要点独占禁止法96条は、89条から91条までの罪について公正取引委員会の告発を待って刑事責任を問えると定める専属告発の規定であり、告発は文書で行われ、公訴提起後は取り消すことができない。
Q · カルテルや談合って、警察や検察がすぐ逮捕・起訴できるものなんですか?
検察ではなく公正取引委員会の告発が刑事化の鍵です
独占禁止法96条により、89条から91条までの罪(不当な取引制限=カルテル・入札談合など)は、公正取引委員会の告発がなければ検察官も起訴できません。これを専属告発といい、検察官の訴追独占(国家訴追主義)の数少ない例外です。告発は文書で行い(2項)、いったん公訴が提起されると取り消せません(4項)。したがって独禁法の刑事リスクにおける真の主戦場は検察庁ではなく、告発判断を握る公取委との初動対応にあります。
談合やカルテルがニュースになると「公正取引委員会が課徴金◯億円の納付命令」という見出しが流れる。だが、その同じ違反で役員が刑務所に行くかどうかを決めるのは、検察官ではない。独占禁止法96条は、89条から91条までの重い犯罪(不当な取引制限、入札談合、私的独占など)について、公正取引委員会の告発がなければ起訴できないと定めている。これを専属告発という。検察官がどれほど悪質だと考えても、公取委が文書で告発しない限り、刑事裁判は一歩も始まらない。逆に、いったん告発され公訴が提起されれば、その告発はもう取り消せない(4項)。被害者の意思で動かせる親告罪の告訴とは、ここが決定的に違う。つまり、独禁法違反が刑事事件になるかどうか、その入口の鍵を一つの行政機関が独占して握っている。あなたが企業の役員や法務担当なら、有事に真っ先に向き合うべき相手は検察ではなく公取委だということだ。
独占禁止法96条は専属告発を定める規定であり、同法89条から91条までの罪については公正取引委員会の告発を訴訟条件とする。告発は文書によって行われ、公訴の提起後はこれを取り消すことができない。検察官の訴追独占(国家訴追主義)に対する例外として、競争政策の専門的判断を刑事手続の入口に反映させる制度である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特定の犯罪について、指定された機関の告発がなければ検察官が起訴できない仕組みです。独占禁止法違反では公正取引委員会の告発が訴訟条件となります(96条1項)。
カルテルや入札談合などの重い違反を刑事事件にするには、公正取引委員会が文書で告発する必要があると定めた条文です。告発がなければ検察も起訴できません。
個人は独禁法89条で拘禁刑もあり得ます。法人には両罰規定(95条1項)で最大5億円の罰金が科されます。行政制裁の課徴金とは別枠です。
あります。悪質・重大な事案は96条に基づき公取委が刑事告発し、関与した役員や担当者個人が刑事被告人になり得ます。課徴金で必ず済むわけではありません。
課徴金減免制度で最先着(1番手)で申請した企業は、運用上、刑事告発の対象から外れる扱いが一般的です。順位が一歩遅れると刑事リスクが大きく変わります。
独占禁止法89条から91条までの罪です。不当な取引制限(カルテル・入札談合)、私的独占、確定した排除措置命令違反などが含まれます。
公表された告発方針により、国民生活に広範な影響を及ぼす悪質・重大な事案や、行政処分では抑止が不十分な違反反復者などが選別対象とされています。
あります。金融商品取引法や国税関係の一部の罪など、専門機関の告発を訴訟条件とする例があります。独禁法96条はその代表例です。
終わりません。悪質かつ重大な事案は96条に基づき公取委が刑事告発し、関与した個人に拘禁刑(独禁法89条)、法人に最大5億円の罰金(95条1項)が科されうる。課徴金(行政制裁)と刑事罰は別物です。業界裏話ヒント:公取委は違反全件を告発するわけではなく、平成17年公表の告発方針で「国民生活に広範な影響を及ぼす悪質・重大な事案」などに対象を絞っている。だからこそ、自社が告発ラインに乗るかどうかの見極めが初動の勝負になる
できません。96条1項の専属告発は刑事手続の訴訟条件であり、公取委の告発を欠いたまま検察官が起訴すれば、その公訴は棄却されます(刑事訴訟法338条4号)。業界裏話ヒント:これは検察の訴追独占(国家訴追主義、刑訴法247条)の数少ない例外。つまり独禁法の刑事弁護の主戦場は法廷ではなく、告発判断を握る公取委との折衝段階にある。ここを誤ると、もう打つ手が限られる
公訴が提起された後は、告発を取り消すことはできません(96条4項)。被害者の意思で第一審判決前まで取り下げられる親告罪の告訴とは、ここが根本的に違います。業界裏話ヒント:止められる地点は公訴提起の前だけ。実務上、課徴金減免の1番手として告発を回避するルートが、事実上唯一の出口になる。だから「バレてから考える」では遅く、初動の数時間が運命を分ける
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 96条:専属告発(刑事手続の訴訟条件) | — |
| 誰・何に向くか | 刑事化の可否を公取委の告発に係らせる手続の入口 | — |
| 引き返せるか | 公訴提起後は告発取消不可(4項)、引き返しは提起前のみ | — |
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