国家賠償法 第1条
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- 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
- 2.前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家賠償法第1条は、日本の国家賠償法に含まれる条文です。
- 国家賠償法第1条の条文原文は「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ず…」で始まります。
- 国家賠償法の公布日は昭和22年10月27日です。
- 国家賠償法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国家賠償法第1条の次の条は国家賠償法第2条です。
- 国家賠償法第1条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)第1条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000125 - 本サイト収録
国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)第1条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000125/1
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家賠償法1条は、公権力の行使にあたる公務員が職務上、故意または過失で違法に損害を与えたとき、国または公共団体が賠償責任を負うと定める。賠償の相手は公務員個人ではなく国・自治体である。
Q · 役所や警察のミスで損をしたら、誰に賠償を請求すればいいの?
訴える相手は公務員個人ではなく国や自治体です
国家賠償法1条により、公権力の行使にあたる公務員が職務上、故意または過失で違法に損害を与えた場合、賠償責任を負うのは加害公務員個人ではなく国または地方公共団体です。最高裁の確立した立場では公務員個人は被害者へ直接責任を負いません。資力のある国・自治体が相手になるため取りはぐれの心配が消えます。公務員に故意または重大な過失があった場合に限り、国・自治体はあとからその職員に求償できます(2項)。
解説
警察に誤認逮捕されて三日間留置された、市役所の窓口で担当者が法律を読み違えて許可申請を不当に却下した、公立学校の管理ミスで子どもが校内で大怪我をした。これらに共通する救済の入口が国家賠償法1条である。ここであなたが握っておくべき逆転の知識は二つ。第一に、賠償を請求する相手は、ミスをした公務員個人ではなく、国または地方公共団体である。担当者個人を訴えても、最高裁の確立した立場では原則として個人は賠償責任を負わない。つまり相手は資力のある国や自治体になり、取りはぐれの心配が消える。第二に、その公務員に故意または重大な過失があった場合に限り、国や自治体はあとからその職員に求償できる(2項)。被害者のあなたは、まず国や自治体に全額を請求し、内部の求償は役所の問題として切り離せる。「お役所相手だから勝てない」という思い込みこそ、最初に捨てるべき荷物だ。
法的な位置づけ
国家賠償法1条は、公権力の行使にあたる公務員の違法な加害行為について、国または公共団体が被害者に対し賠償責任を負う旨を定める規定である。加害公務員個人は被害者へ直接の賠償責任を負わず、国・自治体が責任主体となる。1項が賠償責任を、2項が公務員に故意・重過失がある場合の国・自治体から公務員への求償権を規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.被害事実と公務員の特定を記録する 被害の内容、担当公務員名、日時、やり取りを時系列で記録し、関係する書面や録音を確保する。後日の立証はこの初動の記録精度で決まる
- 2.情報公開請求で内部文書を押さえる 情報公開法に基づき、役所の内部文書、決裁記録、通達を取得し、当時の判断の合理性を崩す材料を集める。違法性の立証構造はここで一変する
- 3.被告を国または地方公共団体に設定する 加害公務員個人ではなく、国または地方公共団体を被告に据える。相手を間違えると入口で却下されるため、所管する行政主体を正確に特定する
- 4.賠償額を積算して請求書を送付する 治療費、休業損害、慰謝料などに分けて積算し、まず役所へ請求書を送付する。応じなければ通常の民事訴訟として地方裁判所へ国賠訴訟を提起する
よくある質問 AI による整理
Q1国家賠償とは何ですか?
公務員の違法な職務行為で生じた損害を、国または公共団体が賠償する制度です。国家賠償法1条が公権力の行使、2条が公の営造物の瑕疵を根拠とします。
Q2国家賠償の時効は何年ですか?
国賠法4条経由で民法が適用され、損害と加害者を知った時から3年、人身被害は5年です。不法行為の時から20年で除斥されます。
Q3国家賠償と民事の損害賠償は何が違いますか?
民間の加害は民法709条で本人を訴えますが、公権力の行使による加害は国賠法1条で国・自治体を訴えます。相手も根拠条文も異なります。
Q4国家賠償訴訟の費用はいくらかかりますか?
請求額に応じた裁判所手数料(印紙代)と弁護士費用が中心です。通常の民事訴訟として地方裁判所に提起するため、特別な行政手数料は不要です。
Q5国家賠償は弁護士なしでもできますか?
本人訴訟も可能ですが、違法性と故意・過失の立証は専門性が高く、情報公開で証拠を集める段階から弁護士に相談するのが実務上は安全です。
Q6国家賠償で勝てる確率はどのくらいですか?
事案により大きく異なり統計的な定数はありません。鍵は当時の公務員の判断が職務上の注意義務を尽くしたかで、内部文書の確保が勝敗を分けます。
Q7国家賠償請求の前に情報公開請求は必要ですか?
義務ではありませんが実務上は不可欠です。違法性立証の証拠は役所側に偏在するため、情報公開法で決裁記録や通達を先に押さえるのが定石です。
Q8国家賠償は外国人でも請求できますか?
国賠法6条の相互保証主義により、被害者の本国が日本人に同様の保障を与える場合に限り請求できます。本国の制度の確認が前提になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1無罪になったんだから、誤認逮捕した警察は当然賠償してくれますよね?
そう単純ではありません。無罪判決と捜査の違法は別物で、逮捕時点で相当な理由があったと評価されれば、結果的に無罪でも国賠は認められません(国家賠償法1条の違法性判断)。逮捕や勾留の判断が当時の証拠状況に照らして不合理だったことを、あなたの側が立証する必要があります。実務のポイント: 無罪確定後の救済には、国賠とは別に刑事補償法に基づく刑事補償があります。こちらは捜査の違法を問わず、抑留・拘禁日数に応じて定額が支払われるので、立証のハードルが格段に低い。国賠で違法を争うより、まず刑事補償を確実に取るのが実務の定石です
Q2市役所の担当者が明らかにミスをしたのに、なぜその人を直接訴えられないんですか?
国家賠償法1条1項は、公権力の行使にあたる公務員の違法行為について、国または公共団体が責任を負うと定めており、最高裁はこれを根拠に公務員個人は被害者に直接責任を負わないとしています(国家賠償法1条)。被害者保護のため、資力のある国や自治体を相手にできる仕組みです。実務のポイント: ただし、公務員が職務とは無関係に私人として加害した場合や、公権力の行使と評価されない行為は、民法709条で個人を直接訴える余地が残ります。「公権力の行使かどうか」の線引きが、相手を誰にするかの分水嶺になります
Q3役所が『何もしなかった』ことでも、賠償を取れるんですか?
取れる場合があります。規制権限の不行使、いわゆる不作為も、その権限を行使すべき状況で行使しないことが著しく不合理と評価されれば、国家賠償法1条の違法になります。公害規制や危険の放置をめぐる最高裁判例が積み重なっています。実務のポイント: 不作為の国賠は『裁量権の消極的濫用』という枠組みで判断され、行政に広い裁量がある分ハードルは高い。鍵は『行政が危険を具体的に予見できたか』を示す内部文書で、これを情報公開で引き出せるかどうかが、勝てる案件と門前払いの案件を分けます
Q4公務員ですが、仕事のミスで住民に訴えられそうです。私が自腹で払うんですか?
原則として、あなた個人が被害者へ直接払うことはありません。賠償は国や自治体が負い、あなたへの求償は故意または重大な過失があった場合に限られます(国家賠償法1条2項)。単なる過失なら求償の対象外です。実務のポイント: 実務では、組織が求償権を行使する例は極めて稀で、行使される場合も重大な非違行為に限られる傾向があります。慌てて私費で示談すると、かえって自分に過失があったと認めた形になりかねない。まずは組織の法務・訟務部門を通すのが鉄則です
間違えやすい点 AI による整理
- 「公務員個人を訴えて損害を取ればいい」と考えがちだが、最高裁の確立した立場では、公権力の行使にあたる公務員個人は被害者に対して直接の賠償責任を負わない。あなたが訴えるべき相手は国または地方公共団体であり、個人を被告にした訴えは原則として通らない。相手を間違えると、入口で躓く
- 国賠は知っていても、その射程の広さを多くの人が知らない。「公権力の行使」には、権力的な処分だけでなく、公立学校の教育活動、公務員による事実行為、さらには規制権限を使わなかった不作為まで含まれる。あなたが「これは行政処分ではないから対象外だ」と早合点した瞬間、本来取れたはずの救済を自分で閉ざしている
- 「役所がミスを認めれば賠償される」と思われているが、国賠1条の壁は『違法性』と『故意・過失』の立証にある。役所が誤った判断をしても、当時の状況で職務上尽くすべき注意(プロの公務員として当然払うべき注意のレベル)を尽くしていたと評価されれば、違法とは認定されない。結果が誤りでも、過程に落ち度がなければ請求は退けられる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 責任の根拠と性質 | 国賠1条:公務員の故意・過失による違法な公権力の行使(過失責任) | 国賠2条:公の営造物の設置管理の瑕疵(無過失責任) 民法709条:私人・私経済作用による一般不法行為(過失責任) |
| 賠償の相手 | 国または地方公共団体(公務員個人は直接責任を負わない) | 営造物を管理する国または地方公共団体 加害者である私人・法人本人 |
| 故意・過失の要否 | 公務員の故意または過失が必要 | 故意・過失は不要、瑕疵があれば責任 加害者の故意または過失が必要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公務員が職務上、故意・過失で違法に権利を侵害した場合に国が賠償責任を負う。憲法24条が憲法的根拠で、構造は日本と類似する
韓国も公務員の職務上の不法行為について国・地方自治体が賠償責任を負う。憲法29条が根拠で、求償の枠組みも日本に近い
ドイツは公務員個人の職務責任(BGB §839)を国家へ転嫁する構造(GG 34条)。日本の国賠制度の比較法上の源流の一つ
米国は主権免責を一部放棄し連邦政府を被告とする道を開いた。裁量的判断(discretionary function)には免責が及ぶ点が特徴
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが身に覚えのない罪で逮捕され、後に不起訴や無罪になったとしたら? 捜査に違法があれば、警察や検察を擁する国や自治体に国賠請求できる。ポイントは「無罪になった」イコール「捜査が違法」ではないこと。逮捕時点の判断に合理性がなかったことを立証する側に回るかどうかで、勝敗が分かれる
- 公立病院で明らかな医療ミスを受けた。私立病院なら民法709条で医師や病院を訴えるが、相手が国公立だと国家賠償法1条のルートになる。賠償の相手は病院長個人ではなく開設者である自治体。担当医個人への直接請求は原則できないという、私立とは逆の構造に最初は戸惑う
- あなたが市の職員で、上司の指示通りに処理した案件が後で違法と判断された。住民から名指しで訴えられたが、慌てる必要はない。被害者への賠償は自治体が負い、あなた個人が直接払うのは故意または重大な過失があった場合の求償(2項)に限られる。単なる過失なら、あなたの財布は守られる
- 児童相談所が虐待通報を受けながら適切に動かず、子どもが重大な被害を受けた。「何もしなかった」不作為も、職務上の義務違反として国賠の対象になる。近年、行政の規制権限の不行使を違法と認めた最高裁判例が積み重なっている
- あと一年で、ある違法な行政処分から時が経つ。損害と加害者を知った時から三年(人身被害は五年)で時効が完成する。証拠は役所の内部文書に眠っており、情報公開請求から始めないと、立証材料を手にする前に請求権そのものが消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害の事実、担当公務員名、日時、やり取りを記録し、関係する書面や録音を確保する2. 情報公開請求で役所の内部文書、決裁記録、通達を取得し、当時の判断の合理性を崩す材料を集める3. 被告は加害公務員個人ではなく国または地方公共団体に設定する、相手を間違えると入口で却下される4. 賠償額を治療費、休業損害、慰謝料などに分けて積算し、まず役所へ請求書を送付、応じなければ国賠訴訟へ。行政事件ではなく通常の民事訴訟として地方裁判所に提起する
訴えられた側:1. あなたが公務員個人なら、被害者への直接の賠償責任は原則負わないことをまず確認する、慌てて私費で示談しない2. 国や自治体からの求償は、あなたに故意または重大な過失があった場合に限られる(2項)、単なる過失なら求償の対象外3. 組織として対応するなら、当時の判断が職務上の注意義務を尽くしていたこと、裁量の範囲内であったことを記録で立証する4. 求償を受けそうな立場なら、上司の指示の有無、組織的判断の経緯を文書で残し、個人への責任集中を防ぐ
時効(請求できる期限):国家賠償法4条により民法724条が適用される。損害および加害者(賠償義務者である国・自治体)を知った時から3年、人の生命または身体を害する場合は5年(民法724条の2)。不法行為の時から20年で除斥。損害が後に顕在化する事案では除斥の起算点が争点になる(最新の判例動向をご確認ください)
学説
通説:国賠1条の『公権力の行使』は、純粋な私経済作用と公の営造物に起因する損害を除き、行政作用を広く含むと解する。権力的処分のみならず、公立学校の教育活動や事実行為、さらに規制権限の不行使(不作為)も射程に入る。
求償権をめぐる実務上の理解:1条2項の求償は故意または重大な過失がある場合に限られ、実務上、組織が求償権を実際に行使する例は極めて稀である。通常の過失で職務を行った公務員個人の財産は事実上保護される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法17条の施行に伴い国家賠償法を制定。戦前の国家無答責の原則を覆し、公権力の行使にあたる公務員の違法行為について国・公共団体の賠償責任を明文化した。
- 国家賠償法 第2条公の営造物の設置管理の瑕疵による無過失責任
- 国家賠償法 第3条費用負担者と管理者が異なる場合の賠償責任者
- 国家賠償法 第4条本法に定めなき事項への民法の補充適用
- 国家賠償法 第6条外国人被害者への相互保証主義
- 民法 第709条公権力の行使以外に適用される一般不法行為の原則法
- 民法 第715条私経済作用における使用者責任、公権力では国賠1条が優先
- 民法 第724条国賠請求権の消滅時効を4条経由で規律
- 刑事補償法 第1条無罪確定時の無過失補償、違法性立証不要の代替救済
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