第七十条の四第一項の規定による裁判に違反したものは、三十万円以下の過料に処する。
要点独占禁止法98条は、裁判所の緊急停止命令に違反した者に30万円以下の過料を科す。過料は秩序罰で前科は付かないが、違反の事実は後の課徴金審査で不利に働く。
Q · 公正取引委員会の緊急停止命令を破ったら、いくら払うことになるの?
30万円以下の過料。ただし本当の代償は課徴金側にある
独占禁止法98条により、緊急停止命令(70条の4第1項)に違反した者は30万円以下の過料に処せられます。過料は秩序罰で前科は付きません。しかし金額の安さに惑わされるのは危険です。命令違反という事実は、後続の排除措置命令や課徴金(7条の2、売上高の数%で時に数十億円)の審査において「改善の意思なし」と評価され、課徴金減算の道を自ら閉ざす結果を招きます。本当の請求書は過料ではなく課徴金の窓口から届きます。
公正取引委員会があなたの会社を「競争を歪めている疑いがある」と見て、しかも放置すれば取り返しがつかないと判断したとき、委員会は東京地方裁判所に駆け込める。裁判所は最終判断が確定する前でも「その行為を今すぐ止めろ」と命じることができる。これが緊急停止命令(70条の4第1項)だ。98条は、その命令を破った者に過料30万円を科す。30万円。多くの経営者はこの金額を見て「安い」と思う。そこが落とし穴だ。緊急停止命令を無視するという行為そのものが、その後の排除措置命令や課徴金(売上高の数%、時に数十億円)の審査で心証を決定的に悪くする。過料は罰金ではないので前科はつかないが、裁判所命令への違反という記録は消えず、本当の請求書は別の窓口から届く。
独占禁止法98条は、公正取引委員会の申立てにより東京地方裁判所が発する緊急停止命令(70条の4第1項)に違反した者に対し、30万円以下の過料を科す秩序罰規定である。刑事罰である罰金とは異なり前科を伴わないが、暫定的な停止命令の実効性を担保する機能を持つ。
公正取引委員会の申立てにより、本案の結論が出る前に裁判所が独禁法違反の疑いのある行為を止めさせる暫定措置です(70条の4第1項)。回復不能な損害を防ぐための非常ブレーキです。
緊急停止命令に違反した場合、98条により30万円以下の過料です。ただし違反行為そのものに対する課徴金(7条の2)は売上高の数%と桁が異なります。
過料は命令違反への秩序罰で最大30万円。課徴金はカルテル・私的独占などの実体違反に対し売上高の数%を国庫に納付させる行政上の措置で、金額が桁違いに大きくなります。
誰でも独禁法違反の疑いを公取委に申告できます(45条)。書面やウェブ受付があり、被害の緊急性を具体的な数字で示すと委員会が動きやすくなります。
不当廉売や取引拒絶などで競争秩序が回復不能になる急迫した危険があるときに、公取委が東京地裁に申し立てて出されます。歴史上、発令例は極めて稀です。
正当な理由なく供給に要する費用を著しく下回る価格で継続販売し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある場合、不公正な取引方法として19条違反となり得ます。
独禁法違反行為をやめさせ、再発防止措置を命じる公取委の終局処分です(7条)。緊急停止命令が暫定措置であるのに対し、こちらが本案の結論にあたります。
実体違反には課徴金(7条の2)、悪質な場合は刑事罰(89条以下)、命令違反には過料(98条)と、行政・刑事・秩序罰が段階的に用意されています。
過料は秩序罰で、刑罰である罰金とは別物です。前科はつかず、刑事手続も経ません。非訟事件手続法に基づき裁判所が科します。業界裏話ヒント:過料30万円だけ見ると軽いですが、緊急停止命令を無視したという事実は、後続の課徴金(独禁法7条の2、売上高の数%)の審査で「改善の意思なし」と評価され、減算の道を自ら閉ざすことになる。本当のコストは過料ではなく課徴金側にある
極めて稀です。歴史上、緊急停止命令(70条の4第1項)が出された例は数えるほどしかありません。公正取引委員会が乱用を避け、本当に緊急性が高い事案に限って申し立てるからです。業界裏話ヒント:稀であることを「出ないだろう」と読むのは危険。委員会は勝算のある事案しか持ち込まないため、いざ申し立てられると裁判所が認める可能性は相応に高い。申立ての通知が来た時点で、抵抗より迅速な防御態勢の構築が現実的な選択になる
命令に従い違反行為を止めれば、98条の過料の対象にはなりません。過料は命令「違反」に対する制裁だからです。業界裏話ヒント:ただし緊急停止命令はあくまで暫定措置で、本案(排除措置命令等)の判断は別に進みます。命令に従っても「争いを認めた」ことにはならない。従いつつ本案で違反の有無を全面的に争えるのが、この制度の正しい使い方です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる行為 | 98条 過料:緊急停止命令(70条の4)への違反 | — |
| 制裁の性質 | 秩序罰(過料)、前科なし | — |
| 金額・重さ | 30万円以下 | — |
| 手続 | 非訟事件手続法に基づき裁判所が科す | — |
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