臨検すべき物件又は差し押さえるべき物件が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、委員会職員は、臨検又は捜索若しくは差押えを受ける者に対し、電子計算機の操作その他の必要な協力を求めることができる。
要点独占禁止法107条の2は、公取委の犯則調査で差押え対象が記録媒体のとき、職員が電子計算機の操作その他の協力を求められると定める。差押えの実効性を確保する手続規定である。
Q · 公取委が令状を持ってきて『パソコンを操作してデータを出せ』と言われたら、従うしかないの?
差押え物件の提出義務と操作協力の強制力は別問題です
独占禁止法107条の2により、犯則調査で差押え対象が記録媒体のとき、委員会職員は電子計算機の操作その他の必要な協力を求めることができます。これは裁判官の許可状に基づく刑事手続(101条以下)であり、課徴金を科す行政調査(47条)とは性質が異なります。差押え物件の引渡しは令状で強制できますが、パスワード開示など被疑者自身の積極的関与を伴う協力を物理的・刑罰的に強制できるかは、憲法38条の自己負罪拒否特権との関係で実務上、解釈が分かれています。反射的に全面協力する前に、独禁法に強い弁護士へ連絡するのが定石です。
公正取引委員会の調査には、性質のまったく異なる二本の道がある。一本は47条の行政調査、課徴金や排除措置命令につながる道だ。もう一本が、この107条の2が属する犯則調査。裁判官の許可状を握った委員会職員が、カルテルや入札談合の刑事責任を追及するために、あなたの会社のサーバーやパソコンそのものを差し押さえに来る。差し押さえる対象がデータの入った記録媒体であるとき、職員はあなたに「電子計算機の操作その他の必要な協力」を求めることができる。平たく言えば、端末を立ち上げてログインしろ、暗号を解け、という要求だ。ここに、多くの経営者が知らない分かれ道がある。この「協力要請」は、捜索や差押えそのものと違い、物理的に強制できるのか。パスワードの開示を拒んだら罰せられるのか。実は、この点は実務上、解釈が分かれている。憲法38条の自己負罪拒否特権との緊張があるからだ。知っているか知らないかで、その場であなたが下す判断はまるで変わる。
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第107条の2は、公正取引委員会の犯則調査において、臨検・捜索・差押えの対象が電磁的記録に係る記録媒体である場合に、委員会職員が処分を受ける者へ電子計算機の操作その他の必要な協力を求める権限を定める規定である。差押えの実効性を確保する手続規定であり、刑事訴訟法111条の2に対応する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
犯則調査は、公正取引委員会が独占禁止法違反の刑事責任を追及するため、裁判官の許可状に基づき行う強制調査です。課徴金を科す行政調査(47条)とは別の刑事手続で、臨検・捜索・差押えができます。
サーバー、パソコン、スマートフォン、USB メモリ、クラウド上のデータを保存した機器など、電子データを記録した媒体全般を指します。107条の2はこれらを差し押さえる際の操作協力を定めます。
端末の起動、ログイン、データの抽出など、差押え対象のデータを職員が取得するために必要な操作を指します。ただし協力要請の強制力には憲法38条との関係で限界があります。
裁判官です。委員会職員の請求に基づき、対象犯罪・対象物件・有効期間を記載した許可状を発付します(独占禁止法102条)。立入検査と異なり令状主義による司法統制が及びます。
犯則調査自体は証拠収集手続で逮捕権限はありません。ただし委員会が刑事告発(74条の専属告発)すれば、その後の捜査で検察官による逮捕・起訴に至る可能性があります。
不当な取引制限罪(独占禁止法89条)は5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金です。法人には両罰規定でより高額の罰金が科されます(最新の改正状況をご確認ください)。
減免申請の順位が早いほど課徴金が減免され、刑事告発も見送られやすくなります。犯則調査の許可状が執行される段階では、最良の順位は他社に取られている公算が高くなります。
独占禁止法違反の刑事訴追には公正取引委員会の告発が必要とされる制度です(74条)。検察官は委員会の告発なしに起訴できないため、犯則調査と告発判断が刑事手続の入口を握ります。
それは47条の行政調査の話で、検査拒否には刑事罰・過料があります。しかし107条の2が属する犯則調査(101条以下)は裁判官の許可状による刑事手続で、構造が別物です。差押えそのものは令状で強制できますが、『協力要請』の強制力には限界があります。業界裏話ヒント:現場の職員は両者の違いをあえて丁寧には説明しません。示された書面が『許可状』なら犯則調査、『立入検査』を名乗るなら行政調査。この一語の違いで、あなたが置かれているのが課徴金リスクなのか刑務所リスクなのかが分かれます
差押え対象の物件を渡す義務と、頭の中にあるパスワードを供述する行為は別の問題です。後者を物理的・刑罰的に強制できるかは、憲法38条の自己負罪拒否特権との関係で実務上、解釈が分かれています(独禁法107条の2の『協力を求めることができる』という文言がその限界を示唆します)。業界裏話ヒント:反射的に教えてしまうと、後で『任意に協力した』と整理され、争えたはずの論点を自分から消すことになります。迷ったら『弁護士と相談したい』と述べて時間を作るのが、知っている側の人間の動き方です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 107条の2:犯則調査(刑事手続)での操作協力要請 | — |
| 根拠・統制 | 裁判官の許可状の執行に付随、令状主義の射程内 | — |
| 強制力 | 差押え物件の引渡しは強制可、操作協力(特にパスワード開示)は憲法38条との関係で限界あり | — |
| 出口リスク | 89条等の刑事罰、74条の専属告発につながりうる | — |
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