要点手形法46条は、署名者が「拒絶証書不要」と記載すれば遡求のための拒絶証書作成を免除できると定める。ただし所持人の呈示義務は免除されず、怠れば遡求権を失う。
Q · 手形に「拒絶証書不要」と書いてあれば、不渡りになっても放っておいてお金が取れるの?
拒絶証書は不要になるが、呈示義務は残る。怠れば遡求権を失う
手形法46条により、署名者が「拒絶証書不要」と記載すれば、遡求権行使に必要な拒絶証書の作成は免除されます。ただし同条2項のとおり、所持人の支払呈示義務(38条)と拒絶の通知義務(45条)は免除されません。呈示期間内に呈示を怠れば、53条によって裏書人への遡求権が消滅します。さらに3項により、振出人が記載すれば全署名者に、裏書人が記載すればその者のみに効力が及びます。
取引先から約束手形を受け取り、裏面に『拒絶証書不要』の判が押してある。多くの人はこれを見て『面倒な手続はいらない、安心だ』と金庫にしまう。そこに落とし穴がある。手形法46条が免除するのは、不渡りになったとき公証人に作らせる拒絶証書、その一点だけだ。あなたが満期日に銀行へ手形を呈示する義務は、この判があっても一切消えない。同条2項がはっきりそう定めている。呈示期間を過ぎれば、53条によって遡求権そのものが消滅し、振出人以外の裏書人から取り立てる道が閉ざされる。さらに3項に妙がある。この文句を書いたのが振出人なら全署名者に効くが、裏書人が書いたならその裏書人にしか効かない。誰がその一行を入れたかで、あなたが誰から無費用で取り立てられるかが変わる。手形の裏面の小さな判は、読める者にとっては地図、読めない者にとっては罠だ。
手形法46条が定める拒絶証書作成免除とは、手形の署名者が「拒絶証書不要」「無費用償還」等の文句を記載・署名することにより、所持人が遡求権を行使する際に必要となる引受拒絶証書・支払拒絶証書の作成を免除する制度をいう。免除の効力は記載者により範囲が異なり、呈示・通知の義務自体は存続する。
手形の署名者が「拒絶証書不要」と記載することで、不渡り時に公証人へ拒絶証書を作らせる手続を省略できる制度です(手形法46条1項)。呈示義務までは省略できません。
はい、同じ意味です。手形法46条は「無費用償還」「拒絶証書不要」その他同一の意義を有する文言を等しく扱い、いずれも拒絶証書の作成を免除する効果を持ちます。
満期日とこれに次ぐ2取引日内です(手形法38条)。「拒絶証書不要」の記載があっても、この呈示期間内に呈示する義務は免除されません(46条2項)。
必要です。手形法46条2項は呈示義務と並んで通知義務も免除しないと定めます。45条の拒絶の通知期間も守らないと、損害賠償責任を負う場合があります。
所持人の裏書人・振出人に対する遡求権は、拒絶証書作成日、または「拒絶証書不要」の記載があるときは満期日から1年で時効消滅します(手形法70条2項)。
その裏書人にだけ効力が及びます(手形法46条3項)。他の署名者へ遡求するには結局拒絶証書の作成が必要になるため、受取時に記載者を確認すべきです。
あります。小切手法42条が手形法46条と同趣旨の拒絶証書作成免除を定めており、不渡り時の遡求の理屈はほぼ同じ構造で動きます。
でんさいでは支払不能情報が電子記録機関に登録される仕組みのため、紙手形の拒絶証書という論点自体が消えます。紙手形の廃止が進む移行期に注意が必要です(最新の制度状況をご確認ください)。
いいえ、誤解です。免除されるのは公証人に作らせる拒絶証書だけで、満期日に銀行へ手形を呈示する義務(46条2項)は残ります。怠れば53条で裏書人への遡求権が消えます。業界裏話:銀行への取立委任は満期日当日だと間に合わないことがある。満期の数営業日前に取立依頼を出すのが実務の鉄則で、これを落とした経理担当が回収不能事故を起こす
違います。手形法46条3項では、振出人がその文句を書けば全署名者に効力が及びますが、裏書人や保証人が書いた場合はその人にしか効きません。業界裏話:手形を受け取る側からすれば、振出人欄に『拒絶証書不要』があるのが一番得。裏書人の記載だけだと他の署名者へは結局拒絶証書が要る。受取時に誰の記載かを確認する人は驚くほど少ない
拒絶証書は公証人が作成し、手数料と手間がかかるうえ満期後の短い期間内に作らねばなりません。だから振出人は『拒絶証書不要』で省略させ、手形の流通性を高めます。業界裏話:紙の約束手形は2026年をめどに廃止され、電子記録債権(でんさい)へ移行が進む。でんさいでは拒絶証書の論点自体が消えるので、今から仕組みを理解する方が将来の事故を防げる(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 免除の対象 | 46条:拒絶証書の作成のみ免除 | — |
| 効力の及ぶ範囲 | 振出人記載=全署名者/裏書人記載=その者のみ(46条3項) | — |
| 怠った場合の効果 | 46条2項:呈示・通知は免除されず、怠れば次条以下の不利益 | — |
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