要点労働基準法 38 条の 3 は、労使協定で対象業務とみなし時間を定める専門業務型裁量労働制を規定する。対象業務は省令で限定列挙され、深夜・休日割増は裁量労働でも発生する。
Q · 裁量労働制って言われたら、残業代はもう一切もらえないの?
いいえ、深夜・休日割増は裁量労働でも必ず出ます
労働基準法 38 条の 3 の専門業務型裁量労働制でも、残業代がゼロになるわけではありません。みなし時間が 1 日 8 時間を超えて設定されていれば超過分の時間外割増が、深夜労働(22 時から 5 時)と休日労働の割増は労基法 37 条により必ず発生します。さらに、自分の職種が省令の限定列挙する対象業務に該当しない、使用者が業務の進め方や時間配分に具体的指示をしている、労使協定が労基署に届け出られていない、のいずれかに当たれば制度自体が無効で、実労働時間ベースで全額を請求できます。
エンジニア、デザイナー、コピーライター、システムコンサルタント。あなたの職種が「裁量労働制」と言われ、何時間働いても残業代は出ないと説明されたことはないか。労働基準法38条の3はその制度の本体だが、会社の説明には決定的な欠落がある。第一に、この制度を使える業務は厚生労働省令で限定列挙された約20種類だけ。あなたの実際の仕事がそこに入っていなければ、制度そのものが無効で、実労働時間で残業代を請求できる。第二に、会社が仕事の進め方や時間配分に具体的な指示を出していれば、それは「裁量」ではなく、やはり無効。第三に、みなし時間が1日8時間を超えて設定されていれば、超えた分の残業代は毎日発生する。そして深夜手当(22時から5時)と休日手当は、裁量労働でも絶対に消えない。2024年4月からは本人の同意が必須になり、あなたは拒否も撤回もできるようになった。
労働基準法 38 条の 3 は専門業務型裁量労働制を規定する条文であり、業務遂行の手段・時間配分を労働者の裁量に委ねる必要がある厚生労働省令所定の対象業務について、労使協定で定めたみなし労働時間を実労働時間とみなす制度を定める。法定労働時間(32 条)の例外として機能するが、深夜・休日割増(37 条)は排除されない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
業務の進め方を労働者の裁量に委ねる必要がある省令所定の対象業務について、労使協定で定めたみなし時間を実労働時間とみなす制度です(労基法 38 条の 3)。
労働基準法施行規則 24 条の 2 の 2 と厚生労働大臣告示が約 20 種類を限定列挙します。研究開発、システム設計、デザイナー、コピーライター等が含まれ、一般事務・営業は原則含まれません。
実際の労働時間にかかわらず、労使協定で定めた時間だけ働いたものとみなす仕組みです。ただし 8 時間超の設定なら超過分の割増が、深夜・休日割増は別途発生します。
対象業務に該当しないのに適用したり、使用者が具体的指示をしているのに裁量と称する運用は制度が無効です。実労働時間ベースで未払い残業代を請求できます。
みなし時間が 8 時間超ならその超過分、深夜(22 時から 5 時)労働分、休日労働分にそれぞれ労基法 37 条の割増率を乗じて算定します。実労働時間の記録が前提です。
2024 年 4 月から専門業務型でも本人の同意が必須となり、同意しない労働者への不利益取扱いが禁止され、同意の撤回手続を労使協定に定めることが義務づけられました。
裁量労働制は深夜・休日割増が残りますが、高プロ(労基法 41 条の 2)は労働時間規制が丸ごと外れます。失う権利の大きさが桁違いです。
みなし時間という前提が崩れ、実労働時間ベースで残業代を全額請求できます。会社は是正勧告や付加金(労基法 114 条)のリスクも負います。
ゼロではない。みなし時間が1日8時間を超えて設定されていれば超過分の時間外割増が毎日発生し、深夜労働(22時から5時)の割増と休日労働の割増は労基法37条により裁量労働でも必ず発生する。みなし制度が消すのは通常の労働時間のみなしだけだ。業界裏話ヒント:会社は『裁量労働は全部込み』と説明しがちだが、深夜割増を払っていない会社は極めて多い。給与明細に深夜割増の項目が一行もなければ、それだけで請求の糸口になる
労働基準法施行規則24条の2の2と厚生労働大臣の告示が約20種類を限定列挙している(研究開発、システム設計、デザイナー、コピーライター、システムコンサルタント、弁護士、公認会計士など)。一般事務、営業、ルーティン業務は原則含まれない。業界裏話ヒント:会社が締結した労使協定は労基署に届け出る義務があり、そこに対象業務が明記されている。社内で協定の写しを請求できるし、届出自体がなければ制度は最初から無効だ
2024年4月から専門業務型でも本人の同意が必須となり、同意しない労働者への不利益取扱いは禁止、同意の撤回手続も労使協定に定めることが義務づけられた(施行規則改正、最新の改正状況をご確認ください)。それ以前は専門業務型に本人同意は不要だった。業界裏話ヒント:『同意した覚えがない』『撤回の説明を受けていない』場合、2024年4月以降は適用要件を欠く可能性がある。同意書の有無と撤回手続の周知を確認する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 38 条の 3:専門業務型裁量労働制(労使協定+本人同意) | — |
| 深夜・休日割増の適用 | 適用される(労基法 37 条) | — |
| 対象範囲 | 省令が限定列挙する約 20 種類の専門業務 | — |
| 導入手続 | 労使協定+労基署届出+本人同意(2024 年 4 月以降) | — |
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