受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

労働基準法 第5条(強制労働の禁止)

クイックジャンプ

使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

この条文の基本情報

強制労働の禁止とは何ですか?

定義強制労働の禁止とは、労働基準法第5条に定められた規定で、「使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 労働基準法第5条(強制労働の禁止)は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
  2. 労働基準法第5条の条文原文は「使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。」で始まります。
  3. 労働基準法第5条は第一章 総則に置かれています。
  4. 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
  5. 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 労働基準法第5条の前の条は労働基準法第4条です。
  7. 労働基準法第5条の次の条は労働基準法第6条です。
  8. 労働基準法第5条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第5条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
  • 本サイト収録労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第5条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/5

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点労働基準法5条は、使用者が暴行・脅迫・監禁その他不当な拘束手段によって、労働者の意思に反する労働を強制することを禁じる。違反は労基法で最も重い刑罰の対象となる。

Q · 会社が辞めさせてくれず「損害賠償だ」と脅されています。これは犯罪ですか?

意思に反する労働の強制は労基法5条違反の刑事犯罪です

労働基準法5条により、使用者が暴行・脅迫・監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段で、労働者の意思に反して労働を強制することは禁止されています。退職を申し出た者への執拗な損害賠償の威迫もこれに該当しうる行為です。違反は労基法で最も重い罰則(拘禁刑1年以上10年以下又は罰金)の対象で、労基署は行政指導ではなく刑事事件の端緒として扱います。脅迫の言動を録音すれば、立場は逆転します。

解説

「ブラック企業」という言葉でイメージするのは長時間労働や残業代未払いだろう。だが労働基準法の中で最も重い刑罰、最大で拘禁刑10年が用意されているのは、その手前の条文だ。第5条はこう言う。使用者は、暴行、脅迫、監禁、その他「精神又は身体の自由を不当に拘束する手段」で、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。注目すべきは「その他」の三文字。殴る蹴るだけではない。退職を申し出たら「損害賠償を請求するぞ」と脅す、パスポートや在留カードを会社が預かって返さない、寮から出さない、前借金を盾に辞めさせない。これらが全部「精神の自由の不当な拘束」に該当しうる。あなたが今「辞めたいのに辞めさせてくれない」状況にいるなら、それは単なる労使トラブルではなく、刑事罰の対象になる犯罪の被害かもしれない。労基署はこの条文の違反を、行政指導ではなく刑事事件として扱う権限を持っている。

法的な位置づけ

労働基準法5条は強制労働の禁止を定める規定であり、使用者が暴行・脅迫・監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段を用いて、労働者の意思に反して労働を強制する行為を禁ずる。物理的暴力に限らず、退職を申し出た者への執拗な損害賠償の威迫や、旅券・在留カードの取り上げによる拘束も該当しうる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.脅迫・拘束の証拠をその場で確保 「辞めると損害賠償だ」等の脅迫の言動は録音し、旅券・在留カードの取り上げや外出制限はメモと日時を記録、LINE や業務指示のスクショを全て保存する。証拠は時間が経つほど散逸するため当日から動く
  2. 2.退職の意思を内容証明郵便で確定 退職の意思表示を内容証明郵便で送り、民法627条により退職を法的に確定させる。送付した日付以降の「辞めさせない」言動は、すべて労基法5条違反の証拠として積み上がる
  3. 3.労働基準監督署へ労基法5条違反として申告 最寄りの労働基準監督署に「労基法5条違反の申告」として相談する。残業代未払いの是正勧告とは異なり刑事事件の端緒として扱われる。条文番号を口にすると対応の本気度が変わる
  4. 4.緊急時は110番・専門窓口へ 監禁・暴行が現在進行形なら身の安全を最優先に110番。外国人は外国人技能実習機構(OTIT)の母国語相談窓口や弁護士会の外国人相談を利用する。相談しても直ちに在留資格を失うわけではない

よくある質問 AI による整理

Q1強制労働とは何ですか?

暴行・脅迫・監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段で、労働者の意思に反して労働をさせる行為です。労働基準法5条が禁じる刑事犯罪で、物理的暴力を伴わない執拗な威迫も含まれます。

Q2労働基準法5条の罰則は?

労基法117条により、拘禁刑1年以上10年以下又は罰金で、労基法で最も重い刑罰です。残業代未払い等の是正勧告とは深刻度の次元が異なり、刑事事件として扱われます。

Q3退職を引き止められるのは違法ですか?

期間の定めのない労働者は2週間前の申し出で退職できます(民法627条)。これを暴行・脅迫・監禁で妨げれば労基法5条違反となり、損害賠償をちらつかせる引き止めも違法になりえます。

Q4前借金があると辞められないのは本当ですか?

違います。労基法17条が前借金と賃金の相殺を禁じ、前借金を盾に退職を拘束すれば5条違反になりえます。借金は労働を強制する根拠にはなりません。

Q5監禁されて働かされたらどうすればいい?

現在進行形の監禁・暴行は身の安全を最優先に110番です。退避後、録音やメモで証拠を確保し、労基署に「労基法5条違反の申告」として持ち込めば刑事事件の端緒になります。

Q6強制貯金は労働基準法で禁止されていますか?

禁止されています。労基法18条が強制貯金を禁じ、賃金を会社が強制的に預かる行為は財産による拘束として5条の問題にもつながります。

Q7労働基準監督署に強制労働を通報できますか?

できます。「労基法5条違反の申告」として相談すると、是正勧告中心の未払い案件と違い、労基署は司法警察的に動ける刑事事件として扱います。条文番号を示すと対応の本気度が変わります。

Q8退職代行を使えば辞められますか?

民法627条により退職は本人の一方的な意思表示で成立するため、代行業者を通じても法的効果は同じです。直接言うと脅される状況では、第三者を挟んで圧力を遮断する有効な手段になります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1辞めたいのに「損害賠償を請求する」と言われて怖くて辞められません。本当に払わされるんですか?

原則として払う必要はありません。労基法16条が、労働契約の不履行について違約金や損害賠償額をあらかじめ定めることを禁じています。研修費返還の念書も多くは無効です。それを盾に辞めさせなければ第5条の脅迫による労働強制になりえます。実務のポイント:会社は「裁判する」と言うだけで実際に提訴することは稀です。提訴すれば自社の労基法違反が法廷で表に出るからです。脅し文句の九割はブラフだと知っておく

Q2外国人の技能実習生です。会社にパスポートを取られています。これは違法ですか?

違法です。パスポートや在留カードの取り上げ、強制的な貯金、外出制限は、第5条の身体・精神の自由の不当な拘束に該当し、出入国在留管理庁も明確に禁止しています。労基法18条(強制貯金の禁止)にも触れます。実務のポイント:外国人技能実習機構(OTIT)には母国語の相談窓口があり、相談しても在留資格を直ちに失うわけではなく、転籍や保護の制度がある。会社が「辞めたら強制帰国だ」と言うのは、あなたを縛るための嘘であることが多い

Q3残業代の未払いと、辞めさせてくれないのって、同じ労基署案件ですよね?

労基署が扱う点は同じですが、深刻度の次元が違います。未払い残業は是正勧告という行政指導が中心ですが、第5条違反は労基法で最も重い刑罰が定められた刑事事件で、労基署は司法警察的に動けます。実務のポイント:相談に行くときは「残業代も払われていません」より「辞めると脅され帰してもらえません、労基法5条の件です」と切り出すほうが、対応の本気度が変わる。条文番号を口にできる相談者は、会社側も警戒する

間違えやすい点 AI による整理

  • 「辞めさせてくれないのは、契約違反だから仕方ない」と思い込んでいる人が多い。だが前提が間違っている。日本では期間の定めのない労働者は2週間前の申し出でいつでも辞められる(民法627条)。会社が辞めさせない権利など最初から存在せず、それを暴行・脅迫・監禁で強制すれば第5条違反の犯罪になる。あなたが守るべき契約だと思っていたものは、最初から無効な鎖だ
  • 暴力を振るわれていないから自分は強制労働ではない、と考えがち。だが第5条の射程はそこまで深刻度が高い。「精神の自由の不当な拘束」には、辞めると損害賠償だと繰り返し脅す、家族に連絡すると言って怖がらせる、退職届を受け取らない、こうした物理的暴力を伴わない圧迫も含まれる。殴られていないことは、安全であることを意味しない
  • 「パスポートを会社が預かるのは普通のこと」と外国人労働者本人が思い込まされているケースがある。実際にはこれ自体が身体の自由の拘束の入口で、出入国在留管理庁も明確に禁止している。本人が同意したように見えても、辞めれば在留資格を失うという構造的圧力の下での同意は、自由意思とは評価されない
比較の観点この条文ほかの条文
規制対象労基法5条:暴行・脅迫・監禁等による労働の強制そのもの労基法16条:賠償予定(違約金)の定め
労基法17条:前借金と賃金の相殺
拘束の手段精神又は身体の自由の不当な拘束(物理・心理を問わない)経済的威迫(損害賠償の予定)
債務による拘束(前借金)
罰則の重さ拘禁刑1年以上10年以下又は罰金(労基法で最重)拘禁刑6月以下又は30万円以下の罰金
拘禁刑6月以下又は30万円以下の罰金
退職妨害との関係退職を暴行・脅迫・監禁で阻む行為そのものを処罰退職に違約金を課す合意を無効化し妨害を封じる
前借金を理由とした退職拘束を封じる

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
台湾労働基準法第5条

「強暴、脅迫、拘禁その他不法な方法による強制労働の禁止」とほぼ同一構造。日本法と極めて近い規定であり、継受関係がうかがえる

韓国
韓国勤労基準法 第7条

暴行・脅迫・監禁その他精神上・身体上の自由を不当に拘束する手段による強制労働を禁止。日本法と同型で、罰則も重い

ドイツ
Grundgesetz Art. 12 Abs. 3

強制労働は裁判所が命じた自由剥奪の場合を除き禁止と憲法レベルで規定。労働法というより基本権として構成される点が日本と異なる

アメリカ
U.S. Const. Amend. XIII / 18 U.S.C. § 1589

憲法修正13条が involuntary servitude を禁止し、連邦の人身取引被害者保護法(TVPA)が forced labor を刑事処罰。州法と連邦法が重層的に規律する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 退職を申し出たら社長に「お前が辞めたら損害賠償を請求する、その分の前借金もある」と言われ、机を叩かれた。これは退職妨害であると同時に、脅迫による労働強制として第5条違反になりうる。録音を一本残せば、立場は一夜で逆転する
  • 技能実習生として来日し、パスポートと在留カードを監理団体に「管理のため」と取り上げられ、寮の門限と外出制限のもとで働かされている。身体の自由の不当な拘束として、第5条の典型的な違反類型だ。SOSの出し方を知っているかどうかが運命を分ける
  • もし、あなたが小さな会社の経営者で、辞めると言い出した従業員に「研修費用を全額返せ、それまで辞めさせない」と迫ったとしたら? あなたは第5条違反の加害者になりかねない。労基法16条(賠償予定の禁止)と合わせ技で、会社が一方的に不利になる
  • ホストクラブや風俗店で「店への借金が消えるまで辞められない」と言われ続けている。前借金を理由とした拘束は、第5条と労基法17条が真っ向から禁じている。あと一歩踏み出せば抜けられるのに、借金という鎖が見えない檻になっている
  • 深夜、会社の仮眠室に「明日の納品が終わるまで帰るな」と鍵をかけられた。監禁による労働強制だ。残された時間で何をすべきか、110番か労基署か、判断を誤ると証拠が消える

取るべき行動

被害を受けた側:1. その場で証拠を確保。脅迫・監禁の言動は録音、パスポート取り上げや外出制限はメモと日時の記録、LINEや業務指示のスクショを全て保存2. 退職の意思は内容証明郵便で送り、民法627条により法的に退職を確定させる3. 労働基準監督署に「労基法5条違反の申告」として相談、これは刑事事件の端緒として扱われる4. 監禁・暴行が現在進行形なら110番。外国人の場合は外国人技能実習機構や母国語相談窓口、弁護士会の外国人相談へ。身の安全を最優先に動く

訴えられた側:1. 「辞めさせない」「損害賠償する」という言動が脅迫・強要に該当しないか直ちに検証。研修費返還の合意があっても、労基法16条で賠償予定は無効、辞めさせる義務がある2. 既に発した言動があれば、撤回し書面で退職を受理、被害拡大を止める3. 労基署の調査や申告が入った場合、第5条違反は労基法で最も重い罰則(拘禁刑1年以上10年以下又は罰金、2025年6月施行の拘禁刑制度を反映、最新の改正状況をご確認ください)であることを前提に、弁護士を入れて対応4. 「本人が同意していた」という主張は、構造的圧力下の同意として通りにくいことを理解する

時効(請求できる期限):退職そのものは期間の定めなき雇用なら申し出から2週間で成立(民法627条)。刑事の公訴時効は、第5条違反の法定刑(長期10年の拘禁刑)を前提に7年(刑事訴訟法250条、最新の改正状況をご確認ください)。被害の記録は時間が経つほど散逸するため、証拠確保は当日から動くこと

学説

通説:労基法5条の「不当な拘束」は、暴行・脅迫・監禁という例示にとどまらず、損害賠償の執拗な威迫や旅券取り上げ等、労働者の意思決定の自由を不当に奪う一切の手段を含むと解される。外形的同意があっても、構造的圧力下のものは自由意思とは評価されない。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和22年(1947年) 新設:労働基準法制定に伴い新設。憲法18条の奴隷的拘束からの自由と ILO 強制労働条約を背景に、労働者保護立法のうち最も重い刑罰を伴う中核規定として置かれた

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

労働基準法の全文を見る所属する編章節を開く:第一章 総則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›