労働者の安全及び衛生に関しては、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)の定めるところによる。
要点労働基準法 42 条は、労働者の安全衛生について労働安全衛生法の定めによると規定する委任規定。具体的なルールは 1972 年に独立した労安衛法に全面移管された。
Q · 職場の安全のルールは労働基準法のどこに書いてあるの?
労基法ではなく労働安全衛生法に書いてある
労働基準法第 42 条は「労働者の安全及び衛生に関しては、労働安全衛生法の定めるところによる」と規定するだけの委任規定です。具体的な安全衛生のルールは、1972 年(昭和 47 年)に独立した労働安全衛生法とその政令・省令に全面移管されました。機械や化学物質の規制を技術進歩に合わせて素早く更新するためです。職場の安全を調べるなら、開くべきは労基法ではなく労安衛法であり、第 42 条はその入口を指し示す案内板の役割を果たします。
六法で「職場の安全はどう守られているのか」を調べようと、あなたは労働基準法を開く。第 5 章「安全及び衛生」にたどり着いても、そこにあるのはたった一行だ。「労働者の安全及び衛生に関しては、労働安全衛生法の定めるところによる」。肩透かしを食らった気分になるかもしれない。だが、この一行こそ日本の労働者保護の構造を読み解く鍵である。1972 年(昭和 47 年)まで、安全衛生の細かいルールは労働基準法の中に書かれていた。それが同年、労働安全衛生法という独立した法律へまるごと引っ越した。理由は単純で、機械や化学物質の規制は技術の進歩に合わせて頻繁に更新する必要があり、労働条件の基本法である労基法に縛りつけておくと改正が鈍かったからだ。あなたが職場の安全を語るとき、開くべき本は労基法ではなく労安衛法であり、その入口を指し示す案内板がこの第 42 条である。
労働基準法第 42 条は、労働者の安全及び衛生に関する事項を労働基準法本体から切り離し、労働安全衛生法に委ねる委任規定である。1972 年の労安衛法制定により、旧第 5 章の詳細な安全衛生規定は同法へ全面移管され、本条は専門法への参照を示す連絡規定として機能する。
職場の安全と健康を確保するための専門法です。1972 年に労働基準法から独立し、安全管理体制・機械や化学物質の規制・健康診断などを定めています。
労基法は賃金・労働時間など労働条件の基本法、労安衛法は職場の安全衛生の専門法です。労基法 42 条が安全衛生を労安衛法に委任しています。
常時 50 人以上の労働者を使用する事業場で衛生管理者の選任が義務づけられます(労安衛法 12 条)。規模に応じて人数が増えます。
常時 50 人以上の労働者を使用する事業場で産業医の選任が義務です。1000 人以上または有害業務 500 人以上では専属産業医が必要になります。
事業者は労働基準監督署長に労働者死傷病報告を提出する義務があります。休業 4 日以上の災害は遅滞なく報告しなければなりません。
使用者が労働者の生命・身体の安全に配慮する私法上の義務です。労働契約法 5 条に明文化され、行政規制とは別ルートで損害賠償の根拠になります。
定期監督、労働災害の調査、労働者の申告などをきっかけに臨検します。労基法と労安衛法の両方を同時に調査します。
対象です。従業員を雇う限り業種を問わず安全衛生の義務がかかります。化学物質を扱う美容室や厨房も同様です。
労基法ではありません。公的な安全規制は労働安全衛生法、会社への損害賠償は労働契約法第 5 条の安全配慮義務、治療や休業の補償は労災保険(労働者災害補償保険法)と、三本の柱に分かれます。業界裏話ヒント:会社が労安衛法をすべて守っていても、安全配慮義務違反で賠償を負うことがあります。行政基準の遵守と民事の損害賠償は別物で、裁判所は会社固有の事情に応じてより高い注意を求める。「法令は守っていた」は万能の盾にならない
別の法律なので、それだけでは足りません。労働安全衛生法は一定規模以上の事業場に安全管理者・衛生管理者・産業医の選任や安全衛生委員会の設置を義務づけています(労安衛法第 11 条以下)。業界裏話ヒント:労基署の調査は労基法と労安衛法を同時に見ますが、チェックリストは別物です。賃金や残業(労基法)が完璧でも、安全衛生管理体制(労安衛法)の不備で書類送検に至る経営者は毎年いる。両方を別々に点検する必要がある
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|---|---|---|
| 役割 | 労基法 42 条:安全衛生を専門法へ委任する案内板 | — |
| 性質 | 委任・参照規定(実体ルールなし) | — |
| 違反の効果 | 単独では問われない | — |
| 窓口・救済 | ―(入口表示のみ) | — |
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