第二条第九項第六号の規定による指定は、告示によつてこれを行う。
要点独占禁止法72条は、不公正な取引方法の指定を告示で行うと定める。公正取引委員会は法改正なしに告示で禁止類型を指定でき、指定は全事業者を直接拘束する。
Q · 独占禁止法の「不公正な取引方法」の一覧って、どこに書いてあるの?
本体は条文でなく告示にあり、72条がその形式を定める
独占禁止法72条は、2条9項6号に基づく不公正な取引方法の指定を「告示」で行うと定めます。つまり抱き合わせ販売や取引妨害などの具体的な禁止類型は、法律本文ではなく公正取引委員会の告示(昭和57年一般指定の15項目、各特殊指定)に書かれています。告示で指定された類型は19条の禁止対象となり、違反すれば20条の排除措置命令の対象です。規模を問わず全事業者を直接拘束するため、中小企業の日常取引も射程に入ります。
「独占禁止法に違反した」と聞くと、分厚い条文のどこかに細かい禁止リストがあると思うだろう。違う。あなたの店の値引き、抱き合わせ販売、取引先への圧力が違法かどうかを決める具体的なリストは、法律の本文ではなく、公正取引委員会が出した一枚の告示に書かれている。第72条はその仕組みの蝶番だ。第2条第9項第6号が「公取委は不公正な取引方法を指定できる」と権限を与え、72条が「その指定は告示で行う」と形を定める。だから現に効いているルールは昭和57年(1982年)の一般指定、15項目の告示。法律だけ読んでいる経営者は、自分を縛る本当のルールブックを見落としている。
独占禁止法72条は、不公正な取引方法の指定の形式を定める規定である。同法2条9項6号が公正取引委員会に付与した指定権限について、その指定を告示という公示形式で行うべきことを規律する。告示で指定された類型は、19条の禁止対象として規模を問わず全事業者を拘束する法的効力を有する。
抱き合わせ販売や取引妨害、優越的地位の濫用など、公正な競争を妨げる取引手法の総称です。独占禁止法19条が禁止し、具体的類型は72条の仕組みで出された告示に定められています。
昭和57年公正取引委員会告示第15号を指し、全業種に共通して適用される不公正な取引方法15項目を列挙した告示です。72条が「告示で行う」と定める指定の中核です。
新しい商法やビジネスモデルは次々生まれるため、国会での法改正を待たず告示という機動的な形で類型を指定し、市場の変化に追随させる趣旨です。72条がその形式を固定します。
現行の一般指定は15項目です。平成21年改正で課徴金対象5類型が法律本文へ格上げされたのに伴い、旧16項目から15項目に整理されました。
一般指定は全業種共通ですが、特殊指定は大規模小売業・新聞業・物流特定荷主など特定業種のみに適用される告示です。いずれも72条の仕組みで出されます。
現在は課徴金対象として法律本文(2条9項5号)に規定されています。ただし関連する取引妨害等は一般指定に残り、下請法など特別法も併存します。
告示は委任の範囲を逸脱すれば違法・無効となり得ます。個別の排除措置命令に対しては審決取消訴訟で、指定の適法性を含めて争う余地があります。
原則かかりません。課徴金が直結するのは法律本文2条9項1号〜5号の類型で、一般指定違反は排除措置命令と社名公表が中心です。信用毀損の打撃は軽視できません。
罰則の有無で侮ると痛い目を見る。告示で指定された不公正な取引方法は2条9項6号に基づき法的拘束力を持ち、19条の禁止に触れる。違反すれば20条の排除措置命令の対象だ。業界裏話ヒント:一般指定の多くは課徴金の対象外(課徴金が直結するのは法律本文2条9項1号〜5号の類型)なので「罰金が来ない=軽い」と誤解されがちだが、命令と社名公表による信用毀損こそ中小企業には致命傷になる。
引っかかる。一般指定は事業者の規模を問わず全員を直接拘束する。抱き合わせ販売や取引妨害は中小でも普通に起こりうる。業界裏話ヒント:中小はむしろ優越的地位の濫用の『被害者』側になることが多い。その場合は45条で公取委に申告でき、申告者の情報は原則保護される。下請けいじめを受けている側こそ、この仕組みを使える。
公正取引委員会の公式サイトに一般指定(昭和57年告示第15号)と各特殊指定の全文が公開されている。72条が「告示で行う」と定める以上、必ず公示されるのが建前だ。業界裏話ヒント:B2B紛争の相談を受けた弁護士の多くは、独禁法の条文より先に一般指定を確認する。具体的な禁止行為の型がそこに並んでいるからで、条文だけ追っても核心にたどり着けない。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 72条:指定を告示で行うという「形式」を定める | — |
| 名宛人・効果 | 公取委の指定行為の方式を規律(公示義務) | — |
| 違反時の帰結 | 直接の制裁規定ではない(仕組みの蝶番) | — |
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