要点独占禁止法 95 条は両罰規定を定め、従業者がカルテル等の違反をしたとき、行為者に加え法人にも最大 5 億円以下の罰金を科す。法人でない団体も対象となる。
Q · 社員が勝手にやったカルテルで、会社も罰金を払うの?
科される可能性が高い。両罰規定で法人も最大 5 億円の罰金対象。
独占禁止法 95 条の両罰規定により、従業者がカルテル等(89 条)の違反をした場合、行為者個人を罰するほか、その法人にも最大 5 億円以下の罰金刑が科されます。最高裁は法人の選任監督上の過失を推定しており、会社が「違反防止のため相当の注意を尽くした」ことを立証しない限り免責されません。しかもこの刑事罰金は、行政上の課徴金や社員個人の懲役とは別枠で同時に走ります。法人でない事業者団体も 95 条 2 項で対象になります。
談合やカルテルで実際に手を動かしたのは、営業部の課長一人だったとする。なのに起訴されるのは課長個人だけではない。会社そのものが被告人席に座り、最大5億円の罰金を科される。これが独占禁止法95条、両罰規定の正体だ。さらに見落とされがちなのは、最高裁がこの条文を「法人自身の選任監督上の過失(社員をきちんと選び監督する責任を怠ったこと)が推定されている」と読み込んだ点。つまり会社が罰金を免れるには、違反を防ぐため相当の注意を尽くしたことを会社側が立証しなければならない。立証できなければ、現場が勝手にやったという言い分は通らない。しかも刑事罰金とは別に、行政上の課徴金、社員個人の懲役が同時に走る。一つの談合で、会社は三方向から殴られる構造になっている。
独占禁止法 95 条は両罰規定を定める規定であり、法人の代表者・代理人・使用人その他の従業者が業務・財産に関して 89 条・90 条・94 条等の違反行為をした場合、実行行為者を罰するほか、その法人または人に対しても各号所定の罰金刑を科す。法人でない団体も、その代表者・管理人等の違反について同様に処罰の対象となる。
違反行為をした従業者(行為者)を罰するだけでなく、その事業主である法人や団体にも罰金刑を科す規定です。独占禁止法 95 条が代表例で、行為者と法人の二方向を同時に処罰します。
違反類型により異なります。89 条(カルテル・私的独占等)は最大 5 億円、90 条 3 号は 3 億円、94 条は 2 億円以下の罰金刑を法人に科します。
法人には 95 条 1 項により最大 5 億円以下の罰金刑が科されます。これは行為者個人への罰金とは別枠で、行政上の課徴金ともさらに別に課されます。
違反企業が自主的に公正取引委員会へ申告すると課徴金が減免される制度です。申告順位が早いほど減免幅が大きく、一番乗りは全額免除と刑事告発回避の可能性があります。
95 条は 89 条違反について時効期間は同条の罪の時効によると定めます。89 条は懲役刑を含むため公訴時効は原則 5 年です(刑訴 250 条、最新状況を要確認)。起算点は行為終了時です。
従業者を適切に選び監督する事業主の注意義務を怠ることです。最高裁は両罰規定でこの過失を推定し、会社が無過失を立証しない限り罰金を免れないとしています。
違反防止のため相当の注意を尽くしたこと(選任監督上の無過失)を会社側が立証する必要があります。平時の研修記録・誓約書・内部監査の実績が立証材料になります。
課徴金は公正取引委員会が課す行政上の金銭負担、罰金は裁判所が科す刑事罰です。制度が別のため一つの談合で両方が課され、二重処罰にはあたらないと解されています。
払う可能性が高いです。95条は社員の処罰とは別に法人を罰する両罰規定で、最高裁は法人に選任監督上の過失が推定されると判断しています(最大判昭和32.11.27)。会社が「相当の注意を尽くした」と立証できなければ、罰金を免れません。業界裏話ヒント:この立証のカギは事件後ではなく平時のコンプライアンス体制。研修記録・誓約書・内部通報の運用実績が「過失なし」の証拠になる。事件が起きてから整えても、裁判所はその場しのぎと見抜く
されません。課徴金は行政上の措置、95条の罰金は刑事罰で、別の制度です。一つの談合で両方が課されます(二重処罰の調整として課徴金額から罰金相当額の一部が控除される規定はあります、独禁法7条の7等)。業界裏話ヒント:多くの経営者は課徴金だけ想定して資金を用意するが、刑事罰金・株主代表訴訟・取引先からの損害賠償まで含めると総額は課徴金の数倍になりうる。最初から多方面の出血を見積もる会社だけが生き残る
関係あります。95条2項は法人でない団体も明文で罰金刑の対象とし、代表者・管理人が訴訟行為で団体を代表します(同条5項)。団体が会員に価格や数量を指示する行為は8条違反となり、団体自身が罰せられます。業界裏話ヒント:事業者団体の「自主基準」「ガイドライン」が、実質的に価格や生産量を縛る内容だと独禁法違反になる。事務局が良かれと思って配った一枚の通知が、団体を被告人にする入口だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 根拠条文と対象違反 | 95 条 1 項 1 号:89 条(カルテル・私的独占等) | — |
| 法人への罰金上限 | 5 億円以下 | — |
| 法人でない団体 | 95 条 2 項で同額(5 億円)対象 | — |
| 免責の可否 | 選任監督上の無過失を法人が立証すれば免責余地 | — |
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