要点労働基準法 75 条は、業務上の負傷・疾病について使用者が過失の有無を問わず療養費用を負担すると定める。対象範囲は厚生労働省令が定める。
Q · 仕事中の怪我の治療費って、自分のミスでも会社が払ってくれるの?
業務上の災害なら過失を問わず会社が全額負担します
労働基準法 75 条により、労働者が業務上負傷し又は疾病にかかった場合、使用者は自己の費用で必要な療養を行い、又はその費用を負担する義務を負います。これは無過失責任で、労働者の不注意による怪我でも対象です。健康保険ではなく労災として処理し、会社が非協力的なら労働基準監督署に直接請求できます。第 2 項により、何が「業務上の疾病」かは厚生労働省令(労働基準法施行規則別表)が定め、うつ病や腰痛は認定基準を満たすかで結論が分かれます。
工場で機械に指を挟まれた。営業中に交差点で追突された。長時間労働の末にうつ病を発症した。一見バラバラなこれらの事態に共通する問いがある。治療費を誰が払うのか、だ。労働基準法 75 条の答えは明快で、業務上の負傷や疾病なら全額が会社負担。しかも会社に落ち度があったかどうかは一切問われない。あなたが操作を誤ったせいでも、会社は「その費用で必要な療養」をする義務を負う。これが無過失責任と呼ばれる仕組みで、相手の過失立証を被害者に課す民法 709 条の損害賠償とは正反対の世界だ。さらに第 2 項が生死を分ける。何が「業務上の疾病」に当たるかは厚生労働省令(労働基準法施行規則の別表)が定める。あなたの腰痛やうつ病がそのリストと認定基準に乗るかどうかで、補償を受ける側か泣き寝入りする側かが分かれる。この認定の攻防こそ、労災の最前線である。
労働基準法 75 条は療養補償を定める規定であり、労働者が業務上負傷し又は疾病にかかった場合に、使用者が自己の費用で必要な療養を行い又はその費用を負担すべき義務を規定する。使用者の過失を要件としない無過失責任を採り、補償対象たる業務上の疾病及び療養の範囲は厚生労働省令に委任される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
業務上の負傷・疾病について、使用者が必要な療養を行うか費用を負担する制度です。労働基準法 75 条が根拠で、使用者の過失を問わない無過失責任です。
業務上の災害には労災を使います。健康保険は本来不適切で、後から労災へ切り替える手続きが必要になります。病院では最初に「労災です」と伝えるのが正解です。
保険未加入でも 75 条の補償義務は免れません。会社は治療費を直接負担する義務を負い、加えて保険料の遡及徴収やペナルティを受けます。
できます。会社が証明を拒んでも、その理由を記載して労働基準監督署に直接請求すれば、監督署が職権で調査します。
重量物取扱いなど業務起因性が認められれば労災になります。ただし会社が加齢を主張することが多く、作業内容の記録と医師の診断書が立証の鍵です。
療養の費用を支出した時から 2 年で時効消滅します(労働基準法 115 条)。長期療養では費目ごとに時効が進行するため注意が必要です。
業務遂行性が認められれば対象になりえます。テレワークでは私的行為との線引きが争点となり、業務との関連を示す記録が重要です。
会社が労災を健康保険で処理させたり、報告を怠ったりする行為です。労働安全衛生法違反として処罰対象となり、労働者は監督署に直接相談できます。
できます。労働基準法 75 条は無過失責任で、あなたの過失の有無を問いません。業務上の災害であれば、不注意による怪我でも療養補償の対象です。業界裏話ヒント:会社は「自己責任だから労災じゃない」と言いがちですが、これは法的に誤りで、過失相殺は労災補償には適用されません。会社の言い分を鵜呑みにせず、まず労働基準監督署に確認するのが正解です
従う必要はありません。業務上の災害に健康保険を使うのは本来不適切で、後で労災へ切り替える手続きが必要になります(労働基準法 75 条、労災保険法)。業界裏話ヒント:会社が労災を嫌がるのは、保険料率の上昇(メリット制)や労基署の調査を避けたいから。これを労災隠しと呼び、それ自体が違法です。あなたは会社を通さず労基署に直接請求でき、会社が証明を拒んでもその旨を書いて出せば監督署が調査します
なりえます。精神障害も業務上の疾病として認定基準があり、発病前おおむね 6 か月の心理的負荷(長時間労働やハラスメント等)が「強」と評価されれば労災です(労働基準法 75 条 2 項、認定基準は最新版をご確認ください)。業界裏話ヒント:精神障害の認定基準は近年改定され、パワハラの評価が明確化されました。一人で抱え込まず、心療内科の受診記録、残業の証拠、ハラスメントのメモを早期から残すことが、認定の成否を分けます
75 条が定めるのは治療費の補償です。働けない間の収入は、別条の休業補償(労働基準法 76 条、平均賃金の 6 割)でカバーされます。労災保険を使えば休業補償給付として給付基礎日額の 8 割相当(特別支給金含む)が出ます。業界裏話ヒント:75 条と 76 条はセットで動きます。健保で処理すると治療費は 3 割自己負担、傷病手当金も賃金の 3 分の 2 どまり。最初に労災を選ぶ経済的メリットは、想像以上に大きいのです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 補償の対象 | 75 条:療養(治療費)の補償 | — |
| 発生する場面 | 業務上の負傷・疾病にかかった時点 | — |
| 金額の性質 | 必要な療養の実費(全額) | — |
| 共通する性質 | 無過失責任、労働者の過失を問わない | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。