議会に報告する義務を負います(同条3項)。調査の欠落を具体的に示した申し入れが、首長の判断を左右します。
解説
学校と教育委員会がまとめた調査報告書に納得できない。その時点で話は終わらない。公立学校で重大事態(命・心身・財産への重大な被害の疑い、または長期の不登校)が起きた場合、学校は教育委員会を通じて、市長や知事など自治体の首長へ必ず報告しなければならない。報告を受けた首長は、必要と認めれば附属機関(首長の下に置く第三者委員会)を設けて、最初の調査をもう一度検証できる。これが「再調査」である。再調査をした場合、首長はその結果を議会に報告する義務を負う。つまり、教育委員会の内部で閉じていた話が、選挙で選ばれた首長と議会の前に出ていく。ただし条文は「できる」であり、再調査をするかどうかは首長の判断に委ねられている。保護者に再調査を強制する法的な権利までは書かれていない。だからこそ、首長が「必要がある」と判断せざるを得ない材料を、あなたの側でそろえて届けることが勝負になる。
法的な位置づけ
公立学校の重大事態再調査とは、いじめ防止対策推進法第30条に基づき、地方公共団体の長が、教育委員会を通じて報告を受けた重大事態について、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、学校の設置者または学校が行った第28条第1項の調査結果を改めて検証する手続をいう。再調査を行った長は、その結果を議会に報告する義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.最初の調査報告書の欠落を一覧にする 学校・教育委員会の調査報告書を受け取ったら、結論より先に聞き取り対象者の一覧と事実認定の根拠を確認し、聞き取りの漏れ、事実誤認、委員の中立性への疑問を項目ごとに表へまとめる
- 2.調査資料の開示請求を行う 個人情報保護法に基づく開示請求で、聞き取り記録や調査資料など本人に関する保有個人情報の開示を求める。報告書の公開版だけでは欠落を立証しにくいため、根拠資料を手元にそろえる
- 3.首長宛てに再調査の申入書を提出する 市長や知事宛てに、いじめ防止対策推進法30条2項の再調査を求める理由を書面で提出する。感情の訴えより、どの事実がなぜ未解明か、再調査で何を確認すべきかを具体的に書く
- 4.並行して議員・弁護士に相談する 首長が動かない場合に備え、地元議員への相談や、国家賠償請求などの法的手段について弁護士と検討する。損害賠償には時効があるため、申し入れの結果を待たずに並行して進める
よくある質問 AI による整理
Q1いじめの重大事態とは?
いじめにより生命・心身・財産に重大な被害が生じた疑いがある場合と、相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合を指します(いじめ防止対策推進法28条1項)。
Q2いじめの再調査は誰が行う?
公立学校の場合は市長や知事など地方公共団体の長です。実務では首長部局に附属機関(第三者委員会)を置き、弁護士や心理の専門家などの委員が調査を担います。
Q3いじめ 再調査 期間はどれくらい?
法律上の期限は定められていません。事案の規模や聞き取り対象の人数によって異なり、委員の選任から報告まで1年以上かかる例もあります。
Q4いじめ 再調査 申し入れの方法は?
首長宛てに書面で申し入れるのが一般的です。最初の調査で未解明の事実、聞き取りの漏れ、委員の中立性への疑問を具体的に列挙すると、首長部局が必要性を判断しやすくなります。
Q5再調査委員会のメンバーはどう決まる?
附属機関の委員は首長が任命します。公平性と中立性を確保するため、当該事案の関係者と利害関係のない弁護士、精神科医、学識経験者、心理・福祉の専門家などが選ばれるのが通例です。
Q6私立学校のいじめは市長に再調査を頼める?
私立学校は本条ではなく同法31条の対象で、所轄庁である都道府県知事に報告され、知事が再調査を行うことができます。市長ではなく知事が窓口になります。
Q7いじめ 再調査 報告書は公表される?
首長は再調査の結果を議会に報告する義務があります(30条3項)。ただし個人が特定される情報は伏せた概要版で報告・公表されることが多く、範囲は被害者側の意向も踏まえて調整されます。
Q8不登校30日でいじめの重大事態になる?
文部科学省の基本方針等では、年間30日の欠席が「相当の期間」の目安とされています。ただし一定期間連続して欠席している場合は30日に満たなくても重大事態として扱われうるとされています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市長に再調査をお願いしたら、断られました。もう打つ手はないんですか?
第30条2項は「行うことができる」という権限規定なので、首長が再調査を拒んでも、それを直接争う手段は限られています。ただし、個人情報保護法76条の開示請求、議員への働きかけ、国家賠償法1条に基づく損害賠償請求の中で事実を争う道は残っています。実務のポイント:首長が再調査を判断する際、保護者側の申し入れ書に「どの事実が、なぜ未解明か」が書かれているかどうかが大きく影響します。感情を訴える手紙より、欠落事項の一覧表のほうが首長部局の担当者を動かします
Q2再調査の結果が議会に報告されると、うちの子の名前が出てしまいませんか?
第30条3項は議会への報告を義務づけていますが、個人が特定される情報の扱いは別の問題です。実務では、氏名を伏せた概要版を報告・公表するのが通例です。実務のポイント:公表範囲は再調査委員会や首長部局が被害者側の意向を聞いて調整することが多いので、報告前に「公表してよい範囲」を書面で伝えておきましょう。黙っていると、行政側の判断だけで公表範囲が決まってしまいます
間違えやすい点 AI による整理
- 「再調査は保護者が申し込めば必ず始まる」と思われがちだが、条文は首長に権限を与えているだけで、義務にはしていない。申し入れは出発点にすぎず、調査の欠落や中立性への疑問を具体的に示せなければ、首長は動かないことも多い
- 首長が再調査に乗り出せば、市長が学校に直接命令して加害生徒の処分や担任の交代をさせられると期待する人がいる。しかし第4項は、首長に教育委員会の権限を与えるものと読んではならないと明記している。再調査の結果を受けて措置を講じるのは、首長と教育委員会がそれぞれ自分の権限の範囲で行う
- 保護者から見れば「調査報告書がすべて」だが、制度から見ると報告書は議会や首長へ続く連鎖の途中にすぎない。最初の報告書を最終結論と思い込んで諦めた瞬間、使えたはずの検証の段階を自分から手放すことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる学校 | 30条:地方公共団体が設置する公立学校 | 29条:国立大学法人が設置する附属学校 31条:学校法人が設置する私立学校 |
| 重大事態の報告先 | 教育委員会を通じて地方公共団体の長(市長・知事など) | 国立大学法人の学長を通じて文部科学大臣 所轄庁である都道府県知事 |
| 再調査を行える者 | 地方公共団体の長(附属機関の設置等による) | 文部科学大臣 都道府県知事 |
| 再調査結果の議会報告 | あり:首長は結果を議会に報告する義務(3項) | 条文の確認を推奨 条文の確認を推奨 |
他国ではどう定めているか 4 か国
校園霸凌は学校の防制校園霸凌因應小組が調査し、当事者には申復などの不服手続がある。日本の首長による再調査と議会報告に相当する仕組みは見当たらない
学校暴力の審議を教育支援庁の학교폭력대책심의위원회が担い、学校外の機関で判断する構造をとる。処分への不服は行政審判等で争う
いじめのない就学を受ける権利を明文化し、2022年法で学校でのハラスメントを独立の犯罪類型として刑法典に置いた。刑事法的アプローチが日本より前面に出ている
連邦法に包括的ないじめ防止法はなく、州法と学区の方針が中心。学区に調査手続と報告を義務づける州が多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 教育委員会の第三者委員会が「いじめと不登校の因果関係は認められない」と結論づけた。聞き取りの対象から、娘が名前を挙げた同級生が抜けている。この欠落こそが、首長に再調査を求める最も強い根拠になる
- もし、子どもが自ら命を絶ち、学校の基本調査が「家庭の問題」で締めくくられていたら、遺族に残された道は何か? 市長部局による再調査は、教育委員会と切り離された場で事実をもう一度検証する数少ない入口である
- あなたは公立中学の校長だ。重大事態の報告を後回しにしているうちに、保護者が市長宛てに直接手紙を出した。報告ルートを飛ばされた学校の調査は、それだけで信用を失う
- 調査報告書の答申から半年が過ぎた。市議会の次の定例会が三週間後に迫り、議員に一般質問で取り上げてもらうには、通告の締め切りまで日数がほとんどない
- 不登校が年間30日を超えても、学校が「重大事態ではない」と言い張る。入口の認定が止まれば、首長への報告も再調査もすべて動かない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 学校・教育委員会の調査報告書を受け取ったら、事実認定の誤り、聞き取りの漏れ、委員の中立性への疑問を一覧にする2. 個人情報保護法に基づく開示請求で、調査資料や聞き取りの記録を入手する3. 首長宛てに、第30条2項の再調査を求める理由を書面で申し入れる4. 首長が動かない場合は、議員への相談や国家賠償請求など、並行する手段を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 学校の立場では、第28条1項の重大事態に当たる疑いが出た時点で、教育委員会を通じて首長への報告を遅らせない2. 再調査に備え、聞き取りの記録、対応の時系列、保護者とのやり取りを改ざんせずに保存する3. 再調査委員会から資料の提出を求められたら、組織として誠実に応じる。隠蔽を疑われることのほうが、当初の対応の不備より大きく信頼を損なう
時効(請求できる期限):再調査の申し入れについて、法律上の期限はない。ただし文部科学省のガイドラインと運用上、首長への報告は重大事態の発生後速やかに行うことが求められる。損害賠償を考えるなら、国家賠償法4条を通じて民法の時効が適用される。生命・身体の侵害は、損害と加害者を知った時から5年、行為時から20年(民法724条、724条の2)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)の制定により新設。公立学校の重大事態について、首長への報告、首長による再調査、議会報告の仕組みを設けた
- いじめ防止対策推進法 第28条重大事態の定義と学校設置者等の調査義務
- いじめ防止対策推進法 第29条国立大学法人附属学校の対処
- いじめ防止対策推進法 第31条私立学校の対処、都道府県知事への報告
- いじめ防止対策推進法 第2条いじめの定義、重大事態認定の前提
- 地方教育行政の組織及び運営に関する法律 第21条教育委員会の職務権限、第4項の歯止め対象
- 地方自治法 第138条の4附属機関の設置根拠、再調査委員会の器
- 国家賠償法 第1条公立学校の対応不備に対する賠償責任
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