要点地方自治法 213 条は、年度内に支出を終わらない見込みの経費を、予算の定めにより翌年度へ繰り越して使える繰越明許費を定める。議会の事前議決が条件となる点が核心である。
Q · 去年の予算なのに今年も続いている工事って、税金の無駄遣いなんですか?
議会が予算で事前に認めれば、翌年度へ繰り越せます
地方自治法 213 条により、歳出予算の経費のうち、性質上または予算成立後の事由で年度内に支出を終わらない見込みのものは、予算の定めにより翌年度へ繰り越して使用できます。これを繰越明許費といいます。重要なのは「予算の定めるところにより」、つまり議会が予算審議の段階で繰越を事前に議決している点です。役所が後から判断する事故繰越(220 条)とは制度が異なります。年度をまたぐ工事は、無駄遣いではなく議会が公認した正規の繰越であることが多く、予算書の繰越明許費の欄で確認できます。
あなたの住む町で、去年予算がついたはずの学校の耐震工事が、年度をまたいで今も続いている。「税金の使い道がずさんなのでは」と感じるかもしれない。だが、その多くは地方自治法 213 条が正面から認めた合法的な仕組みだ。自治体の予算は本来「会計年度独立の原則」(208 条)に縛られ、その年度の歳出はその年度内に使い切るのが大原則である。だが工事の遅れ、用地交渉の難航、国の補助金決定の遅れなど、性質上または予算成立後の事情で年度内に終わらない経費がある。そこで議会が予算で「これは翌年度に繰り越してよい」とあらかじめ認めた経費を、繰越明許費と呼ぶ。要は「あらかじめ議会の議決を要する」点が核心であり、役所が勝手に繰り越せるわけではない。あなたが議会の予算書でこの費目を見つけたとき、それは「議会が公認した来年度送り」を意味する。
繰越明許費とは、地方自治法 213 条に基づき、歳出予算の経費のうち性質上または予算成立後の事由により年度内に支出を終わらない見込みのものについて、予算の定めにより翌年度へ繰り越して使用することが認められた経費をいう。会計年度独立の原則(208 条)の例外であり、議会の事前議決を要する点で、役所の判断で行う事故繰越(220 条)と区別される。
歳出予算のうち、性質上または予算成立後の事由で年度内に支出を終わらない見込みの経費を、予算の定めにより翌年度へ繰り越して使えるものです(地方自治法 213 条)。議会の事前議決が前提です。
繰越明許費は予算審議の段階で議会が事前に繰越を議決する制度(213 条)。事故繰越は避けがたい事由で執行できなかった場合に役所の判断で繰り越す制度(220 条)。事前議決の有無が決定的に違います。
必要です。条文の『予算の定めるところにより』が議会の予算議決を意味し、役所が単独で繰り越すことはできません。住民が事前にチェックできる正規手続である点が事故繰越との大きな違いです。
自治体の予算書(当初予算・補正予算)の繰越明許費の欄で確認できます。どの事業がいくら翌年度に繰り越されるかが事業名ごとに記載され、決算では繰越計算書で執行状況がわかります。
繰越明許費として翌年度に繰り越した経費の額や財源、事業名を整理した書類です(地方自治法施行令 146 条)。どの事業がなぜ年度内に終わらなかったかを追う際の基礎資料になります。
繰越明許費は単年度予算の経費を例外的に翌年度へ繰り越す制度(213 条)。継続費は数年度にわたる事業の総額と年割額をあらかじめ定める制度(212 条)で、最初から複数年度を前提にする点が異なります。
繰越自体は議会議決を経た正規手続ですが、繰り越された支出に違法・不当があれば住民監査請求(242 条)の対象になり得ます。繰越計算書は支出を追う際の出発点となる資料です。
必ずしもそうとは限りません。大型の継続事業や国の補正予算に機敏に対応する自治体ほど繰越が増えることもあります。数字の多寡だけでなく、繰越理由と執行状況をあわせて見る必要があります。
近いですが、決定的な違いがあります。使い残しを事後的に回すのではなく、繰越明許費は『予算成立の段階で議会が翌年度繰越を事前に認めた』経費です(213 条)。役所が後から判断する事故繰越(220 条)とは別物。業界裏話ヒント:自治体財政課は、年度途中で終わらないと分かった事業を、できれば事故繰越ではなく補正予算で繰越明許費に組み替えたがります。事前議決を取った方が議会対応も会計検査も楽だからです。繰越計算書でどちらの繰越かを見ると、行政の段取りの良し悪しが透けます
原則として、繰り越せるのは翌年度の一度きりで、その年度内にも執行されなければ不用額となり一般財源に戻ります(決算で確定)。再度の繰越は原則認められません。業界裏話ヒント:二年連続で終わらない事業は、当初の見積もりか執行体制に問題があるサインです。決算審査で『なぜ繰越分まで残ったのか』を問うと、用地買収の難航や入札不調といった、表に出にくい行政の実情が答弁で引き出せます
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