要点国家賠償法 1 条は、公権力の行使にあたる公務員が職務上、故意または過失で違法に損害を与えたとき、国または公共団体が賠償責任を負うと定める。賠償の相手は公務員個人ではなく国・自治体である。
Q · 役所や警察のミスで損をしたら、誰に賠償を請求すればいいの?
訴える相手は公務員個人ではなく国や自治体です
国家賠償法 1 条により、公権力の行使にあたる公務員が職務上、故意または過失で違法に損害を与えた場合、賠償責任を負うのは加害公務員個人ではなく国または地方公共団体です。最高裁の確立した立場では公務員個人は被害者へ直接責任を負いません。資力のある国・自治体が相手になるため取りはぐれの心配が消えます。公務員に故意または重大な過失があった場合に限り、国・自治体はあとからその職員に求償できます(2 項)。
警察に誤認逮捕されて三日間留置された、市役所の窓口で担当者が法律を読み違えて許可申請を不当に却下した、公立学校の管理ミスで子どもが校内で大怪我をした。これらに共通する救済の入口が国家賠償法1条である。ここであなたが握っておくべき逆転の知識は二つ。第一に、賠償を請求する相手は、ミスをした公務員個人ではなく、国または地方公共団体である。担当者個人を訴えても、最高裁の確立した立場では原則として個人は賠償責任を負わない。つまり相手は資力のある国や自治体になり、取りはぐれの心配が消える。第二に、その公務員に故意または重大な過失があった場合に限り、国や自治体はあとからその職員に求償できる(2項)。被害者のあなたは、まず国や自治体に全額を請求し、内部の求償は役所の問題として切り離せる。「お役所相手だから勝てない」という思い込みこそ、最初に捨てるべき荷物だ。
国家賠償法 1 条は、公権力の行使にあたる公務員の違法な加害行為について、国または公共団体が被害者に対し賠償責任を負う旨を定める規定である。加害公務員個人は被害者へ直接の賠償責任を負わず、国・自治体が責任主体となる。1 項が賠償責任を、2 項が公務員に故意・重過失がある場合の国・自治体から公務員への求償権を規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
公務員の違法な職務行為で生じた損害を、国または公共団体が賠償する制度です。国家賠償法 1 条が公権力の行使、2 条が公の営造物の瑕疵を根拠とします。
国賠法 4 条経由で民法が適用され、損害と加害者を知った時から 3 年、人身被害は 5 年です。不法行為の時から 20 年で除斥されます。
民間の加害は民法 709 条で本人を訴えますが、公権力の行使による加害は国賠法 1 条で国・自治体を訴えます。相手も根拠条文も異なります。
請求額に応じた裁判所手数料(印紙代)と弁護士費用が中心です。通常の民事訴訟として地方裁判所に提起するため、特別な行政手数料は不要です。
本人訴訟も可能ですが、違法性と故意・過失の立証は専門性が高く、情報公開で証拠を集める段階から弁護士に相談するのが実務上は安全です。
事案により大きく異なり統計的な定数はありません。鍵は当時の公務員の判断が職務上の注意義務を尽くしたかで、内部文書の確保が勝敗を分けます。
義務ではありませんが実務上は不可欠です。違法性立証の証拠は役所側に偏在するため、情報公開法で決裁記録や通達を先に押さえるのが定石です。
国賠法 6 条の相互保証主義により、被害者の本国が日本人に同様の保障を与える場合に限り請求できます。本国の制度の確認が前提になります。
そう単純ではありません。無罪判決と捜査の違法は別物で、逮捕時点で相当な理由があったと評価されれば、結果的に無罪でも国賠は認められません(国家賠償法1条の違法性判断)。逮捕や勾留の判断が当時の証拠状況に照らして不合理だったことを、あなたの側が立証する必要があります。業界裏話ヒント: 無罪確定後の救済には、国賠とは別に刑事補償法に基づく刑事補償があります。こちらは捜査の違法を問わず、抑留・拘禁日数に応じて定額が支払われるので、立証のハードルが格段に低い。国賠で違法を争うより、まず刑事補償を確実に取るのが実務の定石です
国家賠償法1条1項は、公権力の行使にあたる公務員の違法行為について、国または公共団体が責任を負うと定めており、最高裁はこれを根拠に公務員個人は被害者に直接責任を負わないとしています(国家賠償法1条)。被害者保護のため、資力のある国や自治体を相手にできる仕組みです。業界裏話ヒント: ただし、公務員が職務とは無関係に私人として加害した場合や、公権力の行使と評価されない行為は、民法709条で個人を直接訴える余地が残ります。「公権力の行使かどうか」の線引きが、相手を誰にするかの分水嶺になります
取れる場合があります。規制権限の不行使、いわゆる不作為も、その権限を行使すべき状況で行使しないことが著しく不合理と評価されれば、国家賠償法1条の違法になります。公害規制や危険の放置をめぐる最高裁判例が積み重なっています。業界裏話ヒント: 不作為の国賠は『裁量権の消極的濫用』という枠組みで判断され、行政に広い裁量がある分ハードルは高い。鍵は『行政が危険を具体的に予見できたか』を示す内部文書で、これを情報公開で引き出せるかどうかが、勝てる案件と門前払いの案件を分けます
原則として、あなた個人が被害者へ直接払うことはありません。賠償は国や自治体が負い、あなたへの求償は故意または重大な過失があった場合に限られます(国家賠償法1条2項)。単なる過失なら求償の対象外です。業界裏話ヒント: 実務では、組織が求償権を行使する例は極めて稀で、行使される場合も重大な非違行為に限られる傾向があります。慌てて私費で示談すると、かえって自分に過失があったと認めた形になりかねない。まずは組織の法務・訟務部門を通すのが鉄則です
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|---|---|---|
| 責任の根拠と性質 | 国賠 1 条:公務員の故意・過失による違法な公権力の行使(過失責任) | — |
| 賠償の相手 | 国または地方公共団体(公務員個人は直接責任を負わない) | — |
| 故意・過失の要否 | 公務員の故意または過失が必要 | — |
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