排除措置命令に違反したものは、五十万円以下の過料に処する。
要点独占禁止法第 97 条は、排除措置命令に違反した者を五十万円以下の過料に処すと定める。ただし刑を科すべき悪質な違反は、過料ではなく刑事罰の対象となる。
Q · 排除措置命令を無視したら、過料 50万円で済むんですか?
軽微なら過料、悪質なら刑事罰に切り替わります
独占禁止法 97 条により、排除措置命令に違反した者は五十万円以下の過料に処されます。ただし条文後半の「刑を科すべきとき」に該当する悪質な違反は、この過料ルートを外れ、第 90 条の刑事罰(拘禁刑または罰金)へ移ります。さらに両罰規定(第 95 条)により法人本体と行為者個人の双方が処罰されます。50万円は軽微な違反の出口であって、制裁の天井ではありません。
公正取引委員会から排除措置命令が届いた。法務担当のあなたは条文をたどり、第97条で「五十万円以下の過料」という数字を見つけて、少し胸をなで下ろすかもしれない。たった 50万円、命令を無視しても痛くない、と。だが同じ条文の後半、「ただし、その行為につき刑を科するべきときは、この限りでない」という一文が、その油断を裏切る。過料は前科のつかない行政上の秩序罰、いわば軽い反則金だ。しかし命令違反が悪質なら、この 50万円ルートではなく刑事罰のルート(独占禁止法第90条、拘禁刑または罰金、しかも両罰規定で会社本体にも科される)へ切り替わる。50万円という小さな数字は、軽い違反のための出口であって、重い違反の天井ではない。命令を「払えば済む」と読んだ会社ほど、刑事告発という本当の刃を見落とす。
独占禁止法第 97 条は、公正取引委員会が発する排除措置命令に違反した者に対する制裁を定める規定である。制裁は五十万円以下の過料を原則とするが、その行為につき刑を科すべき場合には過料を科さず、刑事罰の規定に委ねる二段構えの構造を採る。
公正取引委員会が独占禁止法違反の状態をやめさせるために発する行政命令です。私的独占・不当な取引制限・不公正な取引方法などに対し、違反行為の排除を命じます(独禁法 7 条・20 条)。
過料を実際に科すのは公正取引委員会ではなく裁判所です。非訟事件手続法に基づく決定で科されます。委員会と交渉しても過料の裁判は止められないため、相手を間違えないことが重要です。
五十万円以下の過料に処されます(独禁法 97 条)。ただし悪質と判断されれば過料では済まず、第 90 条の刑事罰へ移り、両罰規定で法人と行為者の双方が起訴される可能性があります。
第 97 条の排除措置命令違反に対する過料は五十万円以下です。前科のつかない行政上の秩序罰であり、前科のつく罰金(刑事罰)とは法的性質が異なります。
過料自体に消費者向けのような明確な時効規定はありません。違反は命令の履行期限を過ぎた時点で成立し、そこが起算点となります。刑事ルートに乗った場合は刑事訴訟法の公訴時効が適用されます。
期限を一日でも過ぎれば「命令に違反した」状態となり、過料や刑事罰の起算点になります。取消訴訟を起こしても命令の効力は止まらないため、争う場合も期限内の履行が定石です。
違反行為をした従業員個人だけでなく、その所属する法人にも罰を科す規定です(独禁法 95 条)。命令違反が刑事ルートに乗った場合、会社本体と担当者個人の双方が処罰対象になります。
違います。課徴金はカルテル等の違反行為に対し不当利得を吸い上げる金銭賦課で公正取引委員会が命じます。過料は命令違反に対する秩序罰で裁判所が科します。根拠も手続も別制度です。
過料は前科のつかない行政上の秩序罰、罰金は前科のつく刑事罰です。第97条の過料は軽い反則金に近く、悪質な命令違反はただし書きで刑事ルート(第90条)に流れます。業界裏話ヒント:過料なら役員の欠格事由にはならないが、刑事罰に転じた瞬間、役員個人が前科を負い、会社法上の地位・登記・許認可・取引先の信用に波及する。この線引きを意識して初動を組むかどうかで、結末が変わる
取消訴訟は起こせますが、訴えても命令の効力は止まりません(行政事件訴訟法 25条、執行不停止の原則)。守らなければ第97条の過料、悪質なら第90条の刑事罰の対象です。業界裏話ヒント:実務の定石は『従いながら争う』。別途『執行停止』の申立ても可能だが認容のハードルは高く、認められないまま違反を続けると、争っている最中の不履行が過料・刑事の証拠になる
違います。50万円は軽微な違反のための出口で、悪質な命令違反はただし書きにより第90条の刑事罰へ移り、両罰規定(第95条)で法人と行為者の双方が処罰されます。業界裏話ヒント:過料・刑事罰のほかに、官公庁取引の指名停止や株主代表訴訟という桁違いのコストが連鎖する。50万円という数字だけ見て『安い』と判断するのが、いちばん高くつく読み方だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制裁の法的性質 | 第 97 条:過料(前科のつかない行政上の秩序罰) | — |
| 科す主体・手続 | 裁判所が非訟事件手続で決定 | — |
| 適用の分岐点 | 刑を科すべきでない軽微な命令違反 | — |
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