要点地方自治法129条は、議場の秩序を乱す議員に対し、議長が議決なしで発言禁止やその日限りの退去を命じられる秩序維持権を定める。134条の懲罰と異なり議会の議決は不要である。
Q · 議長は自分の判断だけで、議員を議場から追い出せるの?
できます。議決なしで、その日限り退去させられます
地方自治法129条により、議長は会議中に法律・会議規則に違反し議場の秩序を乱す議員を、議会の議決なしで制止し、発言を取り消させ、従わなければその日の会議終了まで発言を禁止し、議場の外へ退去させられます。効力はその日限りで、翌日以降の出席には影響しません。これが議決を要し除名まである134条の「懲罰」と決定的に異なる点です。混同すると、何が争えて何が争えないかを根本から見誤ります。
地元市議会の中継を見ていたら、ヤジを飛ばし続けた議員が議長に「退場」を命じられた。あなたは思う、そんなことを議長が勝手に決めていいのか、と。地方自治法129条の答えは、できる、だ。法律や会議規則に違反し、あるいは議場の秩序を乱す議員に対し、議長は制止し、発言を取り消させ、それでも従わなければその日の会議が終わるまで発言を禁じ、議場の外へ退去させられる。さらに議場が騒然として収拾がつかなければ、その日の会議そのものを閉じることもできる。ここで決定的なのは、これらに議会の議決はいらないという点。議長一人の即断だ。だが見落としてはいけないのは、これが134条の「懲罰」とは全くの別物だということ。懲罰は議会の議決を要し、除名まである。129条は議長の瞬間的な秩序維持権で、効力はその日限り。あなたが握るべきは、この即時の権限と、議決を要する重い懲罰の境界線がどこにあるかだ。混同すると、何が争えて何が争えないかを根本から見誤る。
地方自治法129条は議場の秩序維持に関する規定であり、会議中に法律または会議規則に違反し議場の秩序を乱す議員に対して、議長が制止、発言の取消し、その日の会議終了までの発言禁止、議場外への退去を命じる権限を定める。第2項は議場が騒然として整理困難な場合の閉会・中止権を規定する。いずれも議会の議決を要しない議長の即時的な秩序維持権である。
議場の秩序を乱す議員に対し、議長が制止・発言取消し・その日限りの発言禁止・退去を命じられる秩序維持権を定めた規定です。議会の議決は不要で、議長一人の即断で発動できます。
129条の退去は議長単独で発動でき効力はその日限り。134条の懲罰(戒告・陳謝・出席停止・除名)は議会の議決が必要で、効力も長く及びます。発動の仕組みそのものが別物です。
議長は制止・発言取消し命令に従わない議員を、その日の会議終了まで発言禁止にし、議場外へ退去させられます。さらに後日、懲罰動議による出席停止等へ発展する可能性もあります。
できます。129条2項により、議場が騒然として整理が困難と認めるときは、議長はその日の会議を閉じ、又は中止できます。可決寸前の議案が次回へ持ち越されることもあります。
できます。129条の退去はその日の会議が終わるまでの効力で、身分や資格を長く制約するものではありません。翌日以降の会議には通常どおり出席できます。
退去命令自体はその日限りで効力が消えるため、訴えの利益がないとして取消訴訟は難しいとされます。争うなら、後に出される出席停止等の懲罰を標的にするのが実務の定石です。
争えます。2020年の最高裁大法廷判決が従来の判例を変更し、議員に対する出席停止の懲罰は司法審査の対象になると判断しました。取消訴訟を検討する余地があります。
いいえ。129条の対象は議員です。傍聴人については130条が別途、議長の取締権を定め、退場命令や場合により警察官の援助を規定しています。条文も要件も別です。
129条の退去はその日の会議が終わるまでの効力で、翌日以降の会議には普通に出席できます。除名や出席停止のように身分や資格が長く制約されるわけではありません(懲罰は134条・135条の別ルート)。業界裏話ヒント:退去命令そのものは効力が一日で消えるため、後から裁判で取り消そうとしても「訴えの利益がない」とされやすい。本気で争いたいなら、退去ではなくその後に出される出席停止などの懲罰を標的にするのが実務の定石です。
129条が対象にしているのは議員です。傍聴人については130条が別途、議長の取締権を定めており、退場を命じたり場合により警察官の援助を求めたりできます。業界裏話ヒント:議員への措置と傍聴人への措置は条文も発動要件も別物です。傍聴人を排除する場面では、議長の権限とは別に施設管理権や警察権が重なって働くので、「議会の中だから議長が全部仕切る」という思い込みは正確ではありません。
129条は議長に広い裁量を認めますが、無制限ではありません。明らかに恣意的な運用は議会の自律権の範囲を超え、争訟の対象になりうると考えられます。出席停止などの懲罰に発展すれば、2020年の最高裁判決で司法審査が及ぶことが確認されています。業界裏話ヒント:議会内部の不公正は、裁判より先に議事録と録画の公開という形で外から検証できます。情報公開請求で議長判断の一貫性を可視化すれば、世論と次の選挙という、裁判とは別の圧力が動きます。
この条文に関連づけられた条文はまだありません。
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。