この章の規定に基づいて公正取引委員会又は委員会職員がする処分及び行政指導については、行政手続法第二章から第四章までの規定は、適用しない。
要点独占禁止法 117 条は、犯則調査に基づく公正取引委員会の処分と行政指導に行政手続法第 2 章から第 4 章を適用しないと定める。事前の弁明の機会は外れ、代わりに令状主義が働く。
Q · 公取が令状を持って会社に来たとき、行政手続法の聴聞を求められますか?
求められません。犯則調査には行政手続法が適用されません。
独占禁止法 117 条により、犯則事件の調査でなされる処分・行政指導には行政手続法第 2 章から第 4 章が適用されません。したがって事前の弁明や聴聞の機会は保障されず、「行政手続法違反だ」という抗弁は通りません。犯則調査は裁判官の令状に基づく強制調査で、憲法 35 条の令状主義や刑事訴訟に準じた取扱いが代わりに働きます。対応を誤ると社員の供述が刑事証拠になり得るため、令状の範囲確認と刑事に強い弁護士への相談が要点です。
公正取引委員会と聞いて、書類のやり取りや事情聴取を思い浮かべる人は多い。だが第12章「犯則事件の調査」の世界は別物だ。裁判官の令状を握った委員会職員が、カルテルや談合の疑いで会社のオフィスに踏み込み、パソコンや帳簿を差し押さえる。税務署の査察(マルサ)とほぼ同じ強制調査である。第117条が定めるのは、この犯則調査でなされる処分と行政指導には、行政手続法の第2章から第4章(申請への処分、不利益処分の聴聞・弁明、行政指導の一般ルール)が一切適用されないという点だ。つまり、通常の行政手続なら当然に保障される「事前の弁明の機会」が、ここでは外される。代わりに効くのは憲法35条の令状主義であり、犯則調査は刑事手続に近い別系統のルールで動く。あなたの会社に委員会職員が令状を持って現れたとき、「行政手続法違反だ」という抗弁は通用しない。戦う土俵が、最初から違う。
独占禁止法 117 条は、犯則事件の調査に関する第 12 章の規定に基づき公正取引委員会またはその職員が行う処分および行政指導について、行政手続法第 2 章から第 4 章までの適用を除外する規定である。通常の行政処分で保障される事前手続に代え、令状主義を基礎とする刑事手続型の規律を妥当させる切替点として機能する。
独占禁止法違反などの犯則事件について、裁判官の令状に基づき臨検・捜索・差押えを行う強制調査です。刑事告発を視野に入れ、税務署の査察に近い性質を持ちます。
必要です。犯則調査の臨検・捜索・差押えは裁判官の許可状に基づく強制処分であり、憲法 35 条の令状主義が働きます。令状の有無が行政調査との分かれ目です。
117 条が第 2 章から第 4 章を除外するためです。事前の弁明機会を与えると証拠隠滅の恐れがあり、代わりに令状主義と刑事訴訟に準じた保障が働く設計だからです。
独占禁止法違反の罪は公正取引委員会の専属告発が原則で、検察官の起訴は委員会の告発を前提とします。被害者が直接刑事訴追することはできません。
調査開始後でも申請順位次第で課徴金減免が残る場合があります。ただし犯則へ切り替わる前の通常調査段階のほうが、刑事告発の回避まで射程に入りやすいです。
まず令状の対象範囲(被疑事実・差押物件)を確認しコピーを取り、刑事と独禁の双方に強い弁護士を即座に呼びます。この瞬間の初動が刑事事件の防御線を決めます。
不当な取引制限等の罪は法定刑に対応して公訴時効が定まり、起算点は犯罪行為の終了時です。最新の法定刑・改正状況により変動するため個別確認が必要です。
職員が示すのが令状か身分証だけかで見分けます。令状に基づく犯則調査は 117 条で行政手続法が外れ、通常の立入検査(行政調査)とは土俵が異なります。
調査には二種類あります。通常の行政調査(立入検査)を正当な理由なく拒むと検査妨害として罰則の対象になり、一方、犯則調査は裁判官の令状に基づく強制調査なので、そもそも拒否という選択肢がありません。業界裏話ヒント:現場で職員が示すのが『令状』か『身分証だけ』かで、行政調査か犯則調査かを瞬時に見分けられる。令状があれば刑事直結、ここでの初動ミスは取り返しがつかない
目的とルールが根本的に違います。通常の行政調査は排除措置命令や課徴金など行政処分のための調査で行政手続法の枠内、犯則調査は刑事告発を視野に入れた調査で令状による強制力を持ち、第117条で行政手続法が外されます。業界裏話ヒント:犯則調査に切り替わったということは、委員会が刑事事件として本気で立件しにきているサイン。この段階で『行政処分で穏便に』という発想は捨て、刑事弁護のモードに切り替えるのが定石
犯則調査で得た資料を行政処分(排除措置命令・課徴金)の手続にどこまで流用できるかは、手続の性質が異なるため慎重な扱いが求められる点で、実務上、解釈や運用が議論される領域です。業界裏話ヒント:犯則調査と行政調査は建前上は別系統だが、動かしているのは同じ委員会。両方のリスクを同時に見据えた防御戦略を組まないと、片方で口にしたことがもう片方で効いてくる
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|---|---|---|
| 調査の目的 | 犯則調査(117 条で行手法除外):刑事告発を視野に入れた証拠収集 | — |
| 強制力の根拠 | 裁判官の令状(憲法 35 条の令状主義) | — |
| 行政手続法の適用 | 第 2 章から第 4 章を適用しない(117 条) | — |
| 手続保障のかたち | 令状主義・刑事訴訟に準じた取扱い | — |
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