いじめ防止対策推進法 第35条(高等専門学校における措置)
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高等専門学校(学校教育法第一条に規定する高等専門学校をいう。以下この条において同じ。)の設置者及びその設置する高等専門学校は、当該高等専門学校の実情に応じ、当該高等専門学校に在籍する学生に係るいじめに相当する行為の防止、当該行為の早期発見及び当該行為への対処のための対策に関し必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
この条文の基本情報
高等専門学校における措置とは何ですか?
定義高等専門学校における措置とは、いじめ防止対策推進法第35条に定められた規定で、「高等専門学校(学校教育法第一条に規定する高等専門学校をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- いじめ防止対策推進法第35条(高等専門学校における措置)は、日本のいじめ防止対策推進法に含まれる条文です。
- いじめ防止対策推進法第35条の条文原文は「高等専門学校(学校教育法第一条に規定する高等専門学校をいう。」で始まります。
- いじめ防止対策推進法第35条は第六章 雑則に置かれています。
- いじめ防止対策推進法の公布日は平成25年6月28日です。
- いじめ防止対策推進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- いじめ防止対策推進法第35条の前の条はいじめ防止対策推進法第34条です。
- いじめ防止対策推進法第35条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第35条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC1000000071 - 本サイト収録
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第35条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/425AC1000000071/35
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点いじめ防止対策推進法35条は、高専の設置者と高専に、学生へのいじめに相当する行為の防止・早期発見・対処の措置を講ずる努力義務を課す。重大事態調査の義務は直接かからない。
Q · 高専でいじめを受けたら、高校と同じように学校に調査を義務づけられる?
義務ではなく努力義務。各校の基本方針が実際の根拠になる
いじめ防止対策推進法の「学校」(2条2項)に高専は含まれないため、高校に課される基本方針の策定(13条)や重大事態調査(28条)の義務は高専に直接かかりません。代わりに35条が、高専と設置者に、学生に係るいじめに相当する行為の防止・早期発見・対処の措置を講ずる努力義務を課しています。実際に調査や対応を求める際は、各校が定めるいじめ防止基本方針と相談手続を根拠にするのが現実的です。
解説
15歳で入学する高専の1年生は、同じ年の高校1年生と年齢も生活もほぼ変わらない。ところがいじめ防止対策推進法の上では、二人の立場はまったく違う。同法2条2項が定める「学校」は、小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校(幼稚部を除く)だけである。高等専門学校はこの中に入っていない。高専は学校教育法上の高等教育機関で、在籍者は「生徒」ではなく「学生」と呼ばれるからだ。高校なら法律で義務づけられている学校いじめ防止基本方針の策定(13条)、対策組織の設置(22条)、重大事態の調査(28条)は、高専には直接かからない。その空白を埋めるために置かれたのが本条である。ただし本条は設置者と学校に、実情に応じて必要な措置を講ずる「努力義務」(違反しても罰則や直接の制裁はないが、そう努めるよう法律が求める義務)を課しているだけだ。だから高専の学生や保護者が動くときは、法律の条文番号ではなく、学校が独自に定めた基本方針と相談・調査の手続を手元に取り寄せるところから始めることになる。
法的な位置づけ
いじめ防止対策推進法35条は、同法2条2項の「学校」に含まれない高等専門学校について、その設置者及び学校に対し、当該学校の実情に応じ、在籍する学生に係るいじめに相当する行為の防止、早期発見及び対処のための対策に関し必要な措置を講ずる努力義務を課す規定である。
手順
- 1.被害の事実を時系列で記録する 日時・場所・相手・内容をメモにまとめ、SNSやチャットのやり取りはスクリーンショットで保存する。心身に影響が出ていれば医療機関を受診し診断書を取得する
- 2.学校のいじめ防止基本方針と相談窓口を確認する 高専のウェブサイトでいじめ防止基本方針を探し、調査や対応の手続、相談窓口(学生相談室・担任・学生主事など)を確認する。公表されていなければ学校に写しを請求する
- 3.方針を引用した書面で調査と対応を求める 事実経過、基本方針の該当条項、求める対応(事実調査・再発防止策)、回答期限を明記した書面を、送付記録が残る方法で学校に提出する
- 4.学校の対応が不十分なら設置者に相談する 35条は設置者にも努力義務を課しているため、学校とのやり取りの経過を添えて、国立なら国立高等専門学校機構、公立なら設置自治体等に相談する。損害賠償を検討する場合は弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1いじめ防止対策推進法35条とは?
高等専門学校とその設置者に、学生に係るいじめに相当する行為の防止・早期発見・対処の措置を講ずるよう努めることを求める規定です。高専が同法の「学校」に含まれないための手当てです。
Q2高専 いじめ 相談先はどこ?
まず学生相談室・担任・学生主事など学校の窓口です。対応が不十分なら設置者(国立なら国立高等専門学校機構、公立なら自治体等)にも相談できます。
Q3高専のいじめ防止基本方針はどこで見られる?
多くの高専は独自のいじめ防止基本方針を各校のウェブサイトで公表しています。見つからない場合は学校に写しを請求しましょう。13条の策定義務は高専に直接かかりません。
Q4高専の寮で起きたいじめも対象になる?
本条は「在籍する学生に係る」いじめに相当する行為を対象としており、学校が管理する寮で起きた行為も含まれうると考えられます。寮の規則や方針の手続も確認しましょう。
Q5高専の専攻科生もいじめ対策の対象?
本条の「在籍する学生」には専攻科生も含まれると読めます。20歳を超えていても、学校と設置者の努力義務の対象から外れるわけではありません。
Q6大学のいじめはいじめ防止対策推進法の対象?
対象外です。大学は同法2条2項の「学校」に含まれず、高専の35条のような手当ての規定もありません。大学ではハラスメント防止規程などで対応するのが一般的です。
Q7高専のいじめで損害賠償請求できる?
できる場合があります。加害者には民法709条、学校側には使用者責任(715条)や安全配慮義務違反、設置形態によっては国家賠償法が問題になります。時効にも注意が必要です。
Q8いじめ対策の努力義務に違反するとどうなる?
本条違反だけで直ちに罰則や違法になるわけではありません。ただ、学校の対応状況が損害賠償訴訟で安全配慮義務の判断材料になることはあり、軽視はできません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1高専っていじめ防止法の対象じゃないって本当ですか?
半分は本当です。同法2条2項の「学校」に高専は入っていないので、13条・22条・28条などの義務は直接かかりません。その代わりに35条が、高専と設置者に措置を講ずる努力義務を課しています。実務のポイント:多くの高専は、国の基本方針にならった独自の方針を作って公表しています。交渉で役に立つのは法律の条文より、その方針に書かれた手続です
Q2子どもが高専でいじめられて休んでいます。学校に第三者調査を頼めますか?
法律上は、28条のような調査義務は高専に直接かかりません。それでも35条の努力義務と学校の基本方針を根拠に、調査を求めることはできます。実務のポイント:「法律上の権利として」と迫るより、「貴校の方針に定める重大事態に当たると考える」と書面で指摘する方が効きます。回答期限を区切り、記録が残るメールや書面でやり取りするのがコツです
間違えやすい点 AI による整理
- 「高専でもいじめ防止対策推進法の重大事態調査を請求できる」という問いの立て方そのものがずれている。28条の調査義務は同法の「学校」にだけかかり、高専には直接かからない。問うべきは「法律上の請求権があるか」ではなく、「この高専の基本方針が、どんな場合にどんな調査を約束しているか」である
- 努力義務だから意味がない、と考える人は多い。たしかに本条に違反しても直ちに違法になるわけではない。ただ、学校が定めた方針やいじめへの対応状況が、損害賠償訴訟で安全配慮義務(学校が学生の生命・身体の安全に配慮する義務)の中身を判断する材料として持ち出されることはある。努力義務がどこまで法的な重みを持つかは、実務上、解釈が分かれている
- 学生から見れば「高校生と同じ年齢なのに守りが薄い」と感じる。法律の側から見れば、高専は大学と同じ高等教育機関の一員で、学生の自律を前提に設計されている。この見え方の落差があるから、学生が黙っていれば学校から手を差し伸べてくれるとは限らない。自分から声を上げることが前提になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 35条:高等専門学校の設置者及び高専 | 13条:同法2条2項の「学校」(小・中・義務教育学校・高校・中等教育学校・特別支援学校) 28条:同法の「学校」の設置者又は学校 |
| 義務の性質 | 努力義務(講ずるよう努めるものとする) | 法的義務(基本方針を定めるものとする) 法的義務(調査を行うものとする) |
| 具体的内容 | 実情に応じた必要な措置(内容は各校・設置者に委ねられる) | 学校いじめ防止基本方針の策定 重大事態の調査と、被害児童等・保護者への情報提供 |
| 学生・保護者が使える根拠 | 各校が独自に定めるいじめ防止基本方針 | 学校が策定・公表した基本方針 法律上の調査義務と情報提供義務(28条2項) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は教育部の準則で学校における霸凌防止を規律する。台湾の五年制専科学校は日本の高専に近い学制であり、学校種ごとの適用範囲の差に注目すると日本の空白が比較しやすい
韓国は初中等学校を対象とする学校暴力予防法で法的義務を課す。高等教育段階は対象外という点で日本の高専・大学の扱いと構造が近い
中国は未成年者保護法で学校に学生欺凌の防止制度の整備を求める。未成年者という年齢基準で保護をかける点で、学校種で線を引く日本と対照的
米国には連邦の統一的ないじめ防止法がなく、州法と学区の方針で対応する。学校ごとの方針に保護の厚さが左右される点は日本の高専と似る
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 寮で同室の上級生から毎晩のように使い走りをさせられ、深夜まで眠れない。高専の多くは学生寮を持ち、寮内の上下関係はいじめの温床になりやすい。学校に訴えるときは「いじめ防止対策推進法28条の重大事態だ」と言うのではなく、「貴校のいじめ防止基本方針に基づく調査を求める」と書面で伝える方が実際に動いてもらえる
- 高専2年の子どもが不登校になって1か月が過ぎた。高校なら、いじめにより相当の期間欠席している疑いがある場合の重大事態調査(28条1項2号、目安は年間30日)が法律上の義務になる。高専では法律上の義務にはならない。保護者は、学校の方針に同じような基準があるかを今すぐ確認すべきだ
- もし高専の教員であるあなたが、学生からのいじめ相談を「もう大人なんだから自分で解決しなさい」と突き返したらどうなる? 本条が努力義務にとどまるとしても、学校が定めた方針に反する対応は懲戒の対象になりうるし、のちの損害賠償請求では学校側の安全配慮義務違反を裏付ける事情として使われるおそれがある
- 専攻科に進んだ21歳の学生が、研究室で同級生から無視と陰口を受け続けている。本条の「学生」には専攻科生も含まれる。年齢に関係なく対象になる
- 卒業研究の発表まであと2週間。グループの仲間がデータを隠して、あなた一人に失敗の責任を押し付けようとしている。発表が終わってから相談しても証拠は散らばるだけだ。チャットのやり取りをいま保存し、学生相談室に記録を残しておく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 日時・場所・相手・内容を時系列でメモし、SNS やチャットはスクショで保存する2. 学校のいじめ防止基本方針と相談窓口(学生相談室、担任、学生主事など)を確認する3. 方針を引用した書面で、事実の調査と再発防止策を求める4. 対応が不十分なら設置者に相談する5. 心身に被害が出ていれば医師の診断書を取り、民法709条・715条などによる損害賠償も検討する(設置形態によっては国家賠償法の問題になる)
訴えられた側:1. 学校の聴き取りには感情的にならず、事実と時系列を整理して臨む2. 相手とのやり取りを消さずに残す。削除すると証拠隠しを疑われる3. 懲戒手続が始まったら、学則と懲戒規程を確認して弁明の機会を求める4. 相手が誤解しているなら、学校を通して話し合いの場を設けてもらう。直接接触すると事態が悪化しやすい
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。いじめを不法行為として損害賠償を請求する場合は、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条・724条の2)、行為の時から20年で消滅する
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)制定 いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)の制定時から置かれている規定。高専を「学校」の定義から外したうえで、努力義務による手当てを定めた
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)の制定とともに新設。高専を同法2条2項の「学校」から外したうえで、設置者及び高専に努力義務による措置を求めた
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