要点手形法 52 条は、不渡り手形の遡求権者が現金請求に代えて、前者を名宛人とする一覧払の新手形(戻手形)を振り出して回収できると定める。金額には仲立料と印紙税を含められる。
Q · 不渡りになった手形、現金で取り立てる以外に回収する方法はある?
戻手形に組み替えて割引換金する道があります
手形法 52 条により、遡求権者は現金での遡求に代えて、前者の一人を名宛人とする一覧払の新しい為替手形(戻手形)を振り出して遡求できます。本手形に反対の記載がなければ利用でき、金額には 48 条・49 条の遡求額に加えて戻手形の仲立料と印紙税まで上乗せできます(52 条 2 項)。振り出した戻手形を銀行や割引業者で割り引けば、督促や訴訟の決着を待たずに即現金化できます。約束手形の電子化が進む現在も、紙の手形が不渡りになった場合の有効な選択肢として残ります。
取引先から裏書で受け取った手形が、満期になって不渡りになった。普通の発想なら、裏書人や振出人に「金を返せ」と現金で遡求する。だが手形法 52 条は、もう一本の回収路を用意している。あなたは現金を請求する代わりに、前者(裏書人や振出人)の一人を名宛人とする新しい一覧払の為替手形を振り出せる。これが戻手形だ。しかもその金額には、遡求できる元金・利息・費用(48 条・49 条)に加えて、戻手形の仲立料と印紙税まで上乗せできる。支払地と前者の住所地が離れていれば、為替相場で換算する仕組みまで備える。つまり、不渡りで凍りついた債権を、現金回収を待たずに新しい流通可能な手形へ組み替え、割り引いて即現金化する道がある。昭和 9 年の施行以来、片仮名文語体のまま一字も変わっていないこの条文を、実務家のごく一部だけが今も使っている。
戻手形とは、手形が不渡りとなり遡求権が発生した場合に、遡求権者が現金請求に代えて、前者の一人を名宛人とし一覧払・前者住所地払として振り出す新たな為替手形をいう。手形法 52 条が定め、本手形に反対の記載がない限り利用でき、金額には遡求額のほか仲立料・印紙税を含む。本手形とは別個に独立して流通する新しい手形である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
不渡り手形の遡求権者が、現金請求に代えて前者を名宛人に振り出す一覧払の新しい為替手形です。手形法 52 条が根拠で、本手形に反対の記載がなければ利用できます。
前者の一人を名宛人とし、一覧払・前者住所地払の為替手形として振り出します。金額は 48・49 条の遡求額に仲立料と印紙税を加えて算定します(52 条 2 項)。
前提となる遡求権の時効内に限られます。所持人の遡求権は拒絶証書の日付から原則 1 年、再遡求は受戻日等から 6 か月で消滅します(手形法 70 条)。
使えません。52 条 1 項は『反対ノ記載ナキ限リ』を要件とするため、戻手形を禁止する文言があれば現金遡求のみとなります。受取時に確認が必要です。
満期に支払呈示し、不渡りなら拒絶証書を作成して遡求権を固めます(手形法 44 条)。作成免除文言の有無を確認し、現金遡求と戻手形のどちらが早いか比較します。
手形が不渡りになったとき、所持人が裏書人や振出人など前者に対して支払いを求められる権利です。戻手形はこの遡求権を行使する一手段です。
政府・全国銀行協会の方針で 2026 年末をめどに利用廃止・電子化(でんさい)へ移行予定です。ただし移行完了までに受け取った紙の手形には 52 条がなお適用されます。
あります。小切手法 44 条が戻小切手による遡求を並行して定めており、不渡小切手についても新しい小切手への組み替えが可能です。
実務での利用は激減している。約束手形そのものが政府・全国銀行協会の方針で 2026 年末をめどに廃止・電子化(でんさい)へ移行するためだ。ただし紙の手形を受け取り不渡りになった場合、52 条の戻手形による遡求は今も有効な選択肢として残る。業界裏話ヒント:多くの中小企業の経理は遡求イコール現金請求しか知らず、戻手形で割引換金して資金繰りを早める手を打たない。手形に詳しい銀行担当者は知っているが、こちらが聞かなければ向こうからは教えない
取れる。52 条 2 項により、48 条・49 条の遡求金額(元金・年 6 分の利息・諸費用)に加えて、戻手形の仲立料と印紙税まで上乗せできる。前者の負担で新しい手形を立てる構造だ。業界裏話ヒント:この上乗せを知らずに単純な現金遡求で済ませると、組み替えにかかった実費を自腹で被ることになる。支払地と前者住所地が離れていれば、3 項の為替相場で差益・差損も精算される
払う前に、まず本体の遡求権が有効に成立しているかを確認する。拒絶証書の作成(44 条)や支払呈示の有無、遡求権の消滅時効(70 条、原則 1 年)の経過などで、そもそも遡求自体が認められないことがある。業界裏話ヒント:戻手形は新しい手形として独立に流通するため、善意の第三者へ裏書譲渡されると人的抗弁が切断される。原因関係の抗弁を主張したいなら、戻手形が他へ渡る前に決着をつけるのが鉄則だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 回収の形 | 52 条:戻手形(新しい一覧払為替手形)に組み替えて割引換金 | — |
| 上乗せできる費用 | 遡求額+仲立料+印紙税(52 条 2 項)、為替相場差も精算 | — |
| 換金の速さ | 割引に回せば督促・訴訟を待たず即現金化 | — |
| 利用の前提 | 本手形に反対の記載がないこと+遡求権の成立 | — |
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