要点健康保険法 43 条の 2 は、育児休業等の終了時に 3 歳未満の子を養育する被保険者が事業主経由で申し出た場合、復帰後 3 か月の報酬の平均で標準報酬月額を改定できると定める。
Q · 育休明けに時短で給料が減ったのに、健康保険料が高いままなのはなぜ?
申し出れば下がる。黙っていればその年の 8 月まで高いまま
健康保険法 43 条の 2 により、育児休業等を終了した被保険者が終了日に 3 歳未満の子を養育している場合、事業所の事業主を経由して保険者等に申し出れば、育児休業等終了日の翌日が属する月以後 3 か月間(報酬支払の基礎となった日数が 17 日未満の月を除く)に受けた報酬の平均額で標準報酬月額が改定されます。改定後の等級は終了日の翌日から 2 か月を経過した日の属する月の翌月から適用され、その年の 8 月(当該翌月が 7 月から 12 月なら翌年 8 月)まで続きます。申出がなければ改定されない点が最大の落とし穴です。
育休から復帰して時短勤務になったのに、給与明細の健康保険料だけが産休前と同じ額で引かれ続けている。会社のミスではない。標準報酬月額は原則として年1回、9月の定時決定でしか動かない仕組みだからだ。43条の2は、その原則に穴を開ける。育児休業等を終了した日に3歳未満の子を養育していれば、復帰後3か月の報酬の平均で標準報酬月額を計算し直せる。ただし起動条件は「あなたが事業所の事業主を経由して申し出ること」。保険者も会社も、黙っていれば何も起きない。しかも随時改定(43条)が2等級以上の変動を要求するのに対し、この改定は実務上1等級の差で足りる。時短で月2万円から3万円減っただけの人が救われるのは、その差のおかげである。
健康保険法 43 条の 2 は、育児休業等終了時の標準報酬月額改定を定める規定である。育児休業等を終了した被保険者が終了日に 3 歳未満の子を養育する場合、事業主を経由した申出に基づき、終了日の翌日が属する月以後 3 か月間(報酬支払の基礎となった日数が 17 日未満の月を除く)に受けた報酬の平均額を報酬月額として標準報酬月額を改定する。定時決定(41 条)の例外に位置づけられる。
育児休業等を終了した被保険者が、終了日に 3 歳未満の子を養育している場合に、復帰後 3 か月の報酬の平均で標準報酬月額を改定する制度です。健康保険法 43 条の 2 が根拠で、本人の申出が起点になります。
実務上は、固定的賃金の変動により随時改定(43 条)の要件も満たす場合、随時改定が優先して処理される取扱いが原則です。どちらで処理されたかによって改定の開始月がずれるため、届出前に給与担当への確認が必要です。
その月は算定から除外されます(43 条の 2 第 1 項括弧書)。3 か月すべてが 17 日未満の場合は平均を出せず改定できません。短時間労働者は 11 日で扱われる場合があるため、最新の取扱いを確認してください。
本条は事業主を経由した申出を求めるため、まず会社に依頼します。保険料は労使折半で会社負担分も同額下がる点を伝えると進みやすく、それでも動かない場合は年金事務所または健康保険組合に相談します。
使えません。43 条の 2 第 1 項ただし書により、育児休業等終了日の翌日に産前産後休業を開始する被保険者は対象外です。この場合は産前産後休業終了時改定(43 条の 3)で処理します。
対象になり得ます。本条は労働時間短縮を要件とせず、育児休業等終了日に 3 歳未満の子を養育していることと、3 か月平均で従前と差が生じることが要件です。残業減などで報酬が下がった場合も検討できます。
育児休業等終了日の翌日から 2 か月を経過した日の属する月の翌月から適用され、その年の 8 月まで続きます(43 条の 2 第 2 項)。当該翌月が 7 月から 12 月の場合は翌年 8 月までです。
協会けんぽ加入なら事業主経由で管轄の年金事務所(事務センター)へ、組合健保なら各健康保険組合へ提出します。厚生年金分は同じ届出で処理されますが、養育期間の特例申出書は別紙です。
届出をすれば、育児休業等終了日の翌日から起算して2か月を経過した日の属する月の翌月からである(43条の2第2項)。5月1日復帰なら8月分の保険料からで、その等級は原則として翌年8月まで続く。業界裏話ヒント:随時改定(43条)の要件も同時に満たす場合は随時改定を優先する取扱いが実務の原則。どちらで処理されたかで開始月がずれるので、届出前に給与担当に確認しておく
要件を満たす限り改定を遡って処理する余地はある。ただし払い過ぎた保険料の還付を受ける権利は2年で時効消滅する(健康保険法193条)ので、取り戻せる範囲は年々削れていく。業界裏話ヒント:窓口は協会けんぽなら年金事務所、組合健保なら健康保険組合で、書式も受理の姿勢も違う。協会けんぽ側は厚生年金保険法23条の2と1枚の届出で同時処理されるため、健保だけ通って厚年が漏れる事故は起きにくい
健康保険と同時に厚生年金の標準報酬月額も下がるが、3歳未満の子を養育する期間については厚生年金保険法26条の特例を申し出れば、年金額の計算上は従前の高い標準報酬月額とみなされる。保険料は安く、年金額は据え置きになる。業界裏話ヒント:この「養育期間標準報酬月額特例申出書」は健康保険側の届出とは別紙で、会社が案内しないことが多い。育休を取らずに時短だけした人や、転職して等級が下がった人も対象になり得る点まで押さえている総務は少ない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 起動要件 | 43 条の 2:育児休業等終了日に 3 歳未満の子を養育+事業主経由の申出 | — |
| 等級差の要件 | 2 等級以上の差は不要(実務上 1 等級の差で改定) | — |
| 算定から除く月 | 報酬支払の基礎となった日数が 17 日未満の月を除外 | — |
| 適用の開始と終了 | 終了日の翌日から 2 か月経過日の属する月の翌月〜その年の 8 月(7〜12 月なら翌年 8 月) | — |
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