要点地方自治法 291 条の 2 は、国や都道府県がその権限に属する事務を広域連合に処理させることを認め、広域連合の長は議会の議決を経て国・都道府県に事務の移譲を要請できると定める。
Q · 広域連合って、国や県の仕事を引き受けたり、逆に「うちにやらせろ」と言えたりするんですか?
はい。国・県の事務を任され、議会の議決を経て移譲も要請できます
地方自治法 291 条の 2 により、国はその行政機関の長の権限に属する事務を(1 項)、都道府県はその執行機関の権限に属する事務を(2 項)、広域連合に処理させることができます。さらに、広域連合の長は議会の議決を経て、国の行政機関の長(4 項)または都道府県(5 項)に対し、密接に関連する事務の一部を広域連合が処理することとするよう要請できます。一部事務組合にはないこの能動的な「要請権」が、広域連合という器を選ぶ最大の理由になります。
あなたの祖父母が 75 歳を超えた瞬間、その医療保険を運営しているのは市役所でも県庁でもない。「○○県後期高齢者医療広域連合」という、多くの人が名前すら聞いたことのない特別地方公共団体だ。その広域連合という器の背骨が、この地方自治法 291 条の 2 にある。条文は二つの方向の力を定めている。一つは上から下、つまり国(1 項)や都道府県(2 項)が、自分の権限に属する事務を広域連合に処理させる流れ。もう一つは下から上、広域連合の長が議会の議決を経て、国や都道府県に対し「この事務をうちに寄こせ」と要請できる流れ(4 項・5 項)だ。地方分権は中央から恩恵的に下りてくるものだと思われがちだが、この条文は地方の側が能動的に権限を取りにいく逆流バルブを備えている。あなたが住む地域の医療、防災、観光がどの器の上で動くかは、ここで決まる。
地方自治法 291 条の 2 は、広域連合における事務の帰属を定める規定である。国はその行政機関の長の権限に属する事務を、都道府県はその執行機関の権限に属する事務を、それぞれ法律・政令または条例の定めるところにより広域連合に処理させることができ、広域連合の長は議会の議決を経て国・都道府県に対し事務の移譲を要請することができる。
複数の地方公共団体が広域にわたる事務を共同処理するために設ける特別地方公共団体です。国や都道府県から事務を引き受けられる点が特徴で、根拠は地方自治法 284 条・291 条系統にあります。
75 歳以上の医療保険を運営するため、各都道府県の全市町村が加入して設ける広域連合です。高齢者の医療の確保に関する法律 48 条が設置を義務づけ、保険料や給付を決定します。
複数府県が加入し、広域防災・広域医療(ドクターヘリ)・広域観光などの事務を束ねて運営しています。国・府県から事務を引き受ける法的根拠が 291 条の 2 の 1 項・2 項です。
住民の直接選挙のほか、構成市町村の議会から選出する間接選挙の方式もとれます。間接選挙だと住民の一票が届きにくくなるため、個々の処分への審査請求の経路が重要になります。
291 条の 2 第 2 項により、都道府県の条例を制定する必要があります。さらに 3 項が準用する 252 条の 17 の 2 以下の手続を踏まないと、移譲の正当性が揺らぐおそれがあります。
できます。1 項により、国はその行政機関の長の権限に属する事務を、別に法律またはこれに基づく政令の定めるところにより広域連合に処理させることができます。
広域連合は法人格をもつ特別地方公共団体で、国・県から事務を引き受け要請までできます。協議会や連携協約は法人格をもたない緩やかな枠組みで、引受権・要請権はありません。
運営主体は市役所ではなく広域連合なので、個々の処分について行政不服審査法に基づく審査請求を行うのが基本です。提訴先や審査庁が市町村と異なる点に注意が必要です。
最大の違いは、国や都道府県から事務を引き受けられるかどうかです。広域連合は地方自治法 291 条の 2 により国(1 項)や都道府県(2 項)の事務を処理でき、さらに自ら国へ要請(4 項)までできますが、一部事務組合にはこの仕組みがありません。業界裏話ヒント:実務では「将来、国や県の事務を取り込む可能性があるか」で器を選びます。とりあえず一部事務組合で作ってしまうと、後から国の権限を引き寄せたくても法的な入口が存在しない。設立段階の一手が、その自治体連携の天井を決める
運営主体は市役所ではなく、各都道府県の後期高齢者医療広域連合です(高齢者の医療の確保に関する法律 48 条が設置を定め、地方自治法 291 条の 2 系統の規定がその器を支えます)。保険料や給付の決定は広域連合が行います。業界裏話ヒント:広域連合の議会議員は住民が直接選ぶのではなく、構成市町村の議会などから選ばれる間接選挙が一般的です。つまり「自分の一票」が届きにくい構造になっている。だからこそ、不服があるときは個々の処分について審査請求できる経路を押さえておくことが、住民側の数少ない直接の手段になる
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|---|---|---|
| 国・都道府県からの事務の引受け | 広域連合(291 条の 2):1 項・2 項により引き受けられる | — |
| 国・都道府県への事務移譲の要請権 | 広域連合:長が議会の議決を経て要請できる(4 項・5 項) | — |
| 法人格・組織 | 広域連合:特別地方公共団体、独自の議会・長(または理事会) | — |
| 民主的統制の手続 | 広域連合:要請に議会議決が必須、都道府県事務には条例+準用手続 | — |
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