要点独占禁止法15条の3は、共同株式移転が競争を実質的に制限する場合等を禁じ、国内売上高合計が一定規模を超える統合に公正取引委員会への事前届出を義務づける。
Q · 他社と持株会社を作って経営統合するとき、勝手に進めていいの?
規模が基準を超えれば公取委への事前届出と待機が必須
独占禁止法15条の3により、共同株式移転で競争を実質的に制限する場合や不公正な取引方法による場合は禁止されます。さらに、一方の会社に係る国内売上高合計額が200億円を超え、他方が50億円を超えるとき(金額は政令で規定)は、あらかじめ公正取引委員会に計画を届け出る義務があります。届出後は待機期間が走り、公取委が問題ありと判断すれば統合そのものが止まります。取締役会の決議だけで実行できるものではありません。
テレビのニュースで「両社は持株会社を設立して経営統合する」と聞いたことがあるはずだ。あの『共同株式移転』こそ、第15条の3が規律する対象だ。二つの会社が共同で新しい持株会社を作り、自分たちはその完全子会社になる。日本の大型経営統合の定番の形である。だがこの条文は二つの顔を持つ。一つは『市場の競争を実質的に制限する統合』と『不公正な取引方法による統合』を正面から禁止する顔。もう一つは、一方の会社の国内売上高合計が二百億円を超え、他方が五十億円を超えるなら、実行前に公正取引委員会へ計画を届け出る義務を課す顔だ(金額は政令で定まる、最新の改正状況をご確認ください)。届出をすると一定期間は統合を実行できない。この待機期間に公取委が問題ありと判断すれば、統合そのものが止まる。経営統合は取締役会が決めれば自由にできるものではない。国家の審査を通過した統合だけが、現実になる。
共同株式移転とは、会社が他の会社と共同して新たに持株会社を設立し、自らはその完全子会社となる企業結合の形態をいう。独占禁止法15条の3は、これが競争を実質的に制限し又は不公正な取引方法による場合を禁止し、一定規模を超える場合に公正取引委員会への事前届出を義務づける。
AI 輔助整理,以條文原文為準
二社が共同で新たな持株会社を設立し、自らはその完全子会社になる経営統合の形態です。両社の法人格を残したまま統合できる点が特徴で、独占禁止法15条の3が規律します。
共同株式移転を実行する前にあらかじめ届け出ます(事前届出)。届出後は待機期間が経過するまで統合を実行できず、これを怠ると排除措置命令や罰則の対象になります。
いずれか一社の国内売上高合計額が200億円を超え、他のいずれか一社が50億円を超える場合です。具体的金額は政令で定まるため、最新の改正状況を確認する必要があります。
会社単体ではなく、資本でつながった企業結合集団(グループ全体)の国内売上高を合算して判定します。中堅企業でもグループ合算で基準を超えれば対象です。
不要です。共同株式移転をしようとするすべての会社が同一の企業結合集団に属する場合は届出義務が免除されます(15条の3第2項ただし書)。純粋なグループ内再編なら届出は不要です。
第10条8項以下の準用により原則30日間の待機期間が走ります。公取委はこれを短縮でき、逆に詳細審査に入れば数か月に延びることもあります。金額・期間は政令等で確認が必要です。
統合が競争を制限すると判断されれば排除措置命令(17条の2の準用)の対象となり、届出義務違反自体にも罰則のリスクがあります。発表後に統合が差し戻される最悪のシナリオもあり得ます。
公取委の審査期間中に、価格上昇・選択肢の減少・参入障壁など競争上の弊害を具体的根拠とともに意見・情報として提出できます。統合後の弊害には45条の申告という道も残ります。
違います。合併は二社が一つの法人に溶け合う形で第15条が規律し、共同株式移転は両社が存続したまま共通の持株会社の子会社になる形で第15条の3が規律します。届出基準の考え方は似ていますが、対象とする行為が別です。業界裏話ヒント:実務で経営統合に共同株式移転が好まれるのは、両社のブランド・法人格・許認可をそのまま残せるから。合併だと許認可の取り直しが必要になることが多く、その手間を避ける設計判断が背後にある
あり得ます。届出基準は会社単体ではなく、その会社が属する企業結合集団(資本でつながったグループ全体)の国内売上高合計で判定するからです(第15条の3第2項)。複数の会社を抱え合算が基準を超えれば、中堅でも対象です。業界裏話ヒント:逆に、統合する全社が同一の企業結合集団に属する場合は届出不要(同項ただし書)。純粋なグループ内再編なら届出はいらない。この『グループ内か否か』の線引きを誤ると、不要な届出や逆に届出漏れが起きる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する行為 | 15条の3:共同株式移転(共同で持株会社を新設) | — |
| 法人格の帰趨 | 両社とも存続し持株会社の完全子会社になる | — |
| 禁止の要件 | 競争の実質的制限 又は 不公正な取引方法 | — |
| 届出手続 | 国内売上高合計が基準超で事前届出(10条準用) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。
以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。