食品衛生法 第63条
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- 食中毒患者等を診断し、又はその死体を検案した医師は、直ちに最寄りの保健所長にその旨を届け出なければならない。
- 2.保健所長は、前項の届出を受けたときその他食中毒患者等が発生していると認めるときは、速やかに都道府県知事等に報告するとともに、政令で定めるところにより、調査しなければならない。
- 3.都道府県知事等は、前項の規定により保健所長より報告を受けた場合であつて、食中毒患者等が厚生労働省令で定める数以上発生し、又は発生するおそれがあると認めるときその他厚生労働省令で定めるときは、直ちに、厚生労働大臣に報告しなければならない。
- 4.保健所長は、第二項の規定による調査を行つたときは、政令で定めるところにより、都道府県知事等に報告しなければならない。
- 5.都道府県知事等は、前項の規定による報告を受けたときは、政令で定めるところにより、厚生労働大臣に報告しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 食品衛生法第63条は、日本の食品衛生法に含まれる条文です。
- 食品衛生法第63条の条文原文は「食中毒患者等を診断し、又はその死体を検案した医師は、直ちに最寄りの保健所長にその旨を届け出なければならない。」で始まります。
- 食品衛生法第63条は第十章 雑則に置かれています。
- 食品衛生法の公布日は昭和22年12月24日です。
- 食品衛生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 食品衛生法第63条の前の条は食品衛生法第62条です。
- 食品衛生法第63条の次の条は食品衛生法第64条です。
- 食品衛生法第63条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第63条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233 - 本サイト収録
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第63条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000233/63
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点食品衛生法63条は、食中毒患者等を診断した医師に、直ちに最寄りの保健所長へ届け出る義務を課す。届出対象には食中毒の疑いのある者も含まれる。
Q · 食中毒かもしれないと病院に行ったら、医師は保健所に知らせるの?
はい。疑いの段階でも医師に届出義務がある
食品衛生法63条1項により、食中毒患者等を診断した医師は、直ちに最寄りの保健所長へ届け出なければなりません。対象には食中毒の疑いのある者も含まれるため、確定診断を待つ必要はありません。届出を受けた保健所長は都道府県知事等に報告して調査を行い(同条2項)、患者数が厚生労働省令で定める数以上の場合などは厚生労働大臣まで報告が上がります(同条3項)。受診時に食べた物や店名を医師に伝えることが、調査の起点になります。
解説
食中毒と確定するのを待つ必要はない。条文は医師に対し、食中毒患者等を診断したら「直ちに」最寄りの保健所長へ届け出るよう義務づけている。ここでいう食中毒患者等には、食品などが原因で中毒した「疑いのある者」まで含まれる。焼き鳥屋に行った翌朝に下痢で受診し、医師に「昨夜、鶏刺しを食べた」と伝えれば、その一言から行政の手続が回り始める可能性がある。届出を受けた保健所長は調査に入り、都道府県知事等へ報告する。患者数が一定数を超えるなどの場合は、厚生労働大臣まで情報が上がる。店への立入り、残った食品の検査、営業停止などの処分(役所が店に直接下す具体的な決定)は、この報告経路の先で起きる。逆に、医師に食事の内容を話さなければ、あなたの被害は統計に残らず、店の責任を裏づける公的な記録も生まれにくい。診察室での三十秒の説明が、後の賠償交渉を左右する。
法的な位置づけ
食品衛生法第63条は食中毒の届出及び報告を定める規定であり、食中毒患者等を診断し又はその死体を検案した医師に最寄りの保健所長への即時届出を義務づけ、保健所長には都道府県知事等への報告と政令に基づく調査を、都道府県知事等には一定の場合に厚生労働大臣への報告を義務づける。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.症状が出たら当日中に受診する 腹痛・下痢・嘔吐などが出たら、できるだけ早く医療機関を受診する。日数が経つと原因食品や検体が残らず、届出と調査の起点になりにくい
- 2.食べた物と店名を医師に伝える 直近数日の食事内容、日時、店名、一緒に食べた人とその症状を医師に具体的に伝える。この情報が医師の届出(63条1項)の中身になる
- 3.残った食品と記録を保存する 残った食品は冷凍して保存し、レシート・予約記録・料理の写真も捨てずに保管する。保健所の検査材料や後の賠償請求の証拠になる
- 4.保健所の聞き取りに協力する 保健所から連絡があれば、調査票への記入や聞き取りに応じ、同席者の症状も共有する。原因施設の特定につながる
- 5.【営業者】連絡を受けたら記録を即時確保する 保健所から連絡を受けた店は、仕入れ伝票、仕込み記録、冷蔵庫の温度記録、従業員の健康記録を確保し、残品や検食を廃棄しない。加入している賠償責任保険の保険会社にも速やかに報告する
よくある質問 AI による整理
Q1食中毒の届出とは何ですか?
食中毒患者等を診断した医師が、最寄りの保健所長へ直ちにその旨を知らせる手続です。食品衛生法63条1項が根拠で、行政調査の起点になります。
Q2食中毒の届出義務は誰にありますか?
診断または死体の検案をした医師です。患者本人や飲食店には、この条文上の届出義務はありません。ただし患者が自ら保健所に相談することはできます。
Q3食中毒と確定しなくても届け出られますか?
届け出られます。届出対象の「食中毒患者等」には中毒の疑いのある者も含まれるため、原因食品が特定される前の段階で届出が行われます。
Q4家庭の食事で食中毒になっても届出の対象になる?
対象になります。条文は原因施設を限定していないため、家庭で調理した料理や自分で採ったキノコによる中毒でも、診断した医師には届出義務があります。
Q5食中毒の疑いで保健所の調査はどう進む?
届出を受けた保健所長が知事等に報告し、政令に従って調査します。患者や同席者への聞き取り、残品や検体の検査、原因施設の調査などが行われます。
Q6食中毒が厚生労働大臣に報告されるのはどんな場合?
患者が厚生労働省令で定める数以上発生し、または発生するおそれがある場合などです。都道府県知事等が直ちに厚生労働大臣へ報告します(63条3項)。
Q7食中毒で亡くなった人がいる場合の届出は?
死体を検案した医師にも、最寄りの保健所長へ直ちに届け出る義務があります(63条1項)。診断した場合と同じく、届出に猶予期間はありません。
Q8食中毒は患者が自分で保健所に連絡してもいい?
相談はできます。ただし法律上の届出義務を負うのは医師なので、まず受診して食事内容を正確に伝えることが、調査を確実に動かす近道です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1病院で「食中毒ですね」って言われたんですけど、店には自分で文句言いに行くべきですか?
急がなくていい。食品衛生法63条1項により、診断した医師には保健所への届出義務があり、保健所長は2項に基づいて調査する。実務のポイント:保健所が原因施設を特定すれば、店側の賠償責任保険も支払いに動きやすくなる。感情的に店へ乗り込むより、証拠を保存して行政の判断を待つ方が、結果的に早く確実に補償を受けられることが多い
Q2保健所の調査結果って、被害者側は見せてもらえるんですか?
63条2項・4項による調査・報告の記録は行政文書で、各自治体の情報公開条例に基づき開示請求できる場合がある。ただし個人情報などは黒塗りになり、どこまで開示するかは自治体の判断による。実務のポイント:訴訟を見据えるなら、弁護士会照会(弁護士法23条の2)で保健所に照会する方法もある。営業停止などの処分は自治体のサイトで公表されることが多いので、まずそこを確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「食中毒は被害者が保健所に通報しなければ動かない」と思われがちだが、問いの立て方がずれている。法律上の届出義務を負うのは医師であり、患者ではない。患者が自分で保健所に相談することもできるが、行政調査を確実に動かす入口は、受診時に医師へ食事の内容を正確に伝えることだ
- 店を営む人は「食中毒と確定したら保健所が来る」と考えがちだが、実際はもっと早い。届出の対象は「疑いのある者」まで含むので、原因が確定する前から調査が始まりうる。記録を整えるのは、確定してからでは遅い
- 店主から見れば「お客さん一人がお腹を壊しただけ」かもしれない。しかし法律から見れば、それは保健所長、知事、場合によっては厚生労働大臣へと続く報告の起点になる。患者数が厚生労働省令で定める数以上になれば国に報告が上がり、広域での原因究明の対象になる。この認識の差が、初動の遅れにつながる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する段階 | 食品衛生法63条:医師の届出と行政内部の報告・調査 | 食品衛生法28条:営業者等からの報告徴収・臨検検査 食品衛生法60条:営業許可の取消し・営業の禁停止処分 |
| 義務を負う主体 | 医師、保健所長、都道府県知事等 | 行政が権限を行使し、営業者等が報告・検査に応じる 行政が処分を行い、営業者が処分を受ける |
| 営業者への影響 | 直接の不利益処分はないが、調査開始の起点になる | 立入り・帳簿確認・収去検査を受ける 営業停止など直接の不利益処分を受けうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も食品中毒事件について衛生主管機関による通報受理と調査の体系を持つ。医師の届出義務を定める具体的条番号は要確認
韓国も医師・韓医師に食中毒患者等の報告義務を課し、自治体長が調査して上級機関に報告する点で日本と構造が近い
ドイツは食品法ではなく感染症予防法の枠組みで、微生物性食中毒の疑い・罹患を医師の届出対象としている
米国は連邦統一の届出義務ではなく、州ごとの届出規則とCDCによる集団発生監視で運用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 会社の忘年会の翌日、参加者二十人のうち十二人が腹痛で受診した。医師が保健所に届け出たら、何が起きるのか。保健所は参加者全員に聞き取りを行い、店に残った食品や調理従事者の検便まで調べる。あなたが書く一枚の調査票が、原因食品を特定する材料の一つになる
- あなたが営む居酒屋に、金曜の夕方、保健所から電話が入る。「お宅で食事したお客さんが食中毒の疑いで届け出られている」。明日の土曜は予約で満席だ。今夜のうちに仕入れ伝票、仕込みの記録、冷蔵庫の温度記録を揃えられるかどうかで、調査のときに説明できる材料の厚みがまるで違ってくる
- 山で採ったキノコを家族で食べ、夜中に嘔吐した。家庭の食事でも、診断した医師には届出義務がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受診時に、食べた物・日時・店名・一緒に食べた人を医師に伝える2. 残った食品、吐いた物、レシート、予約記録を保存する(食品は冷凍保存が望ましい) 3. 保健所の聞き取りに協力し、同席者の症状も共有する4. 原因施設が特定された後、治療費や休業損害を請求する(民法415条・709条、加工食品なら製造物責任法3条も検討)。店側が賠償責任保険に加入しているかも確認する
訴えられた側:1. 保健所から連絡が来たら、仕入れ・調理・温度管理の記録と従業員の健康記録をすぐに確保する2. 残った食品や検食を捨てない3. 調査には全面的に協力する。ただし原因が確定する前に、過失を全面的に認める書面は出さない4. 加入している賠償責任保険の保険会社へすぐに報告し、被害者への対応窓口を一本化する
時効(請求できる期限):医師の届出は条文上「直ちに」とされ、猶予期間はない。被害者の損害賠償請求は、不法行為なら損害と加害者を知った時から5年(人の生命・身体の侵害の場合)、行為の時から20年(民法724条、724条の2)。契約責任なら権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から20年(人身損害、民法166条、167条)
改正沿革 AI による整理
- 平成30年(2018年)改正(令和2年6月1日施行) HACCP制度化や営業届出制度の新設などに伴う条文の移動により、旧58条から現行63条へ条番号が変わったとされる。文言の変更の有無と、過去の改正回数は人による検証が必要
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:食品衛生法制定(昭和22年法律第233号)。医師による食中毒の届出と行政報告の仕組みが置かれた。制定当時の条番号・文言は要確認
- 2.平成30年(2018年) 改正:HACCP制度化等を含む改正(令和2年6月施行)に伴う条文移動により、旧58条から現行63条へ移ったとされる。文言変更の有無は要確認
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