一年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後六月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。
要点健康保険法106条は、1年以上被保険者であった者が資格喪失日後6か月以内に出産したとき、最後の保険者から出産育児一時金を受けられると定める。
Q · 会社を辞めた後に出産したら、元の健康保険から出産育児一時金はもらえますか?
継続1年以上の加入があり、退職後6か月以内の出産なら受け取れます
健康保険法106条により、1年以上被保険者であった人は、資格喪失日(退職日の翌日)から6か月以内に出産すれば、最後に加入していた保険者から出産育児一時金(現在50万円)を受けられます。在職中に給付を受けていたことは要件ではありません。ただし夫の被扶養者として家族出産育児一時金(114条)を受ける場合とは重複せず、どちらか一方の選択になります。請求権は出産日の翌日から2年で時効消滅します(193条)。
会社を辞めた直後に妊娠が分かった、あるいは産休を待たずに退職した。保険証を総務に返した瞬間、健康保険からはもう一円も出ないと思い込む人が圧倒的に多い。健康保険法106条は、そこに例外を一つ置いている。継続して1年以上被保険者だった人が、資格を喪失した日から6か月以内に出産したなら、辞めた先の最後の保険者に出産育児一時金(現在50万円)を請求できる。在職中に何かを受給していた必要はない。喪失時に受けていたことを要求する104条の継続給付とは、要件の作りがまったく違う。あなたが確かめるべきは三つだけである。被保険者期間が継続1年以上あるか、出産日が資格喪失日から6か月以内か、そして夫の扶養に入るなら、どちらの保険者から受け取る方が手取りが多いか。三つ目を検討しないまま反射的に夫側へ申請してしまう人が、毎年大量にいる。
健康保険法106条は資格喪失後の出産育児一時金を定める規定であり、1年以上被保険者であった者が資格喪失日後6か月以内に出産した場合に、最後の保険者から出産育児一時金の支給を受けられる旨を規定する。喪失時に給付を受けていたことを要件とする104条の継続給付とは、要件構造が異なる。
退職などで健康保険の資格を失った後でも、一定要件を満たせば元の保険者から出産育児一時金を受けられる制度です。健康保険法106条が根拠で、継続1年以上の被保険者期間と、資格喪失日後6か月以内の出産が要件になります。
現在は原則50万円です。額は健康保険法施行令で定められ、令和5年(2023年)4月に42万円から引き上げられました。産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産などは減額される場合があります。
資格喪失日から6か月以内の出産が対象です。資格喪失日は退職日そのものではなく退職日の翌日なので(健康保険法36条)、退職日から数えると1日ずれます。期限ぎりぎりの人はこの1日が結論を変えます。
雇用形態は問いません。健康保険の被保険者であった期間が継続して1年以上あるかどうかで判定されます。社会保険に加入していなかった期間は算入されないため、加入日を給与明細や資格取得日で確認してください。
国民健康保険にも出産育児一時金はありますが、同一の出産で重複して受けることはできません。106条で元の健保組合に請求する方が付加給付の分だけ多くなる場合があるため、金額を比較してから請求先を決めます。
出産育児一時金は胎児の数に応じて支給されるため、双子なら2人分になります。資格喪失後給付でも扱いは同じで、106条経由でも2人分を請求できます。多胎と分かった時点で退職日と出産予定日の距離を測り直す価値があります。
保険者所定の支給申請書に加え、出生を証明する書類(医師・助産師の証明または出生証明書の写し等)、医療機関との直接支払制度に関する合意文書の写しなどが必要です。必要書類は保険者ごとに異なるため事前確認が確実です。
106条では請求できません。ただし配偶者の被扶養者になっていれば家族出産育児一時金(114条)、国民健康保険に加入していれば国保から支給されます。受け取れる先が変わるだけで、ゼロになるとは限りません。
同一の出産について重複支給はされず、106条による資格喪失後給付か、夫の保険者からの家族出産育児一時金(健康保険法114条)か、どちらか一方の選択になります。額はどちらも原則50万円です(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:健保組合には独自の付加給付を持つところがあり、上乗せが数万円出る組合もある。夫側に反射的に申請する前に、元の健保組合の付加金の有無を電話で確認する
妊娠85日(4か月)以降であれば、死産・流産・人工妊娠中絶でも出産育児一時金(健康保険法101条)の対象になり、106条の資格喪失後給付でも同じ扱いです。医師または助産師の証明が必要になります。業界裏話ヒント:この点を病院側が案内してくれるとは限らない。辛い経験の直後に自分から保険者へ問い合わせる人は少なく、2年の時効(193条)を過ぎてから知る人が実際にいる
106条の「1年以上被保険者であった」期間に任意継続被保険者としての期間を算入しない扱いが実務の前提であり、要件は在職中の被保険者期間で判定されます(保険者ごとの取扱いは要確認)。業界裏話ヒント:任意継続の本当の意味は資格喪失後給付ではない。任意継続中に出産すれば現役の被保険者として101条で受けられる。出産予定が6か月を超えるなら、任意継続の方が確実な道になる
直接支払制度は資格喪失後給付でも利用できる場合が多いものの、提示するのは元の保険者の情報になり、取扱いは保険者により異なります。入院前に請求先を確定させておく必要があります。業界裏話ヒント:制度で50万円が病院に渡り、実際の出産費用がそれ未満なら、差額は保険者に請求して自分で受け取れる。この差額請求を知らずに放置する人が一定数いる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 在職中の受給が必要か | 106条:不要。資格喪失後に出産すれば足りる | — |
| 被保険者期間の要件 | 106条:継続して1年以上被保険者であったこと | — |
| 期間の制限 | 106条:資格喪失日後6か月以内の出産 | — |
| 請求先 | 106条:最後に加入していた保険者 | — |
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