要点手形法66条は、引受のため送付した複本の一通について保持者に正当な所持人への引渡義務を課し、引渡し拒絶時は拒絶証書による証明を遡求権行使の要件とする。
Q · 引受のため海外へ送った複本を相手が返してくれないとき、もう代金は回収できないの?
拒絶証書で証明すれば遡求でき、泣き寝入りにはなりません
回収を諦める必要はありません。手形法66条2項により、引渡しが拒まれても、拒絶証書で『引受のため送付した一通が請求しても引き渡されなかったこと』と『手元の別の一通では引受も支払も受けられなかったこと』の二点を証明すれば、裏書人や振出人へ遡求できます。鍵は拒絶証書を残せるかの一点で、これがないと遡求権を立証する法的手段が存在しません。相手が返さないと分かった当日に公証人へ動けるかが回収の成否を分けます。
国際取引で代金回収に手形を使うとき、現物の手形を引受のために海外の相手へ郵送している間、手元には何も残らない。郵送中に紛失すれば、引受や支払を迫る足場ごと失う。だから一通の手形を複数枚の正本として発行できる仕組みが複本であり、その一通を引受のため相手国へ送り、もう一通を国内で流通させる。手形法66条が縛るのは、その送った一通を預かった相手だ。相手は他の各通に自分の名称を記載され、正当な所持人から請求されたら、預かった複本を引き渡す義務を負う。問題は相手が引渡しを拒んだときだ。だがあなたは泣き寝入りではない。拒絶証書という公的な証拠書面で、引受のため送った一通が請求しても返されなかったこと、手元の別の一通では引受も支払も受けられなかったこと、この二つを証明すれば、裏書人や振出人へ遡求できる。一行の名称記載と一通の拒絶証書が、海を越えた債権の生死を分ける。
手形法66条は、為替手形の複本制度における引渡義務と遡求要件を定める規定である。引受のため複本の一通を送付した者は他の各通に保持者の名称を記載し、保持者は正当な所持人に複本を引き渡す義務を負う。引渡し拒絶時の遡求権行使は、拒絶証書による所定事実の証明を要件とする。
AI 輔助整理,以條文原文為準
同一の為替手形を複数の正本として発行したものです。手形法64条が根拠で、各通が独立した正本として効力を持ち、一通で支払を受ければ全通の手形債務が消滅します。コピーである謄本とは法的性質が異なります。
複本(64〜66条)は各通すべてが独立した正本ですが、謄本(67条)は単なる控え(コピー)です。約束手形には複本は使えず、準用されるのは謄本だけです(手形法77条)。
手形の引受や支払、複本の引渡しが拒まれた事実を公的に証明する書面です。公証人または執行官が作成し、遡求権を行使するための証明手段になります(手形法44条、66条2項)。
遡求権には手形法70条の短期消滅時効が及び、所持人の裏書人・振出人に対する遡求は拒絶証書の日付の日から1年が原則です。最新の改正状況をご確認ください。
現物の手形が国境を越えて郵送される貿易金融・荷為替手形の場面で使います。一通を引受のため海外へ送り、もう一通を国内で割引・流通させるための仕組みです。国内決済ではほぼ使われません。
必要です。手形法64条が各通への番号記載を求めており、番号がないと別個の手形と扱われるおそれがあります。66条1項では送付した一通の保持者名の記載も求められます。
あります。小切手法48条が、一国で振り出され他国で支払われる小切手について複本を認めています。為替手形66条と同じ発想がクロスボーダー決済に共通して埋め込まれています。
各通が別々の善意取得者に渡ると、債務者が二重に請求される危険が生じます。66条はこれを防ぐため保持者名の記載と引渡義務を課し、二重支払の連鎖を抑えています。
現物の手形は物理的に一か所にしか置けないため、引受のため遠方へ送っている間、手元で割引や流通に回せなくなるからです。複本(手形法64条)は同一の手形を複数の正本に分け、一通を引受用に送り、もう一通を国内で動かすための工夫です。業界裏話ヒント:国内決済では電子記録債権やでんさいネットに置き換わってほぼ死語ですが、現物書類が郵送で国境を越える信用状取引・荷為替手形の世界では今も生きています。輸出入の実務に入った人だけが、この古い条文の現役ぶりに出会う
諦める必要はありません。手形法66条2項は、引渡しが拒まれても、拒絶証書で『送った一通が請求しても返されなかったこと』『手元の別の一通でも引受・支払を受けられなかったこと』を証明すれば、裏書人や振出人へ遡求できると定めます。業界裏話ヒント:鍵は拒絶証書を残せるかどうかの一点で、これがないと遡求権を立証する手段が法律上存在しない。相手が返さないと分かった当日に公証人へ動けるかが、回収の成否を分ける
それはできません。複本(手形法64条から66条)は為替手形に固有の制度で、約束手形には準用されません。手形法77条が約束手形に準用するのは謄本(67条、68条)だけです。約束手形には引受という手続きがなく、複本の前提が成り立たないためです。業界裏話ヒント:約束手形で『複本』と称した書面を切ると、その法的効力をめぐって相手に争点を与えてしまう。約束手形で控えを残したいなら、複本ではなく謄本の制度を使うのが筋です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 法的性質 | 複本(66条):送付した一通も独立した正本 | — |
| 手形の種類 | 為替手形のみ(引受手続が前提) | — |
| 主な用途 | 引受のため送付した一通の引渡しと遡求の確保 | — |
| 拒絶時の救済 | 拒絶証書で二点を証明し裏書人・振出人へ遡求 | — |
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