要点独占禁止法15条の2は、共同新設分割・吸収分割でも国内売上高合計額が政令基準を超える場合、あらかじめ公正取引委員会への届出を義務づけ、届出後は一定期間、分割の実行を禁止する。
Q · 合併じゃなくて会社分割にすれば、独禁法の届出は避けられるの?
避けられない。規模が基準を超えれば事前届出が必要
独占禁止法15条の2により、共同新設分割も吸収分割も、一定の取引分野の競争を実質的に制限することとなる場合や不公正な取引方法による場合は禁止されます。さらに当事会社の国内売上高合計額が政令基準(おおむね200億円・50億円等の組み合わせ)を超えれば、実行前に公正取引委員会へ計画を届け出る義務が生じ、届出後は一定期間、分割を実行できません。合併を避けて分割にしても、この届出の網からは逃げられません。ただし当事会社がすべて同一の企業結合集団に属するグループ内再編なら届出は不要です。
事業統合のスキームを設計していて、合併ではなく会社分割を選べば独占禁止法の届出からは解放される、と高を括っていないだろうか。15条の2はその抜け道を正面から塞ぐ。会社が他社と共同で新会社を設立して事業を移す「共同新設分割」も、既存の他社へ事業を承継させる「吸収分割」も、それによって一定の取引分野の競争を実質的に制限することになるなら、そもそも禁止される。さらに当事会社の国内売上高合計額が政令の基準(おおむね二百億円と五十億円、承継対象部分なら百億円や三十億円の組み合わせ)を超えれば、実行前にあらかじめ公正取引委員会へ計画を届け出る義務が生じ、届出後は一定期間、分割を実行できない。あなたが何か月もかけて組んだディールの最後に立っているのは、契約調印ではなく、この規制の関所だ。ただし当事会社がすべて同一の企業結合集団に属する純粋なグループ内再編であれば、この届出は不要になる。
独占禁止法15条の2は、会社分割に対する企業結合規制を定める規定である。共同新設分割・吸収分割のうち一定の取引分野の競争を実質的に制限することとなるもの等を実体的に禁止し、当事会社の国内売上高合計額が政令基準を超える場合には、公正取引委員会への事前届出を義務づける。合併規制(15条)・株式取得規制(10条)と並ぶ企業結合規制の一類型として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
国内売上高合計額が政令基準を超える共同新設分割・吸収分割は、独禁法15条の2により事前届出が必要です。合併を避けて分割にしても届出義務は消えません。
どちらも200億円・50億円・100億円・30億円などの組み合わせで判定しますが、承継する事業が全部か重要部分かで対象となる売上高のとり方が変わります。
分割する側だけでなく、吸収分割で事業を承継する側にも届出義務が生じ得ます。当事会社の国内売上高が基準を超えれば承継会社も対象です。
当事会社がすべて同一の企業結合集団に属する場合は、2項・3項ただし書により届出は不要です。純粋なグループ内再編は対象外になります。
10条8項の準用により、届出受理後は原則30日間は実行が禁止されます。単純案件は短縮でき、第二次審査に移行すると期間は延長されます。
届出義務違反や実行禁止期間中の分割実行には過料の制裁があり、競争制限的な分割には排除措置命令(17条の2)が出される余地があります。
判定は会社単体ではなく最終親会社を頂点とする企業結合集団全体の国内売上高で行うため、大手グループ傘下なら基準を超えることがあります。
正式届出の前に公正取引委員会への事前相談を活用でき、競争上の論点を先に整理して本審査を軽くすることができます。
避けられません。15条の2は共同新設分割も吸収分割も明確に届出対象としていて、国内売上高合計額が政令基準を超えれば合併(15条)と同じく事前届出が必要です。業界裏話ヒント:分割を選んでも回避にはならず、むしろ分割特有の「承継対象部分の国内売上高」で判定されるため、合併基準とは数字のとり方がずれます。スキーム選択で届出を消そうとする設計は、規模基準を満たす限り通用しません
原則30日間は実行が禁止されます(第10条8項準用)。単純な案件なら短縮を申請でき、待たずに実行できることもあります。業界裏話ヒント:逆に競争上の懸念がある案件は第二次審査に移行し、追加資料の提出要請から判断まで数か月単位で延びます。届出は出せば終わりではなく、いつ実行できるかが日程の本当の変数です
判定は会社単体の売上ではなく、最終親会社を頂点とする企業結合集団全体の国内売上高合計額で行います(2項・3項)。業界裏話ヒント:中小企業でも大手グループの傘下なら、グループを合算した瞬間に基準を超えて届出義務が生じます。逆に当事会社がすべて同一の企業結合集団なら、規模が大きくてもただし書で届出不要。グループの線引きが要否を分けます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規制対象の企業結合類型 | 15条の2:共同新設分割・吸収分割 | — |
| 実体的な禁止要件 | 一定の取引分野の競争を実質的に制限 / 不公正な取引方法による分割 | — |
| 届出基準 | 承継が全部か重要部分かで国内売上高のとり方が変わる(200億・50億・100億・30億の組み合わせ) | — |
| グループ内再編の扱い | 同一企業結合集団内なら2項・3項ただし書で届出不要 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。
以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。