要点手形法 64 条は、為替手形を同一内容で複数通(複本)発行できると定める。各通には番号を付す必要があり、番号を欠くと各通が別個の独立した手形と看做される。
Q · 受け取った為替手形が「複本」かどうか、どうやって見分ける?
証券に番号があれば1群の複本、なければ別個の手形と看做されます
手形法 64 条により、為替手形は同一内容で複数通(複本)発行できます。各通に「第一号」等の番号が付されていれば、それらは同一群の複本であり、1 通の支払で他通が失効します(65 条)。逆に番号を欠く複本は、各通が独立した別個の為替手形と看做され(64 条 2 項)、それぞれが別人に渡れば振出人は二重に支払う危険を負います。番号一つの有無が、損失の桁を変えます。
輸出取引で為替手形を受け取ったとき、あなたの手の中にあるその1枚が、世界にたった1枚だとは限らない。手形法 64 条は、為替手形を同一内容で複数通発行することを認めている。これが「複本」だ。なぜそんな仕組みがあるのか。紙の手形が船便で海を渡る時代、1通を引受のために送り、もう1通を手元で流通させる、という二刀流のためだった。各複本には「第一号」「第二号」と番号を振らねばならず(2 項)、番号を欠くと別々の独立した為替手形と看做される。ここが落とし穴だ。番号のない2通は、法律上は2枚の借金になる。さらに3項では、所持人は自費で複本の交付を、直接の裏書人から裏書人の連鎖を通じて振出人まで遡って請求できる。あなたが知るべきは、自分の持つ手形が複本の制度に乗っているかどうかで、二重払いのリスクも、引受呈示の戦い方も変わるという点だ。
手形法 64 条は為替手形の複本制度を定める規定であり、振出人が同一内容の証券を複数通発行することを認める。各通には識別のための番号付与が義務づけられ、番号を欠く複本は各別の独立した為替手形と看做される。所持人は一通限の記載がない手形について、自己の費用で複本の交付を請求する権利を有する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
複本とは、為替手形について同一内容の証券を複数通発行したものです(手形法 64 条 1 項)。船便時代に引受呈示用と流通用を分ける、輸送中の紛失に備える等の目的で用いられました。
複本は同一内容の手形を複数通「正本」として発行するもの(64 条)、謄本は原本を写した「写し」で原本の所在を追及するもの(67 条)です。複本は各通が正本、謄本は正本ではありません。
ありません。複本制度は為替手形だけのもので、77 条は複本規定を約束手形に準用していません。約束手形に用意されているのは謄本のみです。
証券の文言中に「第一号」「第二号」等の番号を記載します(64 条 2 項)。番号を欠くと各通が別個の独立した為替手形と看做され、二重払いのリスクが生じます。
原則として 1 通の支払により他のすべての複本が効力を失います(65 条)。ただし支払時に当該複本の返還を受けなかった場合など例外があり、引受の効力も問題になります。
国際貿易で船積書類とともに振り出される為替手形を複数通発行したものです。1 通を取立・引受用、もう 1 通を予備とし、輸送中の紛失に備えます。in duplicate と表現されます。
はい。信用状(L/C)で銀行が要求する「draft in duplicate(手形 2 通)」は、手形法 64 条の複本に相当します。輸出入実務で 64 条の世界に触れています。
ありません。でんさい(電子記録債権)は電子記録で債権を管理するため、紙の複本のような複数通発行・番号管理は不要です。複本の煩雑さを解消したのが電子記録債権です。
紙の手形が郵送・船便で移動していた時代の知恵です。1通を遠方の支払地へ引受呈示のため送り、もう1通を手元で割引・流通させる二刀流のため(64 条 1 項)、さらに1通が輸送中に紛失しても全滅しない保険でもあります。業界裏話ヒント:今や国内取引で複本を見ることはほぼなく、でんさい(電子記録債権)が役割を奪いました。複本が現役なのは国際貿易の荷為替手形くらい。手形法がいまだに片仮名文語体なのは、この分野が実務でほぼ更新されていない証拠です
致命的です。64 条 2 項は、番号を欠く複本は各通を別々の独立した為替手形と看做すと定めます。同じ取引なのに2枚の借金が存在することになり、それぞれが別人に渡れば振出人は二重に支払うリスクを負います。業界裏話ヒント:実務では複本作成時の番号付けは銀行担当者がダブルチェックする最重要ポイント。素人が自分で複本を作ると、まさにこの番号で事故が起きます。手を出す前に必ず専門家を通すこと
原則もらえます。64 条 3 項により、「一通限」の記載がない手形の所持人は、自費で複本の交付を請求でき、裏書人の連鎖を通じて振出人まで遡って協力を求められます。ただし振出時に「一通限」と記載されていれば請求できません。業界裏話ヒント:この「一通限」の一文を入れるかどうかが、振出人が複本リスクを負うか封じるかの分岐点。複本を流通させる必要がないなら、振り出す側は「一通限」を入れておくのが安全策です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律内容 | 64 条:複本の発行と番号付与・交付請求 | — |
| 制度の目的 | 引受呈示と流通の二刀流・輸送中の紛失保険 | — |
| 性質 | 各通が独立した正本(番号で同一群を識別) | — |
| 約束手形への準用 | 準用なし(77 条が複本規定を除外) | — |
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