要点労働者災害補償保険法二十条の四は、複数事業労働者が二以上の事業の業務を要因とする傷病で働けず賃金を受けないとき、請求に基づき休業給付を支給する。各社単独で基準未満でも合算判断する。
Q · 二つの会社を掛け持ちして過労で倒れたけど、片方だけだと労災の基準に届かない。もう諦めるしかない?
各社単独で基準未満でも、合算すれば休業給付を請求できます
労働者災害補償保険法二十条の四により、複数事業労働者が二以上の事業の業務を要因とする傷病の療養で働けず賃金を受けない場合、その請求に基づき複数事業労働者休業給付が支給されます。各社単独では過労の認定基準に届かなくても、労働時間やストレスを合算して複数業務要因災害と判断されます。給付基礎日額も全勤務先の賃金を合算して算定されます。ただし起点は本人の請求であり、労基署が勝手に合算してくれるわけではないため、全勤務先のタイムカードと給与明細を揃えて自ら請求する必要があります。時効は二年です。
昼はオフィスで働き、夜はコンビニのシフトに入る。二つの仕事を掛け持ちして、合計の労働時間は月に三百時間を超えていた。ある日、過労で倒れて働けなくなる。だが片方の会社だけを見れば、残業はそこまで多くない。少し前までのあなたなら、どちらの会社でも労災は下りなかった。二〇二〇年九月、この壁が崩れた。労災保険法二十条の四は、二つ以上の事業の業務を合わせた負荷が原因で負傷・疾病を負い、療養のため働けず賃金を受けられないとき、その請求に基づいて休業給付を支払うと定める。鍵は二つ。第一に、複数の職場の労働時間やストレスを合算して労災の原因(複数業務要因災害)と判断する。第二に、給付の基礎となる賃金も全ての勤務先を合算する。掛け持ちで体を壊した人を、制度がようやく拾えるようになった。請求しなければ、誰もこの合算を始めてはくれない。
労働者災害補償保険法第二十条の四は複数事業労働者休業給付を定める規定であり、複数事業労働者が二以上の事業の業務を要因とする負傷又は疾病の療養のため労働できず賃金を受けない場合に、その請求に基づき給付を行う。給付額の算定等については第十四条及び第十四条の二が準用される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
二以上の事業の業務を合算した負荷(労働時間・ストレス等)を要因とする傷病を指す災害類型です。二〇二〇年九月に新設され、各社単独では認められなくても合算で労災が認定されます。
二年です。療養のため働けず賃金を受けない日ごとに請求権が発生し、その翌日から二年で時効消滅します(労災保険法四十二条)。古い日から順に消えるため早めの請求が必要です。
働けず賃金を受けない日から支給されますが、待期三日間(連続を要しない)は給付対象外です。四日目以降について給付基礎日額の六割の休業給付が出ます。
はい。複数業務要因災害では二以上の事業の労働時間やストレスを合算して業務起因性を判断します。合算するかは会社ではなく労基署が職権で判断します。
請求は可能です。一社が証明を渋っても請求自体は妨げられず、原因の切り分けは労基署の判断事項です。証明拒否の事実を記録して労基署に相談してください。
所轄の労働基準監督署に休業(補償)等給付請求書を提出します。各勤務先に事業主証明欄の記入を依頼し、全勤務先の賃金が分かる資料を添えます。
複数事業労働者の場合、全勤務先の賃金を合算して算定されます。一社分を申告し忘れると日額が下がったまま固定されるため、全給与明細を揃えることが重要です。
なります。各社単独では労働時間が基準未満でも、合算した長時間労働やストレスによる精神障害を複数業務要因災害として主張できます。
いいえ、それこそが二十条の四の対象です。二以上の事業の業務を合算した負荷が原因なら、各社単独で基準未満でも複数業務要因災害として休業給付を請求できます。業界裏話ヒント:労務担当者が『うちの残業だけなら基準外』と言うのは、自社視点の話にすぎません。合算するかどうかは会社ではなく労基署が判断します。会社の一言で諦めず、両社のタイムカードを揃えて請求窓口へ行くかどうかで、給付が下りるかどうかが分かれます
給付基礎日額の六割が休業給付(二十条の四第二項が準用する十四条の趣旨)、加えて休業特別支給金二割が出るため、実質的に約八割の水準です。重要なのは、この給付基礎日額が全勤務先の賃金を合算して算定される点。業界裏話ヒント:片方の会社の賃金を申告し忘れると、合算前の低い日額のまま給付額が固定されます。休んでいる間ずっと取りはぐれ続けるので、最初の請求時に全勤務先の給与明細を必ず揃えること(最新の改正状況をご確認ください)
原則として複数事業労働者は『労働者』が対象ですが、特別加入制度に入っていれば複数業務要因災害の枠組みが及ぶ場合があります。労働者性が認められる働き方かどうかも、契約名目ではなく実態で判断されます。業界裏話ヒント:『業務委託』の看板でも、指揮命令や時間拘束が強ければ労働者と認定されうる。掛け持ちのギグワークで体を壊したとき、自分は対象外だと早合点せず、まず労働者性と特別加入の有無を専門家に確認する価値があります(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 業務起因性の判断 | 二十条の四:二以上の事業の業務を合算して判断(複数業務要因災害) | — |
| 給付基礎日額の算定 | 全勤務先の賃金を合算して算定(八条の趣旨) | — |
| 支給水準 | 給付基礎日額の六割+休業特別支給金二割(十四条準用) | — |
| 請求の起点 | 労働者本人の請求(第一項) | — |
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