要点地方自治法 9 条の 3 は、公有水面のみに係る市町村の境界変更を定める。関係市町村の同意と都道府県議会の議決を経て知事が決定し、総務大臣に届け出る。
Q · 海の上の市町村の境界って、どうやって変えるんですか?
関係市町村の同意と県議会の議決を経て知事が決めます
地方自治法 9 条の 3 によると、公有水面のみにかかる市町村の境界変更は、陸地の境界変更(7 条)とは別ルートで処理されます。関係市町村の同意(議会の議決が必要)を得て、都道府県知事が県議会の議決を経て決定し、総務大臣に届け出ます。都道府県境をまたぐ場合は総務大臣が決定します。さらに水面の境界に争論があるときは、知事が職権で 251 条の 2 の調停に付し、まとまらないときや全関係市町村の同意があるときは裁定で確定させることができます。
海の上に、市町村の境界線が引かれていることを意識する人は少ない。だが公有水面、つまり海や湖など誰の私有地でもない水面にも、どこの市町村に属するかという線は確実に存在する。地方自治法 9 条の 3 は、その水面だけにかかわる境界変更を、陸地の境界変更(7 条)とは別ルートで処理する。関係市町村の同意を得て、都道府県知事が県議会の議決を経て決め、総務大臣に届け出る。県境をまたぐ場合は総務大臣が決める。そして水面の境界に争いがあるとき、知事は職権で調停にかけ、まとまらなければ裁定で決着させることができる。なぜこれがあなたに関係するのか。海を埋め立ててできた土地、湾岸のタワーマンション、洋上風力発電の設置区域、これらが『何市の区域か』は、誰も住んでいない海の段階で、この条文の手続を通って先に決まっているからだ。所属市町村が変われば、固定資産税の宛先も、子どもの学区も、適用される条例も変わる。
地方自治法 9 条の 3 は、公有水面のみに係る市町村の境界変更の手続を定める規定である。陸地を含む一般の境界変更(7 条)とは別に、関係市町村の同意と都道府県議会の議決を経て都道府県知事が決定し総務大臣に届け出る方式をとり、都道府県境にわたる場合は総務大臣が決定する。水面の境界争論については知事の職権による調停・裁定の途を置く。
海・湖・河川など、私人の所有に属さず公共の用に供される水面です。地方自治法 9 条の 3 の境界変更は、この公有水面のみにかかる場合の特則です。
関係市町村の同意(議会の議決が必要)を得て、都道府県知事が県議会の議決を経て決定し、総務大臣に届け出ます(9 条の 3 第 1 項)。
都道府県の境界にわたる場合は、関係地方公共団体の同意を得て総務大臣が決定します(9 条の 3 第 2 項)。知事ではなく国の判断になります。
都道府県知事が職権で 251 条の 2 の調停に付すことができます。調停で確定しないときや全関係市町村の同意があるときは、知事が裁定できます(第 3 項)。
ありません。公有水面の境界変更に住民投票制度はなく、民意は関係市町村議会の議決という間接的経路でのみ反映されます(第 5 項)。
7 条は陸地を含む一般の境界変更手続、9 条の 3 は公有水面のみにかかる場合の特則です。9 条の 3 は争論時の知事の職権調停・裁定まで備えます。
所属市町村が変われば課税権者も変わるため、固定資産税の宛先・税率・減免の扱いが変わり得ます。埋立地が複数市にまたがる場合は按分が問題になります。
新たに生じた土地の区域は 9 条の 5 の編入手続で確定するのが原則ですが、水面段階の境界が 9 条の 3 で先に決まっていることがあります。役所での確認が必要です。
公有水面(海・湖など)自体は国の管理ですが、行政区域としては必ずどこかの市町村・都道府県に帰属します。9 条の 3 はその水面だけの境界変更を、陸地とは別ルート(知事決定+県議会議決+総務大臣届出)で処理します。業界裏話ヒント:海の帰属が争点になるのは決まって埋立てや洋上風力など『お金が絡む開発』が出てきたとき。普段は誰も気にしない海の境界が、開発計画が動いた瞬間に固定資産税の数億円を左右する論点に化ける
ほとんどの場合は確定済みですが、境界線上や複数市にまたがる大規模埋立地では、編入手続(9 条の 5)や境界変更(9 条の 3)が完了しているか確認する価値があります。業界裏話ヒント:登記簿の所在地表示と、固定資産税を実際に課す市町村が一致しているかは別問題。境界確定の経緯が新しい埋立地では、課税・学区・所管がずれていることがある。重要事項説明では踏み込まれない領域なので、買う側が両市の窓口に直接当たるしかない
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