東京地方裁判所がした第八十五条第一号に掲げる訴訟若しくは第八十五条の二に規定する訴訟についての終局判決に対する控訴又は第八十五条第二号に掲げる事件についての決定に対する抗告が提起された東京高等裁判所においては、当該控訴又は抗告に係る事件について、五人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。
要点独占禁止法 87 条は、独禁法事件の控訴審である東京高等裁判所が、通常の 3 人ではなく 5 人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨を、その合議体自身の決定で定めうると定める。
Q · 独禁法の裁判って、東京高裁だと裁判官が 5 人になることがあるって本当?
本当です。合議体自身が決めれば 5 人になります
独占禁止法 87 条により、排除措置命令などの取消訴訟の控訴審(東京高等裁判所)では、通常の 3 人合議に代えて 5 人の裁判官の合議体で審理・裁判をする旨を、その合議体自身が決定できます。5 人合議は事件の重大性や経済分析の複雑さに応じた審理の手厚さを意味し、当事者に申請権はありません。事件が 5 人で組まれれば、裁判所が事案を重大と見たサインといえます。
自社が公正取引委員会から排除措置命令を受けた。カルテルや談合を疑われ、課徴金は数十億円。この命令を不服として争うとき、まず東京地方裁判所に取消訴訟を起こし、その判決に不服なら東京高等裁判所へ控訴する。独占禁止法87条は、その控訴審で東京高裁が通常の3人ではなく5人の裁判官による合議体で審理及び裁判をすると決められると定める。なぜ5人か。独禁法事件は経済分析、市場画定、国際的影響が絡み、一般の民事事件より判断が重い。だから裁判所自身が事件の重大性を見て体制を厚くできる。注目すべきは、この決定を下すのが上級審でも長官でもなく、その合議体自身だという点。あなたの事件が3人で流されるか5人で精査されるか、その分岐は外からは見えない裁判所内部の判断に委ねられている。
独占禁止法 87 条は、東京高等裁判所における合議体の構成に関する特則である。東京地方裁判所がした 85 条 1 号の訴訟等の終局判決に対する控訴、又は同条 2 号の事件の決定に対する抗告について、裁判所法 18 条の通常の 3 人合議に代えて、5 人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨を、当該合議体自身の決定で定めうることを規定する。
排除措置命令や課徴金納付命令の取消訴訟は東京地方裁判所の専属管轄(独禁法 85 条 1 号)で、その控訴は東京高等裁判所です。全国どの企業も東京で争います。
取消訴訟は行政事件訴訟法に基づき、原則として処分を知った日から 6 か月以内に東京地方裁判所へ提起します。期間経過で命令が確定するため早期の判断が重要です。
2013 年改正(2015 年施行)で公取委の審判制度が廃止され、従来の審決取消訴訟はなくなりました。現在は排除措置命令等に対し東京地裁への取消訴訟という形に再編されています。
当事者ではなく、事件を担当する東京高裁の合議体自身が決定します(独禁法 87 条)。当事者に申請権はなく、事件の重大性・複雑性に応じて裁判所が職権で審理体制を厚くします。
はい。カルテル等で利益を侵害された被害者は独禁法 24 条により差止請求訴訟を起こせます(85 条の 2 で東京地裁専属)。その控訴審も 87 条の 5 人合議で審理されうります。
日本市場に影響する国際カルテルは公取委が摘発でき、外国企業も日本で排除措置命令等を争います。その控訴審は東京高裁で、87 条により 5 人合議体で審理されることがあります。
課徴金は違反行為に係る対象売上額に法定の算定率を乗じて計算され、大型カルテルでは数十億円規模になることもあります。金額に不服なら取消訴訟で争えます。
ありません。5 人合議の決定は合議体の職権事項です。当事者にできるのは、市場画定や経済分析の争点を書面で前面化し、裁判所が事件の複雑性を認識する材料を与えることだけです。
ダメです。排除措置命令などの取消訴訟は東京地方裁判所の専属管轄(独占禁止法85条1号)、その控訴は東京高等裁判所と決まっています。全国どの企業も東京で戦います。業界裏話ヒント:この東京一極集中ゆえ、独禁法訴訟に強い弁護士は東京の一部の事務所に偏在します。地方企業は地元の顧問弁護士だけでなく、東京の独禁法専門チームを早期に確保できるかどうかで、初動の質が大きく変わる
勝ちやすさが変わるわけではありません。5人合議(独占禁止法87条)は事件の重大性や複雑性に応じた審理の手厚さであって、当事者の有利不利を意味しません。むしろ多角的に精査される分、主張の穴も見つかりやすい。業界裏話ヒント:5人合議が組まれた事件は、裁判所が経済分析や市場画定を本格的に検討する姿勢の表れ。だからこそ経済学者の意見書や市場データの精度が判決を左右する。法律論だけで押し切れる事件ではないと、構えを切り替える合図になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる審級 | 控訴審・抗告審(東京高等裁判所) | — |
| 合議体の人数 | 5 人(決定があれば) | — |
| 5 人合議の決定主体 | 当該合議体自身(87 条) | — |
| 当事者の申請権 | なし(職権) | — |
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