国又は公共団体の損害賠償の責任について民法以外の他の法律に別段の定があるときは、その定めるところによる。
要点国家賠償法 5 条は、国や公共団体の賠償責任について民法以外の他の法律に別段の定めがあれば、その特別法が優先すると定める。ただし特別法の制限が憲法 17 条に反すれば無効となる。
Q · 役所に損害賠償を求めるとき、必ず国家賠償法で計算するの?
いいえ、特別法があればその特別法が優先します
国家賠償法 5 条により、国や公共団体の損害賠償責任について民法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その特別法が優先して適用されます。郵便法のように賠償の範囲や上限を独自に定める法律があれば、国賠法の一般原則ではなくそちらが事件を支配します。ただし最高裁は、書留郵便の故意・重過失による損害にまで賠償を制限する郵便法の規定を憲法 17 条違反としました(最大判平成 14 年 9 月 11 日)。特別法だからといって無条件に従う必要はありません。
役所のミスで損害を受けたら国家賠償法で賠償を求める、多くの人はそう理解している。だが国賠法5条は、その理解に静かな例外を差し込む。国や自治体の損害賠償の責任について、民法以外の別の法律に特別の定めがあるときは、そちらが優先する、と。つまり郵便のような個別分野の法律が、賠償の範囲や金額に独自のルールを敷いている場合、国賠法の一般原則より先にそれが適用される。かつて郵便法は、書留郵便を局のミスで失っても賠償額に厳しい上限を設けていた。あなたが何百万円の損をしても、法律上は雀の涙しか取れない仕組みだった。だが最高裁は2002年、その制限を憲法17条違反として打ち砕いた。5条は、あなたと国の間にどの法律が立つかを決める交通整理の条文であり、その立ち位置次第で、本来取れる額が二桁変わる。
国家賠償法 5 条は、国又は公共団体の損害賠償責任に関する特別法優先を定める規定であり、民法以外の他の法律に別段の定めがある場合には、その特別法が国賠法の一般原則に優先して適用される旨を規定する。特別の定めのない論点は 4 条を通じて民法が補充適用される。
国や公共団体の損害賠償責任について、民法以外の他の法律に特別の定めがあればそちらを優先適用すると定める規定です。郵便法など個別分野の賠償特則を国賠法より先に適用させる切替条文です。
4 条は国賠法に定めのない部分を民法で補充する規定、5 条は民法以外の特別法に別段の定めがあればそちらを優先する規定です。4 条が補充、5 条が優先で、ちょうど裏返しの調整関係にあります。
書留郵便の故意・重過失による損害にまで賠償を制限していた郵便法の規定を、憲法 17 条違反として無効とした最高裁大法廷判決(平成 14 年 9 月 11 日)です。特別法でも憲法審査に服することを示しました。
国賠法に時効規定はなく民法 724 条が補充適用され、損害と加害者を知った時から 3 年(生命・身体侵害は 5 年)、不法行為時から 20 年で消滅します。ただし特別法が独自の期間を定める場合はそれによります。
国家賠償は違法な公権力行使による損害の賠償、損失補償は適法な行為(収用など)による損失の補償で、根拠条文も性質も異なります。適用条文を取り違えると請求が成り立たないことがあります。
公務員の不法行為により損害を受けた者が、国又は公共団体にその賠償を求める権利を保障する規定です。法律で賠償を不当に制限する規定はこの 17 条に照らして違憲となる余地があります。
争える余地があります。特別法による免責・上限が著しく不合理であれば、憲法 17 条違反として無効を主張できます。郵便法違憲判決がその先例で、特別法は絶対ではありません。
国や地方自治体など公共団体の公権力行使や営造物の管理に起因する損害に対して用います。私人同士の不法行為は民法 709 条が適用され、国賠法の対象外です。
必ずしも従う必要はありません。国賠法5条により特別法が優先しますが、その制限規定が憲法17条に反すれば無効です。最高裁は郵便法の賠償制限を、書留の故意・重過失による損害にまで及ぼす限りで違憲としました(最大判平成14.9.11)。業界裏話ヒント:役所側は「法律でこうなっている」と言えば住民が引き下がると見込んでいます。だが特別法だからといって憲法審査を免れるわけではない。制限が著しく不合理なら、違憲を正面から争う価値があります
事件を支配する法律で決まります。5条はその分野に賠償の特別の定めがあれば特別法を優先させ、定めのない部分は4条を通じて民法が補います(国賠法4条、5条)。つまり全部が特別法に置き換わるのではなく、特別の定めがある論点だけが切り替わります。業界裏話ヒント:適用法を取り違えると、時効の起算点も請求相手も賠償範囲もずれて、勝てる事件を入口で落とします。弁護士はまず「どの法律の土俵か」を固めてから中身に入る。いきなり金額交渉に走るのとは順番が逆です
国や自治体の賠償責任について独自のルールを置く法律です。代表例が郵便事故の賠償を定める郵便法で、かつては賠償額に厳しい上限がありました(国賠法5条)。各分野に、国の賠償の範囲や要件を修正する法律が点在しています。業界裏話ヒント:自分の損害がどの特別法の射程かは、条文を横断しないと見えにくい。役所の担当部署が引用してくる法律名をメモし、その法律に賠償制限がないか、その制限が過去に判例で争われていないかを確認するだけで、交渉の立ち位置が変わります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 5 条:特別法に別段の定めがあれば優先適用(切替) | — |
| 適用される場面 | 郵便法など分野ごとの賠償特則がある場合 | — |
| 賠償の範囲を決める基準 | 特別法の定め(範囲・上限・要件は特別法による) | — |
| 上限・制限の覆し方 | 特別法の制限が憲法 17 条に反すれば無効 | — |
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