食品衛生法 第85条
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、これを五十万円以下の罰金に処する。
- 一第二十八条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による当該職員の臨検検査又は収去を拒み、妨げ、又は忌避した者
- 二第二十八条第一項(第六十八条第一項及び第三項において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
- 三第二十七条、第四十八条第八項(それぞれ第六十八条第一項において準用する場合を含む。)、第五十七条第一項又は第五十八条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
- 四第四十六条第二項の規定による命令に違反した者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 食品衛生法第85条は、日本の食品衛生法に含まれる条文です。
- 食品衛生法第85条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、これを五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 食品衛生法第85条は第十一章に置かれています。
- 食品衛生法の公布日は昭和22年12月24日です。
- 食品衛生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 食品衛生法第85条の前の条は食品衛生法第84条です。
- 食品衛生法第85条の次の条は食品衛生法第86条です。
- 食品衛生法第85条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第85条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233 - 本サイト収録
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第85条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000233/85
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点食品衛生法85条は、保健所等の臨検検査・収去の拒否や妨害、報告拒否・虚偽報告、輸入・営業・自主回収の届出違反などを50万円以下の罰金に処すると定める。
Q · 保健所の立入検査を断ったら、本当に罰せられるの?
断れば50万円以下の罰金。前科が付き、法人も処罰されうる
食品衛生法85条1号により、28条1項に基づく職員の臨検検査や収去を拒み、妨げ、または忌避した者は50万円以下の罰金に処されます。職員が令状なしで物理的に踏み込むことはありませんが、拒否すること自体が犯罪となる間接強制の仕組みです。食中毒の有無とは関係なく成立し、両罰規定(88条)により法人も罰金の対象となりえます。正当な理由による日程調整は拒否と区別されますが、延期を繰り返せば忌避と評価されるおそれがあります。
解説
保健所の職員が厨房に来て「検査させてください」と言ったとき、店側には断る自由があるように見える。職員は令状を持っておらず、ドアを力ずくで開けることもしない。しかし断った時点で、それ自体が犯罪になる。食品衛生法85条は、臨検検査(職員が店や工場に立ち入って調べること)と収去(検査用に食品を持ち帰ること)を拒んだり妨げたり避けたりした者、報告を求められて出さなかった者やうその報告をした者に、50万円以下の罰金を科す。対象はそれだけではない。販売目的の輸入届出(27条)、営業届出(57条1項)、自主回収(リコール)の届出(58条1項)を出さなかった場合や、うその届出をした場合も同じ枠に入る。見落とされやすいのは、ここでいう「罪」が食中毒を出したかどうかとは関係ないという点だ。食品が安全であっても、手続を無視すれば前科が付く。逆に言えば、あなたの店が守るべき一線は品質管理よりも手前にある。届け出ること、調査に応じること、正直に報告すること。この三つを外さなければ、85条はあなたに向かってこない。
法的な位置づけ
食品衛生法85条は、食品衛生行政の実効性を確保するための罰則規定であり、臨検検査・収去の拒否等、報告義務違反・虚偽報告、輸入届出・食品衛生管理者に関する届出・営業届出・自主回収届出の懈怠または虚偽届出、および46条2項に基づく命令違反について、50万円以下の罰金を科す。いずれも実害の発生を要件としない手続違反型の犯罪である。
よくある質問 AI による整理
Q1食品衛生法85条とは?
保健所の検査拒否、報告拒否・虚偽報告、輸入・営業・自主回収の届出違反などに50万円以下の罰金を科す、食品衛生法の罰則規定です。
Q2保健所の立入検査に令状は必要?
不要です。食品衛生法28条1項の臨検検査は行政調査であり、令状なしで行われます。拒否すれば85条の罰則で間接的に協力が求められます。
Q3営業届出をしないと違法?
57条1項で届出が必要な営業を無届で行えば、85条により50万円以下の罰金の対象です。許可不要の業種でも届出対象となる場合があります。
Q4食品の輸入届出 個人でも必要?
自分で消費する分は原則不要ですが、販売目的なら個人でも27条の輸入届出が必要です。無届の販売目的輸入は85条の対象になりえます。
Q5リコールの届出 いつまで?
58条1項により、自主回収に着手した後、遅滞なく都道府県知事等に届け出る必要があります。届出を怠れば85条の罰金の対象です。
Q6食品衛生法違反 罰金 前科になる?
なります。罰金は刑法上の刑罰であり、略式命令で科された場合でも前科として扱われます。過料(行政罰)とは性質が異なります。
Q7保健所の収去 断れる?
28条1項に基づく収去(検査用の無償持ち帰り)を拒んだり妨げたりすれば、85条1号により50万円以下の罰金の対象になります。
Q8食品衛生法違反 会社も罰せられる?
両罰規定により、従業員が業務に関して85条違反をした場合、行為者本人に加えて法人にも罰金刑が科されうる仕組みです(現行条番号は要確認)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保健所の抜き打ち検査って、忙しいときは断っていいんですか?
正当な理由があって日程を調整してもらうことと、拒否や忌避とは区別される。ただし、延期を繰り返したり、連絡がつかない状態にしたりすると、28条1項に基づく検査の忌避として85条の対象になりうる。実務のポイント:職員は「協力的な店かどうか」を記録に残している。最初の対応で印象が決まり、その後の指導の厳しさに影響することがある
Q2自主回収したのに届出を忘れてたら、どうなりますか?
58条1項の届出義務に違反した場合、85条により50万円以下の罰金の対象になる。回収を自主的に行っていたとしても、届出をしなかったことについての責任は免れない。実務のポイント:届け出た回収情報は厚生労働省のシステムで公表される。公表を避けたいという気持ちから届出を遅らせると、後で発覚したときに隠蔽とみなされ、公表されるよりも大きな打撃を受ける
Q3社員が勝手に嘘の報告をした場合、会社も罰されますか?
両罰規定(88条)により、従業員の違反について法人も罰金刑を科されうる。会社が十分な監督をしていたと立証できれば責任を免れる余地はあるが、そのハードルは高い(現行効力を要確認)。実務のポイント:報告書を誰が作成し、誰が承認したかの流れを文書にしておくことが、法人を守る最も安上がりな方法である
間違えやすい点 AI による整理
- 令状がないので立入検査は断れる、と考える事業者は多い。確かに職員が物理的に入り込むことはできない。ただ、断ること自体に罰金が科される仕組み(間接強制、つまり罰則で協力させる方式)になっている。「強制されない」ことと「断っても問題ない」ことは同じではない
- 罰金50万円なら払えば済む、と軽く考えるのは危険である。罰金も刑罰なので前科になる。さらに両罰規定(88条)によって法人も罰金を科されうるし、その後の許可更新、取引先の審査、自治体の入札で不利に扱われる可能性がある。本当の損失は金額以外のところで生じる
- 事業者から見ると、届出は事務手続にすぎない。しかし法律から見ると、届出は行政が危険を把握するための唯一の手がかりである。この認識の差が、「悪いことはしていないのに処罰された」という事態を生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 85条:手続違反に対する罰則(50万円以下の罰金) | 28条:臨検検査・収去・報告徴収の権限根拠 58条:自主回収の届出義務そのもの |
| 誰が何をする規定か | 違反者に刑罰を科す | 都道府県知事等が職員に立入り・収去・報告を求めさせる 営業者が回収着手後に遅滞なく届け出る |
| 違反した場合の帰結 | 罰金刑(前科)、両罰規定で法人にも波及 | 拒否等は85条1号・2号で処罰 届出懈怠・虚偽届出は85条3号で処罰 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では稽査の規避・妨害・拒絶は刑罰ではなく行政罰(罰鍰)で担保される点が日本と異なる
米国は FDA の検査拒否を禁止行為として定め、刑事罰の対象となりうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ランチのピーク時間に保健所の職員が来て、「今は無理なので明日にしてもらえますか」と追い返した。一度の延期のお願いで直ちに処罰されるとは限らないが、何度も避け続ければ「忌避」と評価されうる。応じられない理由と代わりの日時は、その場で書面かメールに残しておく
- 海外の人気スナックと乳幼児向けのおもちゃを仕入れてネットショップで売り始めた。検疫所への輸入届出(27条、おもちゃは68条1項で準用)は出していない。自分で食べる分なら届出はいらないが、販売目的なら必要になる。届出なしの輸入は85条の対象である
- もし自社製品に異物混入が見つかり、自主回収を始めたのに行政への届出を後回しにしたら、どうなる? 2021年6月施行の58条1項で、自主回収は届出が義務になった。届出をしなければ、回収を「自主的に」行っていても罰金の対象になる
- 食中毒の疑いで保健所から原材料の仕入先と製造記録の報告を求められた。社長は仕入先の不備を隠すため、日付を書き換えた記録を提出した。食中毒そのものの責任とは別に、虚偽報告としての罪が独立して成立する
- 営業届出(57条1項)の期限を過ぎていることに気付いた。あと数日で保健所の一斉点検がある。許可が不要な業種であっても届出は必要な場合があり、今日中に窓口かオンラインで出すかどうかで結果が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:消費者や取引先として、ある事業者が回収の届出を出していない、または保健所の調査を避けていると疑われる場合1. 商品、レシート、写真、体調の記録を保存する2. 管轄の保健所に具体的な日時と商品名を伝えて通報する3. 健康被害があれば、別途、損害賠償(民法709条)や製造物責任法による請求も検討する。85条の手続違反は、行政が調査を進めるための手がかりになる
訴えられた側:1. 立入検査を拒んだとみられた場合は、直ちに保健所へ連絡して協力する意思を書面で伝え、再調査に全面的に応じる2. 届出を出していない場合は、処分を待たずにすぐ届け出る。事後であっても、自分から是正したかどうかは情状として評価されうる3. 虚偽報告の疑いがある場合は、訂正報告を出す前に食品分野に詳しい弁護士へ相談する4. 法人については両罰規定があるため、社内の報告経路を見直した記録を残しておく
時効(請求できる期限):罰金刑のみが定められた罪なので、公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年である(刑事訴訟法250条2項、253条)。自主回収の届出は、回収に着手した後、遅滞なく行うことが求められる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:85条は行政調査の実効性を刑罰で担保する間接強制規定であり、実害発生を要しない抽象的な手続違反犯である。正当な理由に基づく日程調整は「拒否・忌避」に当たらないと解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成30年(2018年) 改正:平成30年改正により営業届出制度(57条)と自主回収の届出義務(58条)が新設され、その違反が本条の処罰対象に加わった(2021年6月全面施行)
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