いじめ防止対策推進法 第7条(学校の設置者の責務)
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学校の設置者は、基本理念にのっとり、その設置する学校におけるいじめの防止等のために必要な措置を講ずる責務を有する。
この条文の基本情報
学校の設置者の責務とは何ですか?
定義学校の設置者の責務とは、いじめ防止対策推進法第7条に定められた規定で、「学校の設置者は、基本理念にのっとり、その設置する学校におけるいじめの防止等のために必要な措置を講ずる責務を有する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- いじめ防止対策推進法第7条(学校の設置者の責務)は、日本のいじめ防止対策推進法に含まれる条文です。
- いじめ防止対策推進法第7条の条文原文は「学校の設置者は、基本理念にのっとり、その設置する学校におけるいじめの防止等のために必要な措置を講ずる責務を有する。」で始まります。
- いじめ防止対策推進法第7条は第一章 総則に置かれています。
- いじめ防止対策推進法の公布日は平成25年6月28日です。
- いじめ防止対策推進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- いじめ防止対策推進法第7条の前の条はいじめ防止対策推進法第6条です。
- いじめ防止対策推進法第7条の次の条はいじめ防止対策推進法第8条です。
- いじめ防止対策推進法第7条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第7条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC1000000071 - 本サイト収録
いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号)第7条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/425AC1000000071/7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点いじめ防止対策推進法7条は、学校の設置者に、設置する学校のいじめ防止等に必要な措置を講ずる責務を課す。公立は教育委員会、私立は学校法人が担う。
Q · いじめ対策の責任は学校と担任だけにあるの?
教育委員会や学校法人など学校の設置者にも法的責務がある
いじめ防止対策推進法7条は、学校の設置者に、設置する学校のいじめの防止・早期発見・対処のために必要な措置を講ずる責務を課しています。設置者は、公立なら地方公共団体(実際に動くのは教育委員会)、私立なら学校法人、国立なら国立大学法人です。学校と教職員の責務(8条)とは別の独立した責務であり、学校の対応が機能しないときは、設置者に書面で働きかけるのが法律の想定するルートです。
解説
いじめの相談先として、多くの親は担任か校長しか思い浮かべない。だが法律上、いじめ防止の措置を講じる「責務」を名指しで負わされているのは、校長より一段上の「学校の設置者」である。公立なら市区町村や都道府県(実際に動くのは教育委員会)、私立なら学校法人、国立なら国立大学法人を指す。人の配置、予算、調査組織の立ち上げは、学校単体では決められない。権限を持つのは設置者だ。だから、担任に何度訴えても状況が動かないとき、あなたが次に向かう先は校長室ではなく、教育委員会か学校法人の理事会になる。本条そのものは抽象的な責務規定だが、重大事態の調査(28条)や首長への報告(30条)といった具体的な義務の出発点になっている。学校の中だけで話を終わらせない理由は、ここにある。
法的な位置づけ
いじめ防止対策推進法7条は、学校の設置者の責務を定める総則規定であり、設置者が基本理念(同法3条)にのっとり、その設置する学校におけるいじめの防止、早期発見及び対処のために必要な措置を講ずる責務を負う旨を規定する。設置者とは、公立学校では地方公共団体(事務は教育委員会が担う)、私立学校では学校法人、国立学校では国立大学法人を指す。
よくある質問 AI による整理
Q1学校の設置者とは誰のことですか?
公立小中学校なら市区町村(事務は教育委員会)、都道府県立高校なら都道府県、私立なら学校法人、国立なら国立大学法人です。校長や担任は設置者ではありません。
Q2いじめ防止対策推進法7条には何が書いてある?
学校の設置者が、基本理念にのっとり、設置する学校のいじめの防止等のために必要な措置を講ずる責務を有する、と一文で定めています。
Q3教育委員会はいじめにどこまで介入できる?
公立校の設置者として、学校への指導・助言、指導主事の派遣、重大事態の調査組織の設置(28条)などを行えます。人員や予算の手当ても設置者の権限です。
Q4いじめの重大事態とは?
生命・心身・財産に重大な被害が生じた疑いがある場合や、相当期間の欠席を余儀なくされている疑いがある場合です(28条1項)。欠席は国の基本方針で年間30日が目安です。
Q5学校のいじめ対応が遅いのは違法?
7条は抽象的な責務規定のため、遅いこと自体が直ちに違法とは限りません。ただし重大事態の調査義務(28条)違反や安全配慮義務違反として責任が問われる場合があります。
Q6いじめで教育委員会を訴えることはできる?
公立校なら国家賠償法1条に基づき地方公共団体に損害賠償を請求できる場合があります。7条単独ではなく、教職員や設置者の具体的な過失の立証が必要です。
Q7国立大学附属学校のいじめは誰の責任?
設置者は国立大学法人です。重大事態が発生した場合、国立大学法人の学長を通じて文部科学大臣に報告される仕組みになっています(29条)。
Q8いじめ防止対策推進法はいつできた?
平成25年(2013年)6月28日に公布され、同年9月28日に施行されました。大津市の中学生いじめ自殺事件を契機とする議員立法です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1担任じゃ話にならないんだけど、教育委員会にいきなり言っていいの?
問題ない。7条は設置者自身にいじめ防止の措置を講じる責務を課しており、公立校の設置者の事務を担うのは教育委員会である。実務のポイント:電話より書面のほうが効く。日付と宛先の入った文書は、のちに第三者委員会が経過を検証するときの一次資料になる。設置者もそれを分かっているので、書面には慎重に対応する
Q2私立なら、どこに相談すればいいの?
設置者は学校法人なので、まず理事長宛てに書面を出す。重大事態は学校法人から都道府県知事に報告されることになっており(31条)、窓口は県庁の私学担当課である。実務のポイント:私学担当課は個別の指導に慎重だが、「重大事態の報告が上がっているか」という照会には答えざるをえない。報告が上がっていないこと自体が、学校側の手続違反を示す材料になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「いじめ対応は学校の仕事」と考えるのが普通だが、法律は責務を三層に分けている。学校と教職員(8条)、設置者(7条)、そして地方公共団体(6条)だ。学校が動かないことは、そのまま設置者の責務が果たされていないことを意味する。行き止まりではなく、次の段がまだ残っている
- 教育委員会に相談すると学校との関係がこじれる、と心配する保護者は多い。だが学校側から見れば、設置者への報告は本来自分たちが行うべきものだ(28条、30条)。保護者からの申立ては、学校が抱え込んでいた事案を正式な手続きに乗せる役割を果たす。法律の側から見れば、通報先として想定された正規のルートである
- 「責務を有する」と書いてあれば設置者を訴えられる、と思うのは早計だ。本条は抽象的な責務規定で、本条だけを根拠に損害賠償を請求するのは難しい。請求の根拠は、公立なら国家賠償法1条、私立なら安全配慮義務違反(民法415条など)になる。本条は、その義務の中身を具体化する材料として使われる。この使われ方の重みは、裁判例によって評価が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 責務の主体 | 7条:学校の設置者(教育委員会・学校法人・国立大学法人) | 8条:学校及び学校の教職員 6条:地方公共団体 |
| 責務の内容 | 設置する学校のいじめ防止等に必要な措置を講ずる | 保護者・地域住民等と連携し、防止・早期発見・適切かつ迅速な対処 国と協力し、地域の状況に応じた施策を策定・実施 |
| 権限の性質 | 予算・人員配置・調査組織の設置など運営面の権限 | 日々の教室・学校現場での直接対応 地域全体の施策と条例・計画レベルの対応 |
| 保護者が働きかける場面 | 学校が動かない、重大事態の調査を求めるとき | まず最初の相談・事実確認の段階 地域の相談体制や再調査(30条)を求めるとき |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は法律の授権に基づく教育部の準則で、学校と主管機関の霸凌防止体制を定める。日本のような独立した法律ではなく、行政規則レベルで運用される点が異なる
韓国は学校暴力全般を対象とする独立法を持ち、教育行政機関の責務と審議機構を法律で詳細に定める。日本より手続の法定度が高い
フランスは生徒の「ハラスメントのない就学の権利」を教育法典に明記する。権利構成をとる点で、責務構成の日本と対照的
米国には連邦の一般的ないじめ防止法がなく、州法と学区の方針で規律される。学区(school district)が日本の設置者に近い役割を担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 担任に三回相談したのに「様子を見ましょう」で終わった。次に連絡すべきなのは誰か? 公立なら市区町村の教育委員会、私立なら学校法人の事務局である。校長を飛ばしたことにはならない。法律が責務を課している相手に話を持っていくだけだ
- 子どもが不登校になって間もなく一か月。国の基本方針は、年間30日を目安に「重大事態」の調査対象として扱うとしている。欠席日数の記録を、今週中に整理して残しておくこと
- あなたが教育委員会の指導主事だとする。学校から上がってきた報告は「いじめではなく、からかい合い」。設置者として報告を鵜呑みにすれば、後の第三者委員会で「設置者の措置不十分」と書かれるのは、学校ではなく教育委員会のほうだ
- 私立中学の保護者から、学校がいじめ調査を拒んでいると相談を受けた。教育委員会に電話しても管轄外と言われる。私立の重大事態は都道府県知事への報告ルート(31条)になる。窓口は県庁の私学担当課である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 子どもの訴え、ケガの写真、欠席日数、学校とのやり取りを日付つきで記録する2. 子どもの学校の設置者を確認する(公立は教育委員会、私立は学校法人、国立は国立大学法人) 3. 学校への申入れは書面で行い、写しを設置者にも送る4. 欠席が長引く場合や心身への被害が重い場合は、28条の重大事態として調査を求める旨を明記する5. 動きがなければ首長(公立)や知事(私立)への報告状況を照会し、弁護士への相談も検討する
訴えられた側:設置者側の担当者として申立てを受けた場合:1. 学校の報告だけで判断せず、本人と保護者から直接聞き取った記録を残す2. 重大事態の申立てがあれば、いじめかどうかの判断を保留したまま報告・調査の手続に乗せる3. 調査組織の構成(第三者性)と、被害側への情報提供の方針を早い段階で文書化する(28条2項) 4. 対応の遅れは国家賠償や第三者委員会報告での批判に直結すると心得ておく
時効(請求できる期限):本条に特定の期限はない。公立学校の対応の誤りについて国家賠償法1条で請求する場合は、同法4条により民法が準用される。損害および加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)、不法行為の時から20年で請求できなくなる。私立に対する債務不履行構成なら、一般の消滅時効(民法166条、知った時から5年、権利行使できる時から10年。生命・身体の侵害は20年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:7条は設置者の抽象的責務を定める訓示的規定であり、本条単独から具体的な請求権は生じない。ただし国家賠償法1条や安全配慮義務違反の判断において、設置者・学校に求められる注意義務の内容を具体化する要素として参照されうる。
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)制定 大津市中学生いじめ自殺事件を契機に、議員立法でいじめ防止対策推進法が成立し、同年9月28日に施行された。設置者の責務は第1章総則に置かれた。施行後の改正の有無は要検証
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)の制定により新設。同年6月28日公布、9月28日施行。大津市の中学生いじめ自殺事件を契機とする議員立法で、第1章総則に設置者の責務として置かれた。
- いじめ防止対策推進法 第8条学校及び教職員の責務、現場層の義務
- いじめ防止対策推進法 第6条地方公共団体の責務、上位層の義務
- いじめ防止対策推進法 第28条設置者等による重大事態の調査義務
- いじめ防止対策推進法 第30条公立学校の重大事態の首長報告と再調査
- いじめ防止対策推進法 第31条私立学校の重大事態の知事報告
- 学校教育法 第5条設置者管理主義と経費負担の原則
- 国家賠償法 第1条公立学校の対応過誤に対する賠償責任
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