要点独占禁止法第20条の4は、不当廉売を反復した事業者に売上額の3%の課徴金を課す規定。初犯は課されず、10年以内に同種命令を受けた常習者のみが対象となる。
Q · 原価割れの安売りをすると、いくら課徴金を取られるの?
初犯はゼロ、反復すると売上の3%が課される
独占禁止法第20条の4により、不当廉売(第2条第9項第3号)を反復した事業者には、違反行為期間中の対象商品売上額の3%が課徴金として課されます。ただし初めての違反なら課徴金は課されず、排除措置命令にとどまります。課徴金の対象は、調査開始日から遡り10年以内に同種命令を受けた常習者、または完全子会社が命令を受けた親会社に限られます。課徴金額が百万円未満の場合も命じられません。
ライバル店を潰すために原価割れの安値で売り続ける。独占禁止法はこれを不当廉売(第2条第9項第3号)として禁じている。だが多くの経営者が見落としているのは、初めて摘発されても課徴金(公正取引委員会が国庫に納めさせる金銭、刑事罰とは別物)は一円も課されないという点だ。第20条の4が課徴金を命じるのは、調査開始日から遡って10年以内に同じ不当廉売で命令を受けたことがある常習者だけ。つまり一回目は排除措置命令(やめて再発防止策を取れという行政命令)で済むが、二回目から違反期間中の対象商品の売上額の3%が国に持っていかれる。さらに恐ろしいのは、あなた自身に前歴がなくても、完全子会社が10年以内に命令を受けていれば、あなたが常習者扱いされる点だ。グループ全体の過去が、あなたの財布に跳ね返る。
独占禁止法第20条の4は、不公正な取引方法のうち不当廉売(第2条第9項第3号)を反復した事業者に対する課徴金を定める規定である。調査開始日から遡り10年以内に同種の排除措置命令等を受けた常習者、またはその完全子会社が命令を受けた親会社を対象とし、違反行為期間中の対象商品の売上額に100分の3を乗じた額の納付を命じる。
正当な理由なく、供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して商品を供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある行為です(第2条第9項第3号)。
違反行為期間中の対象商品の売上額の3%です。ただし課徴金額が百万円未満の場合は命じられません。
かかりません。初犯は排除措置命令にとどまり、10年以内に同種命令を受けた常習者から課徴金が課されます(第20条の4第1号)。
排除措置命令は違反をやめさせ再発防止を命じる行政処分、課徴金は金銭を国庫に納付させる金銭的制裁です。初犯は前者のみ、反復で後者が加わります。
あります。在庫処分や季節商品の見切り、傷物処分など正当な理由がある廉売は不当廉売に当たりません。ライバル排除を狙う継続的な安値が問題となります。
第20条の4ただし書により納付を命じることができません。違反期間や対象商品売上額が小さいと下限に届かず、命令を免れる場合があります。
公正取引委員会への申告(独禁法第45条)を検討します。相手の販売価格・継続期間・原価の推計資料などを書面で具体的に示すと有効です。
確定した命令から10年を過ぎれば前歴カウントから外れます。調査開始日から遡り10年以内に同種命令があるかで課徴金の有無が分かれます。
問題は、原価を著しく下回る安値を継続し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある場合です(第2条第9項第3号)。単発のセールや在庫処分は正当な理由があり該当しません。狙いがライバル排除にあり、それが続くと違反になります。業界裏話ヒント:公取委が見るのは総販売原価を下回るかどうか。仕入れ値だけでなく人件費・物流費まで含めた原価ラインのどこかで、適法か違法かが分かれる。社内の原価計算の作り方が、そのまま防御資料になる。
金銭は取られませんが、排除措置命令(やめて再発防止策を取れという行政命令)は出ます。そして命令が確定すると、そこから10年間は次にやったら課徴金というカウントが始まります(第20条の4第1号)。業界裏話ヒント:この一回目の命令は公表されます。取引先や金融機関の評価、入札の指名停止に響くことがある。課徴金ゼロでも、レピュテーションのダメージは数字に表れない形で効いてくる。
第20条の4第2号が、完全子会社が10年以内に受けた命令を親会社の前歴として扱うからです。グループ単位での反復違反を捕捉する仕組みです。業界裏話ヒント:買収を検討する企業は、対象会社の競争法コンプライアンス履歴をデューデリで必ず洗う。買った瞬間に相手の前科が自社の課徴金リスクになるため、買収価格を引き下げる交渉材料にもなる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象行為 | 不当廉売(第2条第9項第3号)の反復 | — |
| 課徴金率 | 対象商品売上額の3% | — |
| 初犯の扱い | 課徴金なし(排除措置命令のみ) | — |
| 前歴要件 | 10年以内の同種命令、または完全子会社の前歴 | — |
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