この章の規定は、労働争議の当事者が、双方の合意又は労働協約の定により、別の調停方法によつて事件の解決を図ることを妨げるものではない。
要点労働関係調整法 28 条は、労働争議の当事者が双方の合意または労働協約の定めにより、本章の公的調停とは別の方法で事件解決を図ることを妨げないと定める。
Q · 団体交渉が決裂したら、必ず労働委員会に調停を申請しないといけないの?
いいえ、労使が合意すれば自前の調停も選べます
労働関係調整法 28 条により、労働争議の当事者は双方の合意または労働協約の定めで、労働委員会の公的調停とは別の方法による解決を図ることができます。協約に苦情処理委員会や私的調停を書き込んでおけば、公開かつ長期化しがちな公的ルートを避け、社内で速やかに解決できます。何も定めなければ、外部機関に判断と時間、そして交渉の主導権を委ねることになります。
団体交渉が決裂したとき、多くの人事担当者と組合役員が思い浮かべるのはただ一つ、労働委員会への調停申請である。だが労働関係調整法の調停章を最後まで読むと、第28条がこう告げている。この章の規定は、当事者が双方の合意又は労働協約の定めによって、別の調停方法で事件を解決することを妨げない。つまり、公的な調停は唯一の出口ではない。あなたの会社と組合が事前に労働協約へ独自の苦情処理委員会や私的な調停手続を書き込んでおけば、紛争が起きた瞬間、公開かつ長期化しがちな労働委員会ルートを通らずに、社内で速やかに片をつけられる。逆に何も決めていなければ、いざ揉めたとき外部機関に持ち込むしか道がなく、交渉の主導権を第三者に渡すことになる。この一条は、紛争解決の設計図を自分の手で描く権利を、労使双方に保障している。
労働関係調整法 28 条は調停の非排他性を定める規定であり、本章が用意する労働委員会の調停手続が唯一の解決方法ではなく、当事者が双方の合意または労働協約の定めによって別の調停方法を選択できることを明らかにする。公的手続に対する労使の手続自治を確認する規定として機能する。
労働争議の当事者が、双方の合意または労働協約の定めにより、労働委員会の公的調停とは別の方法で事件解決を図ることを妨げないと定めた規定です。調停の非排他性を保障します。
義務ではありません。労調法 28 条のとおり、労使が合意すれば私的な調停手続を選べます。公的調停は利用できる選択肢の一つで、唯一の解決ルートではありません。
紛争時に公開かつ長期化しがちな労働委員会ルートを避け、社内で迅速・非公開に解決できます。外部機関に主導権を渡さず、平時に解決の設計図を描けます。
私的調停は労使が選んだ調停人や社内委員会で非公開・迅速に進みます。公的調停は労働委員会が行い記録が残り報道の端緒にもなります。主導権の所在が異なります。
事案により異なりますが、労働委員会の公的調停は期日調整に時間を要します。協約に定めた私的調停なら、双方合意の調停人を即日立てて短期間で解決できる余地があります。
労働組合法 15 条により、労働協約は 3 年を超える有効期間を定められません。協約に書いた私的な紛争解決の仕組みも、実質的に三年ごとの更新が必要になります。
労使協議会は企業内で労使が自主的に設ける協議機関、労働委員会は国・都道府県が設置する公的機関です。労調法 28 条により協議会など私的ルートを優先設計できます。
まず労働協約に独自の調停手続があるかを確認します。あればそれを発動して公的調停より先に話し合いの場を作れます。なければ事態は労働委員会へ流れ、報道リスクも高まります。
完全には封じられません。本条は「別の調停方法で解決を図ることを妨げない」と当事者の自由を保障する規定であって、公的手続を排除する強制力までは与えていません。協約に私的解決の定めがあっても、双方が改めて公的調停を望めば労働関係調整法17条の調停は使えます。業界裏話ヒント:実務では、協約に「まず社内の苦情処理委員会を経る」という前置手続を入れておくと、いきなり外部機関へ駆け込まれる事態を事実上抑えられます。封じるのではなく、最初の土俵を社内に設計するのがコツです
原則として向きません。労働関係調整法が扱うのは労働組合と使用者の集団的な労働争議で、本条もその文脈にあります。個人と会社の紛争は、労働審判法による労働審判や、個別労働関係紛争解決促進法のあっせんという別系統が用意されています。業界裏話ヒント:入口を間違えると時間を浪費します。一人の問題なら労働審判(おおむね三回以内の期日で結論が出る迅速な手続)か、各都道府県労働局のあっせんが王道です。集団の争議なのか個人の紛争なのかで、走る線路が完全に分かれます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 解決の主体 | 民間(労使が選ぶ調停人・社内の苦情処理委員会) | — |
| 開始の根拠 | 双方の合意または労働協約の定め(28 条) | — |
| 結論の拘束力 | 合意した手続の定めによる(任意に設計可能) | — |
| 公開性・主導権 | 非公開・労使が主導権を保持 | — |
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