審査庁となるべき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成するよう努めるとともに、これを作成したときは、当該審査庁となるべき行政庁及び関係処分庁の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。
要点行政不服審査法 17 条は、審査庁となるべき行政庁に審理員候補者名簿の作成努力義務と公表義務を課す規定。これにより誰が審理を担うかを事前に検証できる。
Q · 審査請求を担当する審理員は事前に分かるの?役所の身内が審理して公正なの?
努力義務だが、作成したら名簿の公表は必須
行政不服審査法 17 条により、審査庁となるべき行政庁は審理員の候補者名簿を作成するよう努め、作成したときは事務所への備付けなどの方法で必ず公にしなければなりません。名簿の作成自体は努力義務ですが、作成した場合の公表は義務です。公表された名簿を使えば、自分の審査請求を誰が審理しうるかを事前に確認し、原処分に関与した者が含まれていないか(9 条の除斥)を外部から検証できます。
役所の処分に不服があって審査請求をした。その審理を実際に仕切るのは『審理員』だ。だが、その審理員を選ぶのも、もともと処分を下した役所の側の人間である。身内が身内を裁くのではないか、と不安になるのは当然だ。行政不服審査法 17 条は、その不信に一つの窓を開けている。審査庁となるべき行政庁は、審理員の候補者名簿を作るよう努め、作ったら必ず公にしなければならない。あなたは事前に、誰が自分の案件を担当しうるのかを知る手がかりを得る。名簿に原処分へ関与した部署の人間が並んでいれば、それ自体が公正さを問う材料になる。9 条は処分に関与した者を審理員から除外しているが、その除外が本当に守られているかを外から検証する第一歩が、この名簿の公開だ。透明性は、与えられるのを待つものではなく、条文を知る者が引き出すものである。
行政不服審査法 17 条は、審査庁となるべき行政庁が審理員となるべき者の名簿を作成する努力義務と、作成した場合の公表義務を定める規定である。審査請求の審理を担う審理員の候補を事前に公にし、審理の中立性を外部から検証する手がかりを提供する点に意義がある。
審査請求の審理を主宰しうる審理員の候補者を一覧にしたものです。行政不服審査法 17 条で、審査庁となるべき行政庁が作成に努め、作成したら公にすることが求められます。
審査庁が個別の審査請求ごとに指名します(9 条)。ただし原処分に関与した者などは除斥され、審理員になれません。名簿はこの指名の母体になります。
公表された名簿は、審査庁となるべき行政庁および関係処分庁の事務所での備付けなどの方法で公にされます。掲示やウェブ掲載で確認できる場合があります。
作成は『努力義務』です。作成しなくても直ちに違法ではありませんが、作成した場合の公表は義務になります。未作成の運用は後に配慮不足として問われる余地があります。
原処分や審査請求に関与した者など、行政不服審査法 9 条の定める事由に該当する者は審理員から除斥されます。名簿との照合がその確認の手がかりになります。
情報公開法に基づく開示請求や、自治体なら議会質問で作成・公表を促せます。未公表自体より、個別審理員の除斥事由を具体的に突くほうが実務上は有効です。
審査請求を受けて裁決を行う行政庁です。原則として処分庁の最上級行政庁などが審査庁となり、その下で審理員が審理手続を主宰します。
平成 26 年(2014 年)の行政不服審査法の全部改正で新設され、平成 28 年(2016 年)4 月 1 日に施行されました。旧法には審理員制度自体がありませんでした。
確かに審理員は審査庁が指名します(9 条)。ただし原処分に関与した者は審理員になれない除斥ルールがあり、17 条で候補者名簿の公表も求められています。さらに審理員の意見書は、最終的に行政不服審査会という第三者機関の審査(43 条)を経ます。三段構えで身内審査を牽制する設計です。業界裏話ヒント:名簿を公開していない自治体は実は少なくありません。『努力義務』に甘えて作っていない場合、開示請求や議会質問で作成を促せます。公開状況そのものが、その役所の本気度を測る指標になります
なりません。17 条の名簿作成は努力義務を含み、未公表が直ちに裁決の取消事由になるわけではないと解されています。本当の争点は、個々の審理員が除斥事由(9 条)に当たるか、審理が実質的に公正だったかです。業界裏話ヒント:名簿未公表それ自体より、『中立であるべき審理員が原処分の起案者だった』という具体的事実のほうが、後の行政訴訟でははるかに強い武器になります。形式の不備より実質の不公正を突くのが実務の定石です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 中立性確保の役割 | 17 条:審理員候補者名簿の作成・公表(事前の透明性) | — |
| 義務の性質 | 作成は努力義務、公表は義務 | — |
| 機能する段階 | 審理開始前(誰が審理しうるか) | — |
| 市民の使い方 | 名簿で担当者の所属を確認し公正さを問う | — |
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