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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

労働基準法 第16条(賠償予定の禁止)

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使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

この条文の基本情報

賠償予定の禁止とは何ですか?

定義賠償予定の禁止とは、労働基準法第16条に定められた規定で、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 労働基準法第16条(賠償予定の禁止)は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
  2. 労働基準法第16条の条文原文は「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」で始まります。
  3. 労働基準法第16条は第二章 労働契約に置かれています。
  4. 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
  5. 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 労働基準法第16条の前の条は労働基準法第15条です。
  7. 労働基準法第16条の次の条は労働基準法第17条です。
  8. 労働基準法第16条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第16条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
  • 本サイト収録労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第16条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/16
裁判例 1件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点労働基準法16条は、使用者が労働契約の不履行について違約金や損害賠償額を予定する契約を禁じる。「辞めたら○○円」という金額の事前確定は、署名していても無効となる。

Q · 「3年以内に辞めたら研修費100万円を返す」という誓約書にサインしたら、本当に払わないといけないの?

金額を事前に決める約束なら、サインしていても無効です

労働基準法16条により、使用者は労働契約の不履行について違約金や損害賠償額を予定する契約をすることができません。「辞めたら○○円返す」という金額の事前確定は、署名押印していても無効です。ただし会社が実際に被った具体的損害を立証して請求する道は残ります。また研修費を独立した「金銭消費貸借(貸付金)」として組み、返済免除が勤続に依存しない設計であれば適法に返還義務が生じることもあります。名目より中身で判断されます。

解説

内定先から「入社後3年以内に辞めたら研修費100万円を返してもらう」と言われ、誓約書にサインした。数年後に転職を決めた途端、会社が本当に100万円を請求してきた。多くの人はここで「契約書にサインしたんだから払うしかない」と諦める。だが労働基準法16条を知っていれば、その判断は変わる。この条文は、使用者が労働契約の不履行について「違約金」や「損害賠償額の予定」を定めることを正面から禁じている。つまり「辞めたら○○円」と金額をあらかじめ決めておく約束は、署名押印していても無効だ。境界線が一つある。会社が実際に被った具体的損害を立証して請求することまでは封じていない。禁じられるのは「金額の事前確定」であって「実損の請求」ではない。さらに研修費を「貸付金」に偽装して足止めする手口があるが、返済免除の条件が勤続そのものになっていれば、実質は違約金として無効と判断される傾向がある。

法的な位置づけ

労働基準法16条は賠償予定の禁止を定める規定であり、使用者が労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をすることを禁止する。金額の多寡を問わず、退職等を理由とする金銭の事前確定そのものを無効とし、労働者を金銭的拘束から解放して退職の自由を実質的に保障する強行規定として機能する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.すぐに払わず請求の根拠条項を確保 内容証明などで研修費返還を請求されても、慌てて振り込まない。請求の根拠となる誓約書・雇用契約書・研修費返還規程の該当条項を手元に確保し、コピーを取る
  2. 2.違約金形式か貸付金形式かを見極める 条項が「辞めたら○○円」という金額の事前確定(違約金・賠償予定)か、独立した金銭消費貸借(貸付金)かを確認する。前者なら労基法16条で無効を主張できる。貸付金でも返済免除の条件が勤続そのものなら実質違約金として争える
  3. 3.書面で支払い義務がない旨を通知 会社に対し「本請求は労働基準法16条の賠償予定にあたり支払い義務はない」と書面で通知する。多くの人事担当者はこの条文を示された時点で強気の請求を引っ込める
  4. 4.賃金天引きには全額払いの原則で対抗 退職金や最終給与から研修費を一方的に差し引くと言われた場合、賠償予定の禁止に加え賃金全額払いの原則(労基法24条)違反を書面で指摘し、支払われるべき賃金を確保する
  5. 5.進展しなければ労基署・弁護士・労組へ 会社が請求を取り下げない場合、労働基準監督署への申告、労働者側に強い弁護士、労働組合への相談を行う。16条違反は罰則対象であり、申告自体が会社への牽制になる

よくある質問 AI による整理

Q1賠償予定の禁止とは何ですか?

使用者が「契約に違反したら○○円」と賠償額や違約金をあらかじめ決めておく契約を禁じるルールです。労働基準法16条が根拠で、金額の多寡を問わず事前確定そのものが無効になります。

Q2退職時に違約金を払わなければいけませんか?

「辞めたら違約金○○円」という事前確定の約束なら、署名していても無効で支払い義務はありません。ただし会社が実損を立証して請求する道は別途残ります。

Q3研修費返還の誓約書は有効ですか?

返済免除の条件が「勤続そのもの」になっていれば実質は違約金として無効と判断される傾向があります。一方、独立した貸付金として適法に組まれた場合は有効なこともあります。

Q4お礼奉公は違法ですか?

学費肩代わりの見返りに一定年数の勤続を強い、辞めたら全額返還とする「お礼奉公」は、勤続を返済免除条件にしている時点で16条違反の疑いが濃いです。

Q5労働基準法16条に違反するとどうなりますか?

条項は無効になるうえ、使用者は同法119条により6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金の対象となります。労基署の是正勧告や送検リスクもあります。

Q6給料から研修費を天引きされたら違法ですか?

賠償予定の禁止に加え、賃金全額払いの原則(労基法24条)にも反する可能性が高く、一方的天引きは違法です。書面で違法性を指摘し賃金確保を求めましょう。

Q7貸付金と違約金はどう違いますか?

貸付金は会社が立替えた費用の返済で、勤続と切り離されていれば適法です。違約金は退職等を理由にした金銭で16条違反。返済免除が勤続に依存するかが分かれ目です。

Q8退職を理由に損害賠償を請求されることはありますか?

金額の事前確定はできませんが、会社が現実に被った具体的損害を立証すれば賠償請求自体は可能です。16条が封じるのは「事前確定」であって「実損請求」ではありません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1研修を受けさせてもらったのに、辞めるとき費用を返さないのは申し訳ない気がします。本当に払わなくていいんですか?

業務として受けさせられた研修なら、その費用は本来会社が負担すべきもので、返還を約束させること自体が労基法16条に触れます。良心は立派ですが、法は「辞めたら払う」という縛りを無効とします。実務のポイント:会社が「これは貸付金だ」と言い張っても、返済免除の条件が「勤め続けること」だけなら、裁判所は実質を違約金とみて無効と判断する傾向があります。名目より中身で判断される

Q2誓約書にサインして印鑑も押しました。それでも無効になるんですか?

なります。労基法13条は法律の基準に達しない労働条件を定める契約をその部分について無効とし、16条違反の条項はその典型です。署名押印は無効性を覆しません。実務のポイント:会社は「合意があった」と主張しますが、労働者保護の強行規定は当事者の合意では排除できない。むしろ16条違反の誓約書を取らせていた事実自体が、労基署への申告で会社に不利に働く

Q3海外留学の費用を会社に出してもらいました。これも返さなくていい?

ケースバイケースです。会社の業務命令で行かされた留学なら返還義務を課すのは16条違反、あなたが自発的に応募し会社と独立した金銭消費貸借契約を結んでいたなら有効な場合があります。実務のポイント:分かれ目は「誰が言い出したか」と「業務だったか自己研鑽だったか」。留学中も給与が支払われ業務扱いだったなら返還条項は無効になりやすい。契約書の文言より、辞令やメール、応募書類など実態の証拠が決め手になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「誓約書にサインして印鑑も押したから法的に有効」と思い込んでいるが、16条に違反する違約金条項は本人が同意していても無効になる。契約自由の原則より労働者保護の強行規定が優先する、数少ない場面の一つだ
  • 「研修費の返還請求は全部違法だから無視していい」と単純化して覚えている人がいるが、深刻なのはその逆側だ。会社が実際の損害を立証して請求する道は残っており、独立した金銭消費貸借として組まれた費用なら適法に返還義務が生じる。全部無効と油断すると、本当に払うべき場面を見誤る
  • 「違約金はいくらまでなら認められるのか」と上限金額を気にする人が多いが、問いの立て方そのものが誤っている。16条は金額の多寡を一切問わず、事前に金額を予定する行為自体を禁じる。1円でも100万円でも、予定であれば等しく無効だ
比較の観点この条文ほかの条文
規律の方向労基16条:労働契約での違約金・賠償額の予定を禁止民法420条:賠償額の予定を原則自由に認める一般規定
労基17条:前借金と賃金の相殺を禁止
効果事前確定条項は無効、かつ罰則(労基119条)対象予定額がそのまま裁判上の賠償額になる
相殺は無効、賃金は全額支払う必要
適用場面「辞めたら○○円」研修費返還・違約金条項一般の契約(労働契約以外)
前借金・立替金による足止め
残された請求手段実損を立証すれば賠償請求は可能(事前確定のみ禁止)予定額の請求が可能
貸付自体は別途、適法に回収する余地

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
労働基準法第26条

台湾は賃金からの違約金・賠償費用の予扣を明文で禁止。退職金銭拘束への規律の方向は日本16条と共通する。

韓国
대한민국 근로기준법 제20조(違約予定の禁止)

韓国も使用者が労働契約不履行に対する違約金・損害賠償額を予定する契約を禁止しており、日本16条とほぼ同趣旨。

ドイツ
BGB § 309 Nr. 6ほか

ドイツは約款(AGB)による違約金条項を原則無効とし、研修費返還(Rückzahlungsklausel)も拘束期間と費用の比例性により有効性を厳格に審査する。

アメリカ
Training Repayment Agreement Provisions(TRAPs)

米国は単一の禁止規定はなく、at-will 雇用を前提に州法・FLSA・近年の競争当局の監視で過大な研修費返還条項を制限する方向にある。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし退職を申し出た翌週、会社から「就業規則の規定により研修費80万円を一括返還せよ」という内容証明が届いたら、あなたは払うべきか。多くの場合この請求は労基法16条に抵触し、無効を主張できる。慌てて振り込む前に、条項が金額の事前確定になっていないかを確認するだけで結論が変わる
  • 看護師のあなたが、学費を病院に肩代わりしてもらう代わりに「卒業後5年勤務、途中で辞めたら全額返還」という誓約書を書いた。3年目で別の病院へ移りたくなったとき、この返還条項は勤続を免除条件にしている時点で16条違反の疑いが濃い。お礼奉公という慣行名がついていても、違法性は消えない
  • あなたが小さな会社の経営者側で、せっかく育てた若手がすぐ辞めるのに困り「3年以内退職は違約金50万」と契約書に入れた。これは善意の引き止めのつもりでも16条違反で無効、しかも刑事罰の対象になる。良かれと思った一文が、労基署の是正勧告を呼び込む
  • あと10日で退職日。会社は「返還誓約書にサインしているから給料から研修費を差し引く」と言ってきた。賃金からの一方的天引きは賠償予定の禁止に加え賃金全額払いの原則にも触れる。時間がない中で、まず天引きの違法性を書面で指摘し、支払われるべき賃金を確保する動きが要る
  • 友人が「海外留学を会社に出してもらったから、辞めたいけど費用を返せと言われて動けない」と相談してきた。あなたが知っておくべきは、業務命令の留学か自発的応募かで結論が逆転すること。会社主導の業務研修なら返還義務は無効になりやすい

取るべき行動

被害を受けた側:1. すぐに払わない。請求の根拠となる誓約書・契約書の該当条項を手元に確保する2. その条項が「辞めたら○○円」という金額の事前確定(違約金・賠償予定)か、実損の請求かを見極める。前者なら労基法16条で無効を主張できる3.「貸付金」形式でも、返済免除の条件が勤続になっていれば実質違約金として争える4. 会社に書面で「16条違反のため支払い義務はない」と通知し、進展しなければ労働基準監督署、労働者側に強い弁護士、労働組合に相談する

訴えられた側:1. 自社の誓約書や研修費返還規程が「金額の事前確定」になっていないか点検する。なっていれば16条違反で無効、かつ罰則の対象だ2. 研修費を回収したいなら、独立した金銭消費貸借契約として組み直す。労働者の自発的応募、会社業務との切り分け、返済免除が勤続の反射的効果にとどまる設計が要件になる3. 実際に損害が生じた場合は、具体的損害を立証して請求する道は残る4. 既存の違約金条項は早急に是正し、労基署の是正勧告や送検リスクを避ける

時効(請求できる期限):違約金・賠償予定の条項は契約当初から無効であり、無効主張そのものに時効はない。すでに支払った金銭を取り戻す場合は不当利得返還請求(民法703条、704条)として一般消滅時効(民法166条、原則5年)が適用される。会社側の16条違反には刑事罰(労働基準法119条、6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金、2025年6月1日施行の拘禁刑への移行を反映、最新の改正状況をご確認ください)があり、別途公訴時効が進行する

学説

通説・判例法理:労基法16条が禁じるのは「金額の事前確定(賠償予定)」であり、使用者が現実に被った具体的損害を立証して請求することまでは妨げない。研修費返還条項も、名目が貸付金であっても返済免除の条件が勤続そのものに依存する場合は、実質的に違約金とみて無効と解するのが一般的である。

改正沿革 AI による整理

  • 昭和22年(1947年)制定 労働基準法制定時に新設され、以後、本条の実質的文言は変更されていない。なお16条違反の罰則を定める119条は、令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行の拘禁刑統合の影響を受けている

改正の年表

  1. 1.昭和22年(1947年) 新設:労働基準法制定時に賠償予定の禁止として新設。以後、本条の実質的文言は変更されていない。
  2. 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:16条違反の罰則を定める119条が、刑法の拘禁刑統合に伴い「6か月以下の懲役」から「6か月以下の拘禁刑」へ表記変更(本条そのものの文言は不変)。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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