要点労働者災害補償保険法 20 条の 7 は、複数事業労働者が二以上の事業の業務を要因として死亡した場合、葬祭を行う者の請求に基づき葬祭給付を支給する。各職場の負荷を合算して判断する点が特徴である。
Q · 本業と副業を掛け持ちしていた家族が過労で亡くなったら、労災の葬祭給付は出るの?
出る。二以上の職場の負荷を合算して判断する
労働者災害補償保険法 20 条の 7 により、複数事業労働者が二以上の事業の業務を要因として死亡した場合、葬祭を行う者の請求に基づき複数事業労働者葬祭給付が支給されます。ポイントは『合算』で、一つの職場だけでは過労死ラインに届かなくても、すべての勤務先の負荷を足し合わせて判断します(複数業務要因災害)。給付は第十七条の葬祭料を準用するため、金額・手続は通常の葬祭料と同じ枠組みです。請求しなければゼロ、時効は 2 年と短いため早めの申請が重要です。
昼はコンビニ、夜は配送ドライバー。二つの仕事を掛け持ちしていた人が、ある朝倒れて帰らぬ人となった。残された家族が最初にぶつかる壁は、過労死の労災認定だ。古い制度では、それぞれの職場の労働時間を別々に見るため、どちらも単独では過労死ラインに届かず、労災が認められないことがあった。本条が変えたのはまさにそこである。複数事業労働者葬祭給付は、二以上の事業の業務を合わせて死亡の原因と認められた場合に、葬祭を行う者の請求に基づいて支給される。第十七条の葬祭料の規定を準用するため、金額も手続も通常の葬祭料と同じ枠組みで動く。鍵は『合算』だ。一つの職場だけ見れば足りなくても、すべての職場の負荷を足し合わせて判断する。この一条の存在を知らない遺族は、本来受け取れるはずの給付を静かに取りこぼす。
複数事業労働者葬祭給付とは、複数事業労働者が二以上の事業の業務を要因として死亡した場合に、葬祭を行う者の請求に基づき支給される労災保険給付である。給付内容は第十七条の葬祭料を準用し、各事業の業務上の負荷を合算して死亡との因果関係を評価する複数業務要因災害の枠組みに属する。副業・兼業の普及に対応して令和 2 年に新設された制度である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
二以上の事業の業務を要因として複数事業労働者が死亡した場合に、葬祭を行う者の請求で支給される労災給付です。各職場の負荷を合算して判断します(労災保険法 20 条の 7)。
315,000 円+給付基礎日額の 30 日分と、給付基礎日額の 60 日分のいずれか高い方です。日額は複数の勤務先の賃金を合算して算定されます(最新の改正状況をご確認ください)。
認められる余地があります。複数業務要因災害として、本業と副業の労働時間や心理的負荷を合算して業務起因性を判断します。単独では届かなくても合算で認定されることがあります。
2 年です(労災保険法 42 条)。起算点は被災労働者が死亡した日の翌日。遺族補償給付の 5 年に比べて短く、取りこぼしやすいので注意が必要です。
二以上の事業の業務上の負荷を総合的に評価して認定する労災の類型です。脳・心臓疾患による過労死だけでなく、精神障害による自死も対象になりえます(労災保険法 7 条)。
なります。条文は『副業をしているか』ではなく『二以上の事業の業務に従事していたか』を見ます。短時間のパートやスポット勤務の掛け持ちでも複数事業労働者に該当しえます。
雇用されていない働き方が含まれるかは実務の論点です。特別加入をしている場合や労働者性が認められる場合は対象になりえます。働き方の実態で個別判断されます。
別の給付なので併給されます。複数事業労働者遺族給付(20 条の 6)と複数事業労働者葬祭給付(20 条の 7)は、同一の死亡事案について並行して請求できます。
複数業務要因災害として合算審査を受けるには、原則すべての勤務先を申告する必要があります。申告しなければ主たる勤務先の負荷だけで判断され、不支給になりかねません(労災保険法 20 条の 7、7 条)。業界裏話ヒント:故人が会社に内緒で副業していたケースは多く、遺族が副業の存在を把握していないこともある。勤怠アプリ、給与振込の入金履歴、シフト連絡の LINE から副業先を割り出せることがあるので、まず通帳とスマホを確認する
条文は『葬祭を行う者』と定めており、必ずしも遺族や喪主に限りません(労災保険法 17 条準用)。実際に葬祭を執り行った人が請求権者です。業界裏話ヒント:身寄りがなく勤務先や友人が葬儀を出した場合でも、その人が請求できる。逆に遺族が複数いて誰が請求するかで揉めるときは、実際に葬祭を主宰した事実が決め手になる。領収書と喪主名義を揃えておく
請求先は会社ではなく、所轄の労働基準監督署です(労働者災害補償保険法施行規則)。一か所に請求すれば、監督署が他の勤務先に照会して合算審査します。業界裏話ヒント:どちらを『主たる勤務先』とするかで窓口は変わるが、給付額の合算自体は変わらない。迷ったら賃金の高い方を主たる勤務先として請求するのが、実務上スムーズなことが多い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 支給の前提 | 20 条の 7:二以上の事業の業務を要因とする死亡(合算評価) | — |
| 負荷の評価方法 | 全勤務先の労働時間・心理的負荷を合算(7 条の複数業務要因災害) | — |
| 請求権者 | 葬祭を行う者(喪主とは限らない) | — |
| 消滅時効 | 2 年(42 条) | — |
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