この章の規定による公正取引委員会又は委員会職員の処分又はその不作為については、審査請求をすることができない。
要点独占禁止法118条は、犯則調査に関する公正取引委員会の処分・不作為について審査請求を認めない規定。犯則調査は刑事手続に準じるため、行政不服審査法による救済が入口から排除される。
Q · 公取委の差押えっておかしいと思ったら、審査請求で止められないの?
犯則調査の処分に審査請求はできません(118条)
独占禁止法118条により、同法第12章の犯則調査に関して公正取引委員会または委員会職員が行った処分(臨検・捜索・差押えなど)およびその不作為については、審査請求をすることができません。犯則調査は刑事手続に準じる強制捜査であるため、行政不服審査法による通常の救済経路が排除されています。不服がある場合は、刑事手続の中での証拠能力の争いや、違法調査を理由とする国家賠償で争うことになります。
公正取引委員会は行政機関だが、悪質なカルテルや入札談合の事件では、裁判官の許可状を取り、会社や役員の自宅に臨検・捜索・差押えをかける『犯則調査』の権限を持つ。国税局査察部(マルサ)の脱税摘発と同じ構図だ。第118条が告げるのは、その犯則調査の過程で公取委やその職員が下した処分(差押えなど)や、動いてくれない不作為に対して、あなたは『審査請求』ができない、という一点である。普通の行政処分なら、不服があれば行政不服審査法に基づき審査請求で争える。だが犯則調査は刑事手続に準じる性格を持つため、その入口が初めから閉ざされている。つまり、ある朝あなたの会社に調査官が令状を持って現れ、パソコンやサーバを差し押さえても、『役所に不服を申し立てて止める』という見慣れた手は存在しない。残された争い方は、刑事手続の中、あるいは違法調査を理由とする国家賠償に限られ、しかも取消訴訟で争えるかどうか自体に実務上、解釈が分かれている。
独占禁止法第118条は、同法第12章に定める犯則調査に係る公正取引委員会または委員会職員の処分および不作為を、審査請求の対象から除外する規定である。犯則調査が臨検・捜索・差押えを伴う刑事手続に準じる強制調査であることから、行政不服審査法に基づく救済を排除し、争訟を刑事手続および司法審査に一元化する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
独占禁止法第12章に基づき、公正取引委員会が裁判官の許可状を得て臨検・捜索・差押えを行う強制調査です。悪質なカルテルや談合を刑事責任まで追及するための手続で、2005年に新設されました。
あります。独占禁止法第12章の犯則調査では、裁判官の許可状を得て会社や役員宅への臨検・捜索・差押えができます。国税のマルサと同等の強制調査権です。
独占禁止法96条により、同法違反の罪は公正取引委員会の告発を待って検察が起訴する仕組みです。公取委が刑事責任追及の入口を握っており、犯則調査はその前段階にあたります。
行政調査(47条)は行政処分のための調査ですが、犯則調査は刑事手続に準じる強制捜査で、令状に基づく臨検・捜索・差押えを伴います。目的も帰結も異なります。
はい。価格カルテルや入札談合は独占禁止法違反の罪にあたり、懲役や罰金の対象です(89条)。悪質な事案は犯則調査と専属告発を経て刑事裁判に進みます。
違反を自主申告した事業者の課徴金を減免する制度です。一定の申告順位までに申告すれば刑事告発を回避できる可能性もあり、犯則調査の前に取りうる有力な選択肢です。
不当な取引制限(カルテル)は5年以下の懲役または500万円以下の罰金の対象で(89条)、法人には別途重い罰金が科されます(95条)。課徴金とは別に科され得ます。
犯則調査は令状に基づく強制調査のため、正当な理由なく拒否できません。対応は許可状の範囲内に限定させ、弁護士同席で臨むのが望ましいです。
違います。独占禁止法第12章の犯則調査では、裁判官の許可状を得て会社や自宅に臨検・捜索・差押えを行う強制調査権を持ちます。悪質なカルテル・談合は専属告発(96条)を経て刑事裁判に進みます。業界裏話ヒント:この犯則調査は国税のマルサをモデルに2005年に新設された比較的新しい権限で、対象になった時点で『行政処分の世界』から『刑事の世界』へ軸足が移っている。課徴金の感覚で構えていると判断を誤ります。
止められません。118条が犯則調査の処分・不作為について審査請求を明確に排除しています。普通の行政処分なら行政不服審査法2条で審査請求できますが、犯則調査は刑事手続に準じるため対象外です。業界裏話ヒント:では取消訴訟なら争えるのかというと、犯則処分の『処分性』自体に実務上、解釈が分かれています。多くの場合、違法性は後の刑事手続での証拠排除や国家賠償の場で主張することになる。だからこそ差押えの瞬間の記録が後で効きます。
あります。最大の手段はリニエンシー(課徴金減免制度)の自主申告です。一定の順位までに申告すれば課徴金が減免され、刑事告発を回避できる可能性が出ます。業界裏話ヒント:118条で事後の不服申立てが封じられている以上、争うより『調査が来る前に降りる』方が合理的な場面が多い。コンプライアンス担当が犯則調査の重さを正しく理解しているかどうかで、いざという時の初動が天と地ほど変わります。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の性格 | 犯則調査(118条):刑事手続に準じる強制捜査 | — |
| 不服申立ての可否 | 審査請求は不可(118条)、争いは刑事手続・国家賠償 | — |
| 帰結 | 専属告発を経て刑事裁判に直結 | — |
| 根拠条文 | 独占禁止法118条 | — |
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