要点地方自治法244条の4は、指定管理者を含む長以外の機関がした公の施設の利用権に関する処分への審査請求を、長に対して行うと定める。長は却下する場合を除き議会に諮問して裁決する。
Q · 市営プールや公民館を運営する民間会社に利用を断られたら、どこに不服を申し立てるの?
運営会社ではなく、市町村長に審査請求します
地方自治法244条の4により、指定管理者(民間運営会社)を含む長以外の機関がした公の施設の利用権に関する処分については、長がその機関の最上級行政庁でない場合でも、審査請求は運営会社ではなく当該普通地方公共団体の長(市町村長・知事)に対して行います。さらに長は、不適法として却下する場合を除き、必ず議会に諮問した上で裁決しなければなりません。議会は諮問を受けた日から20日以内に意見を述べます。あなた一人の利用トラブルが、長と議会を巻き込む正式な手続に格上げされる仕組みです。
あなたが毎週通う市民プール、その受付で「あなたは出入り禁止です」と告げられたとする。運営しているのは市から委託された民間会社(指定管理者、公共施設を市の代わりに運営する民間事業者)。多くの人はここで「相手は民間会社だし、どうしようもない」と引き下がる。それが間違いだ。地方自治法244条の4は、公の施設を利用する権利に関する処分(役所側があなたの利用を認める・拒む・取り消すといった具体的決定)について、運営者が誰であろうと、審査請求(行政の決定に正式に不服を申し立てる手続)は市長に対してする、と定める。普通なら不服申立ては処分をした機関の上級庁にするが、この条文はその原則を破り、利用拒否の不服を市長へ直通させる。しかも市長は、却下する場合を除き、必ず市議会に諮問してから裁決しなければならない。あなた一人の利用トラブルが、市長と議会を巻き込む手続に化ける。公の施設という「住民みんなの財産」を守るために用意された特別ルートである。
地方自治法244条の4は、公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求の特則を定める規定である。指定管理者を含む長以外の機関がした当該処分について、長が最上級行政庁でない場合でも審査請求は長に対して行い、長は不適法却下の場合を除き議会への諮問を経て裁決する義務を負う。
住民の福祉を増進する目的で住民の利用に供するため自治体が設ける施設です(地方自治法244条)。市民プール、図書館、公民館、体育館、市民会館などが典型例で、利用権の処分は244条の4の審査請求の対象になります。
できます。民間の指定管理者がした利用権に関する処分も、244条の4が明文で審査請求の対象に含めています。相手が民間運営会社でも、宛先は運営会社ではなく市町村長です。
当該普通地方公共団体の長(市町村長・都道府県知事)に対して出します。長がその機関の最上級行政庁でない場合でも、244条の4により宛先は長に一本化されます。
処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内です(行政不服審査法18条1項)。処分の日の翌日から1年を経過すると原則できなくなります(同条2項)。
議会は長から諮問を受けた日から20日以内に意見を述べなければなりません(地方自治法244条の4第3項)。長はその意見を踏まえて裁決します。
不適法を理由に却下された場合、長は議会に諮問せず却下したときはその旨を議会に報告します(同条4項)。内容に不服があれば、裁決を知った日の翌日から6か月以内に取消訴訟を提起できます。
正当な理由なく一部住民の利用を拒むと、公の施設の平等利用原則(244条3項)に反し違法となる余地があります。利用拒否処分は244条の4の審査請求で適法性を争えます。
その却下は利用権に関する処分にあたり、運営会社と窓口で押し問答するのではなく、市町村長への審査請求として正面から争えます。期限は処分を知った翌日から3か月です。
指定管理者制度(地方自治法244条の2)で民間が運営していても、施設そのものは自治体の「公の施設」だからです。利用権に関する処分は公権力の行使とみなされ、244条の4により審査請求の相手は会社ではなく市長になります。業界裏話ヒント:民間運営の窓口は「うちは委託されているだけ」と責任を曖昧にしがちですが、法的な最終責任者は市長。会社相手に粘るより、最初から市長宛ての審査請求書を出すほうが話が早く、運営会社も態度を変える
なります。244条の4第2項で、市長は却下する場合を除き必ず議会に諮問し、議会は20日以内に意見を述べます(同第3項)。つまりあなたの不服が市政の公の議題に乗る。業界裏話ヒント:この「議会が必ず関与する」仕組みは他の審査請求にはない特徴です。担当部署はこれを嫌がるので、審査請求を匂わせるだけで、正式な裁決の前に運営会社が利用を認め直す事実上の解決が起きやすい
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