食品衛生法 第28条
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- 厚生労働大臣、内閣総理大臣又は都道府県知事等は、必要があると認めるときは、営業者その他の関係者から必要な報告を求め、当該職員に営業の場所、事務所、倉庫その他の場所に臨検し、販売の用に供し、若しくは営業上使用する食品、添加物、器具若しくは容器包装、営業の施設、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は試験の用に供するのに必要な限度において、販売の用に供し、若しくは営業上使用する食品、添加物、器具若しくは容器包装を無償で収去させることができる。
- 2.前項の規定により当該職員に臨検検査又は収去をさせる場合においては、これにその身分を示す証票を携帯させ、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示させなければならない。
- 3.第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
- 4.厚生労働大臣、内閣総理大臣又は都道府県知事等は、第一項の規定により収去した食品、添加物、器具又は容器包装の試験に関する事務を登録検査機関に委託することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 食品衛生法第28条は、日本の食品衛生法に含まれる条文です。
- 食品衛生法第28条の条文原文は「厚生労働大臣、内閣総理大臣又は都道府県知事等は、必要があると認めるときは、営業者その他の関係者から必要な報告を求め、当該職員に営業の場所、事務所、倉庫その他の場…」で始まります。
- 食品衛生法第28条は第七章 検査に置かれています。
- 食品衛生法の公布日は昭和22年12月24日です。
- 食品衛生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 食品衛生法第28条の前の条は食品衛生法第27条です。
- 食品衛生法第28条の次の条は食品衛生法第29条です。
- 食品衛生法第28条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第28条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233 - 本サイト収録
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第28条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000233/28
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点食品衛生法28条は、厚生労働大臣・内閣総理大臣・都道府県知事等が営業者に報告を求め、職員に臨検検査させ、試験に必要な限度で食品等を無償収去させることを認める規定。
Q · 保健所の立入検査や商品の持ち帰りって、店側は断れるの?
断れない。拒否は罰則の対象だが、証票の提示は求められる
食品衛生法28条1項により、厚生労働大臣、内閣総理大臣又は都道府県知事等(保健所設置市の市長・特別区の区長を含む)は、営業者に報告を求め、職員に店舗や倉庫を臨検検査させ、試験に必要な限度で食品等を無償で収去させることができます。拒否・妨害・忌避は罰則の対象です。一方で職員は身分を示す証票を携帯し、請求があれば提示しなければなりません(2項)。また、この権限は犯罪捜査のためのものと解釈してはならないとされています(3項)。
解説
保健所の職員が店に来て、棚の弁当を三つ持ち帰る。代金は一円も払われない。これが合法だと知っている飲食店主は意外に少ない。食品衛生法28条は、厚生労働大臣、内閣総理大臣、都道府県知事等(保健所を置く市の市長・特別区の区長を含む)に三つの権限を与えている。一つ目は報告を求めること。二つ目は店や事務所、倉庫に立ち入り、食品・設備・帳簿を調べること(臨検検査)。三つ目は、検査に必要な限度で商品を無償で持ち帰ること(収去)である。これらを拒めば罰則の対象になる。その一方で、職員は身分を示す証票(身分証)を携帯する義務を負っており、あなたには提示を求める権利がある。さらに3項は、この権限を犯罪捜査のために使ってはならないと定めている。保健所は警察ではない。ただし、持ち帰られた商品から基準違反が見つかれば、回収命令、営業停止、事業者名の公表へと話は一直線に進む。立入の最初の一分で記録を取る側に回れるかどうかで、その後の展開が分かれる
法的な位置づけ
食品衛生法28条は、食品衛生行政における報告徴収、臨検検査及び収去の権限を定める規定である。厚生労働大臣、内閣総理大臣又は都道府県知事等は、営業者等に報告を求め、職員に営業の場所等を臨検させ、試験に必要な限度で食品、添加物、器具又は容器包装を無償で収去させることができる。証票携帯義務と犯罪捜査目的の否定を伴う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.職員の証票を確認し、記録する 職員が到着したら、28条2項に基づき身分を示す証票の提示を求め、氏名・所属・到着時刻を控える。以後の指導内容を誰の発言として記録するかがここで確定する
- 2.臨検検査に立ち会い、確認範囲を記録する 検査には責任者が立ち会い、確認された場所、設備、帳簿書類、指摘事項をその場で記録する。求められた帳簿書類は改変せずそのまま提示する
- 3.収去品の品目・数量・ロットを控える 収去された食品等の品目、数量、製造日、ロット番号を記録する。収去証などの交付書面があれば控えを保管し、交付がなければ交付を求める
- 4.同一ロットの現品を保存し、自主検査を検討する 収去品と同じロットの現品を保存し、必要に応じて第三者の検査機関に自主検査を依頼する。行政の結果が出る前に、回収範囲を絞り込む根拠を用意しておく
- 5.違反判明時の回収・不服申立てを判断する 違反が判明した場合、自主回収の届出(58条)を早めに検討する。回収命令や営業停止等の処分に不服があれば、審査請求(処分を知った日の翌日から3か月)または取消訴訟(6か月)の期限を確認し、弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1保健所の立ち入り検査は断れる?
断れません。食品衛生法28条1項に基づく臨検検査を拒み、妨げ、忌避すると罰則の対象になります。ただし職員に証票の提示を求めることはできます。
Q2収去検査とは何ですか?
行政が試験のために、販売用や営業上使用する食品・添加物・器具・容器包装を必要な限度で無償で持ち帰り、検査する制度です。食品衛生法28条1項が根拠です。
Q3保健所の立入検査は事前に連絡がありますか?
28条には事前通知を義務づける規定がありません。定期的な監視指導でも、苦情や食中毒の疑いを受けた調査でも、予告なしに行われることがあります。
Q4立入検査に来るのは誰ですか?
主に保健所等に所属する食品衛生監視員です(食品衛生法30条)。身分を示す証票を携帯しており、営業者が請求すれば提示しなければなりません。
Q5立入検査では何を調べられますか?
販売用や営業上使用する食品・添加物・器具・容器包装、営業の施設、帳簿書類その他の物件です。仕入記録や温度管理記録なども対象になりえます。
Q6店舗のないネット通販業者も立入検査の対象?
対象になりえます。条文は営業の場所だけでなく、事務所、倉庫その他の場所も臨検先として挙げています。在庫倉庫や帳簿を置く事務所も含まれます。
Q7収去された食品が基準違反だったらどうなる?
廃棄・回収命令(59条)、営業の禁停止などの処分、違反者名等の公表(69条)へ進むことがあります。自主回収する場合は届出(58条)が必要です。
Q8保健所への報告で嘘をつくと違法?
違法です。28条1項の報告を求められて虚偽の報告をすると、報告をしない場合と同じく罰則の対象になります。都合の悪い記録を省くのも危険です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保健所の人に商品を持っていかれたんですけど、代金って請求できないんですか?
請求できない。28条1項が「無償で収去」と明記しているからだ。ただし、無償で持ち帰れるのは「試験の用に供するのに必要な限度」までである。明らかに多い量を持ち帰られるときは、その場で理由を尋ねてよい。実務のポイント:収去の際には、品目と数量を書いた収去証を交付する運用がある。受け取っていなければ交付を求め、控えを保管しておく。後で検査結果を争うときの出発点になる
Q2立入検査で見つかったことって、そのまま警察に行くんですか?
28条3項は、この権限が犯罪捜査のためのものではないと明記している。保健所の目的はあくまで衛生の確保である。ただし公務員には告発義務がある(刑事訴訟法239条2項)。悪質な違反であれば、行政の手続とは別に刑事事件になる道も残っている。実務のポイント:実務では、まず行政指導を行い、改善されなければ命令や処分に進むという段階を踏むことが多い。指導の段階で改善報告を書面で出しておいた店は、後の判断でもその記録が有利に働く
間違えやすい点 AI による整理
- 「令状がないのだから立入は断れる」と考える人がいるが、同種の行政調査について最高裁は令状は不要と判断している(最大判昭和47.11.22川崎民商事件)。職員が物理的に押し入ることはないが、拒否・妨害・忌避そのものが罰則の対象になる。強制力の正体は、扉をこじ開けることではなく、罰則による間接的な強制である
- 「持っていかれた商品の代金はどこに請求すればいいのか」という問いは、そもそも成り立たない。1項が「無償で収去」と明記しているからだ。問うべきは代金ではなく、どの製造日・どのロットの商品が何個持ち帰られたかを自分の手元に記録したかどうかである。その記録がなければ、検査結果が出たときに回収範囲を絞り込む根拠がなくなる
- 「犯罪捜査には使えない」と書いてあるから安心だ、というのは半分しか正しくない。3項が禁じているのは、捜査を目的としてこの権限を行使することである。調査で得た資料が後の刑事手続で一切使えないという趣旨ではないと解されている(法人税法の質問検査に関する最決平成16.1.20参照)。実務上も解釈の幅がある論点である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 食品衛生法28条:報告徴収・臨検検査・収去による事実の調査 | 食品衛生法59条:違反食品の廃棄・回収等の命令 食品衛生法69条:違反者の名称等の公表 |
| 手続上の位置 | 入口(証拠・情報を集める段階) | 出口(違反を前提とした是正措置) 出口(危害拡大防止のための情報提供) |
| 営業者への効果 | 報告・検査受忍義務と無償収去、拒否は罰則 | 廃棄・回収の義務、違反は罰則 事業者名等が公にされる信用上の不利益 |
| 営業者側の手当て | 証票の提示請求(2項)、犯罪捜査目的の否定(3項) | 審査請求・取消訴訟で処分を争う 事前の自主回収届出(58条)などで影響を抑える |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機関に現場查核、抽樣檢驗、文件調閲の権限を与え、拒否には罰則を科す。日本と同じく行政調査型の構造
韓国も出入・検査・収去を一条にまとめて規定し、公務員の証票提示義務を置く点で日本と近い
ドイツでは監視当局の立入権とサンプル採取を定め、EU の公的管理規則(Kontrollverordnung)と連動して運用される
米国 FDA は施設への立入検査権限を持ち、職員は資格証を提示し書面通知を行う。検査拒否は禁止行為とされる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし仕込み中の厨房に保健所の職員が突然入ってきて「冷蔵庫の中を見せてください」と言われたら、断れるのか? 断れば28条1項の臨検検査の拒否として罰則の対象になりうる。一方で、あなたは証票の提示を求めることができる。そこが最初の一手である
- あなたは輸入菓子を扱う小さな商社の担当者である。先週収去された商品から、日本で使用が認められていない添加物が検出されたと連絡が来た。あと数日で自治体の判断が固まり、回収命令(59条)や事業者名の公表(69条)が出るかもしれない。今夜のうちに同一ロットの出荷先と在庫を洗い出せるかどうかで、被害の範囲が決まる
- 報告書の提出を求められ、都合の悪い仕入記録を省いて提出した。虚偽の報告は、報告をしないことと同じく罰則の対象になる。隠した一行が、衛生の問題を刑事の問題に変えてしまう
取るべき行動
被害を受けた側:食品で健康被害を受けた消費者の場合:1. 残った食品、包装、レシートを捨てずに冷蔵保存する2. すぐに医療機関を受診し、診断書をもらう3. 最寄りの保健所に相談する。保健所は28条の権限で、店に報告を求めたり、立ち入って商品を収去したりできる。個人では手に入らない証拠を行政が集めることになる4. 損害賠償は民法709条や製造物責任法3条に基づいて別に請求する。行政の検査結果が立証の足場になる
訴えられた側:立入を受けた営業者の場合:1. 証票の提示を求め、職員の氏名と所属を記録する2. 検査には立ち会い、確認された場所と収去された品目・数量・ロットを記録する。収去証などの交付書面があれば控えを保管する3. 同じロットの現品を保存し、必要なら自主検査をする4. 違反が判明したら、自主回収の届出(58条)を早めに検討する5. 回収命令や営業停止などの処分に不服があれば、審査請求または取消訴訟で争う
時効(請求できる期限):28条そのものに期限はない。ただし、収去結果をもとに出された回収命令や営業停止などの行政処分を争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)以内に起こす必要がある。消費者が損害賠償を請求する場合は、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)
学説
通説(行政調査論):28条の臨検検査・収去は、直接強制を伴わず罰則による間接強制にとどまる行政調査であり、刑事手続の令状主義は直ちには及ばない。ただし比例原則により、収去は試験に必要な限度に限られる
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)改正 試験事務の委託先を指定検査機関制度から登録検査機関制度へ移行した大改正に伴い、4項の委託規定が改正されたとされる(人的検証要)
- 令和5年(2023年)公布、令和6年(2024年)4月施行 食品衛生基準行政の一部が厚生労働省から消費者庁へ移管されたことに伴い、権限の主体に内閣総理大臣が並記される形に改正されたとされる(人的検証要)
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