要点独占禁止法 116 条は、公正取引委員会が犯則調査で告発した場合、差押物件等を目録とともに検察官へ引き継ぐと定める。引継後の物件は刑事訴訟法上の押収物とみなされる。
Q · 公取委が令状を持って集めた証拠は、その後どうなるの?
検察官へ引き継がれ、刑事事件の押収物になります
独占禁止法 116 条により、公正取引委員会は犯則調査の結果に基づいて検察官へ告発した場合、領置物件・差押物件・記録命令付差押物件を、それぞれの目録とともに引き継がなければなりません。そして引き継がれた瞬間、これらの物件は刑事訴訟法の規定によって押収されたものとみなされます(3 項)。つまり行政調査のつもりで委員会に渡っていた資料が、役員個人を起訴するための刑事証拠へと姿を変えます。この引継ぎの前に課徴金減免の申請順位を取れるかどうかが、課徴金で済むか刑事告発に至るかを分けます。
あなたの会社にある朝、公正取引委員会が踏み込んでくる。多くの経営者は「課徴金の調査だろう」と高をくくる。だが、その立入りが裁判官の令状に基づくものだったら意味が違う。それは「犯則調査」、つまり刑事事件としての証拠集めだ。独占禁止法には行政ルート(課徴金、排除措置命令)と刑事ルート(役員個人への拘禁刑)の二本があり、令状が出た時点で後者が動いている。第116条は、その刑事ルートの引継ぎを定める条文だ。委員会が差し押さえた書類やサーバーのデータを検察官に引き継ぎ、引き継がれた瞬間、それらは刑事訴訟法上の押収物とみなされる(3項)。つまり、行政の調査だと思って見ていた資料が、あなたの役員を起訴するための刑事証拠へと姿を変える。この引継ぎが起きる前に動けるかどうかが、課徴金で幕を引けるか、社長が被告人席に座るかを分ける。
独占禁止法 116 条は、公正取引委員会が犯則調査を経て告発した際の証拠引継ぎを定める手続規定である。領置物件・差押物件・記録命令付差押物件を目録とともに検察官へ引き継ぐ手続を規律し、引継後の物件を刑事訴訟法上の押収物とみなすことで、行政的な犯則調査で収集された証拠を刑事手続へ接続する役割を担う。
AI 輔助整理,以條文原文為準
犯則調査は、公正取引委員会が裁判官の令状に基づいて行う臨検・捜索・差押えで、刑事告発を視野に入れた強制調査です。任意の行政調査とは権利関係が全く異なります。
私的独占・不当な取引制限などには 5 年以下の拘禁刑または 500 万円以下の罰金が科され得ます(89 条)。法人には別途重い罰金を科す両罰規定もあります。
独占禁止法違反の罪は、公正取引委員会が告発しなければ検察官が起訴できない仕組みです(96 条)。起訴の鍵を握るのは検察ではなく委員会です。
課徴金減免(リニエンシー)は調査開始日を基準に申請順位が決まります。立入り前の自主申告ほど有利で、順位次第で刑事告発の回避につながることもあります。
悪質・重大で国民生活への影響が大きい談合・カルテル事案について、公正取引委員会が犯則調査を経て告発した場合に、役員個人が刑事責任を問われ得ます。
領置物件は任意に提出された物を、差押物件は令状に基づき強制的に取得した物を指します。116 条はいずれも目録とともに検察官へ引き継ぐ対象とします。
見分ける鍵は裁判官の令状の有無です。令状付きなら犯則調査(刑事)、令状なしなら行政調査です。令状が出た時点で刑事ルートが動いています。
刑事罰の公訴時効は法定刑に応じ刑事訴訟法 250 条によります。5 年以下の拘禁刑の罪は原則 5 年です。課徴金には別の除斥期間があります。
二種類あります。行政調査(45条等)は令状なしで、拒否すると過料や刑事罰の対象になりますが物理的な強制力は限定的です。一方、犯則調査は裁判官の令状に基づく差押え・捜索で、拒否できません。見分け方は令状の有無です。業界裏話ヒント:令状付きの立入りが来た時点で、委員会は刑事告発を視野に入れています。「いつもの調査」と同じ対応をすると、その場の言動や提出物が116条で検察に渡る刑事証拠になる。最初の一手を間違えないことが決定的です
別物です。課徴金は行政上の措置、刑事罰は別ルートで、悪質・重大な事案では両方科されます。ただし運用上、刑事告発は国民生活への影響が大きい悪質重大な事案に絞られています。業界裏話ヒント:課徴金減免制度で一番乗りに自主申告した会社は、課徴金が全額免除されるだけでなく刑事告発も事実上見送られる運用です。116条で証拠が検察に渡る前に申告順位を取れるかどうかが、課徴金で済むか社長が起訴されるかの分かれ目になります(最新の運用をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 116 条:告発後の物件を検察官へ引き継ぐ | — |
| 作動するタイミング | 告発した後、押収物件があるとき | — |
| 法的効果 | 引継後の物件を刑事訴訟法上の押収物とみなす(3 項) | — |
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