食品衛生法 第86条
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- 次の各号のいずれかに掲げる違反があつた場合には、その違反行為をした登録検査機関の役員又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。
- 一第三十八条の許可を受けないで製品検査の業務の全部を廃止したとき。
- 二第四十四条の規定に違反して同条に規定する事項の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。
- 三第四十七条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
- 四第四十七条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 食品衛生法第86条は、日本の食品衛生法に含まれる条文です。
- 食品衛生法第86条の条文原文は「次の各号のいずれかに掲げる違反があつた場合には、その違反行為をした登録検査機関の役員又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 食品衛生法第86条は第十一章に置かれています。
- 食品衛生法の公布日は昭和22年12月24日です。
- 食品衛生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 食品衛生法第86条の前の条は食品衛生法第85条です。
- 食品衛生法第86条の次の条は食品衛生法第87条です。
- 食品衛生法第86条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第86条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233 - 本サイト収録
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第86条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000233/86
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点食品衛生法86条は、登録検査機関の役員・職員が無許可の業務全部廃止、帳簿の不記載・虚偽記載・不保存、報告拒否・虚偽報告、立入検査拒否をした場合に50万円以下の罰金を科す。
Q · 検査機関の職員が帳簿をごまかしたら、罰を受けるのは会社?それとも本人?
違反行為をした役員・職員本人が罰金の対象になる
食品衛生法86条は、登録検査機関の「違反行為をした役員又は職員」を50万円以下の罰金に処すると定めています。対象は、38条の許可なく製品検査業務の全部を廃止すること、44条の帳簿の不記載・虚偽記載・不保存、47条1項の報告懈怠・虚偽報告、立入検査の拒否・妨害・忌避や質問への不答弁・虚偽答弁の四類型です。罰金は刑事罰のため前科となり、上司の指示に従っただけでも責任は免れません。
解説
輸入した冷凍エビに検査命令が出たとき、実際に検体を分析して「合格」「不合格」を決めるのは、多くの場合、国の検査所ではなく民間の登録検査機関である。国の仕事の一部を任されているため、登録検査機関には普通の民間企業にはない縛りがある。本条は、その縛りを破った場合に50万円以下の罰金を科す。対象になる違反は四つある。①国の許可を受けずに検査業務を全部やめること、②帳簿を付けない、嘘を書く、または保存しないこと、③国への報告をしない、または偽ること、④立入検査を拒む、あるいは質問に答えない、または嘘の答弁をすること。注目すべきは、罰せられる相手である。条文が処罰の対象とするのは「違反行為をした役員又は職員」、つまり個人である。上司に指示されて帳簿を書き直した検査員も、罰金刑の当事者となり前科が付く。「会社の方針だった」という言い分は、責任を免れる理由にならない。
法的な位置づけ
食品衛生法86条は、登録検査機関の役員又は職員が、同法38条の許可なく製品検査業務の全部を廃止した場合、44条の帳簿の記載・保存義務に違反した場合、47条1項の報告をせず若しくは虚偽の報告をした場合、又は同項の検査・質問を拒否・妨害・忌避若しくは虚偽答弁した場合に、行為者個人を50万円以下の罰金に処する行政刑罰規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1登録検査機関とは何ですか?
食品衛生法に基づき国の登録を受け、検査命令などに係る食品の製品検査を行う民間等の検査機関です。国の検査業務の一部を担うため、帳簿・報告などの特別な義務を負います。
Q2食品衛生法86条の罰金はいくらですか?
50万円以下の罰金です。対象は違反行為をした登録検査機関の役員又は職員個人で、罰金刑は刑事罰にあたります。
Q3食品衛生法86条違反で前科はつきますか?
罰金刑が確定すれば前科になります。会社が罰金相当額を負担しても、刑事記録としての有罪判決は本人に残ります。
Q4登録検査機関の帳簿はいつまで保存すべき?
帳簿の記載事項と保存は食品衛生法44条と厚生労働省令で定められています。具体的な保存期間は現行の省令で確認してください。
Q5登録検査機関が立入検査を拒否したらどうなる?
47条1項の検査を拒み、妨げ、忌避した場合、拒否した役員・職員個人が本条4号により50万円以下の罰金の対象となります。
Q6検査機関の不正で食品輸入業者も責任を負う?
本条の刑事責任は検査機関側の個人に向きますが、依頼者側も合格判定が疑われ、再検査や回収などの実務対応を迫られる可能性があります。
Q7食品衛生法86条違反の時効は何年?
法定刑が罰金のみのため、公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年です(刑事訴訟法250条2項6号、253条1項)。
Q8登録検査機関の登録取消しはどんな場合?
帳簿や報告に関する義務違反などは、刑事罰とは別に登録取消しや業務停止といった行政処分の対象になり得ます。根拠条文の現行効力を確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1上司の命令で帳簿を書き換えただけなのに、自分も罰せられるんですか?
罰せられる可能性がある。本条は「違反行為をした役員又は職員」を処罰対象とし、指示の有無で免責するとは書いていない。指示した上司も共犯として責任を問われ得るが、あなたの責任が消えるわけではない。実務のポイント:捜査の現場では、指示を受けた経緯を早く正直に説明した職員ほど処分が軽く済む傾向がある。指示内容を記録したメモやメールは、あなた自身を守る最大の材料になる
Q2検査機関をたたむとき、届出だけでいいんじゃないの?
届出では足りない。製品検査の業務を全部廃止するには、38条に基づく許可が必要であり、許可なしに廃止すれば本条1号で役員が罰金の対象になる。実務のポイント:許可制になっているのは、検査が途中で止まった検体や依頼者を放り出させないためである。申請前に、引継ぎ先の検査機関と帳簿の保存方法を決めておくと、許可手続が格段に進みやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰金50万円なら、会社が払えば済む」と考える人がいるが、本条の宛先は違反行為をした役員・職員個人である。罰金刑は刑事罰なので前科として残り、会社が肩代わりしても刑事記録は消えない
- 「帳簿は内部の管理資料だから、多少の書き直しは業務改善の範囲だ」という感覚は、検査機関の外の論理である。法律から見れば、帳簿は国が検査の正しさを事後に確かめるための唯一の手がかりであり、書かない・偽る・捨てることは、その確認手段を消すことを意味する。この認識の落差が、現場の善意の「整理」を犯罪に変える
- 罰則が50万円以下と軽めに見えるので、深刻度を低く見積もりがちである。しかし実際の打撃は罰金の額ではない。違反が明るみに出れば、機関には登録取消しや業務停止という行政処分(役所が直接下す不利益な決定)がかかり得る。それは顧客の信用とすべての検査契約を同時に失うことを意味する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規範の性質 | 食品衛生法86条:義務違反に対する罰則規定 | 食品衛生法44条:帳簿の記載・保存義務を定める規定 食品衛生法47条:報告徴収・立入検査の権限規定 |
| 名宛人 | 違反行為をした登録検査機関の役員又は職員(個人) | 登録検査機関(組織としての義務) 権限を行使する行政側と、対象となる登録検査機関 |
| 違反したときの効果 | 50万円以下の罰金(刑事罰) | 違反は本条2号の処罰対象、行政処分の原因にもなり得る 報告拒否・検査拒否等は本条3号・4号の処罰対象 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も食品検験を認証された機関へ委託できる仕組みを持ち、検験機関の管理規定と罰則を置く。個人処罰か機関処罰かの設計は条文ごとに確認が必要
中国は検験機構に資質認定を求め、虚偽の検験報告に対して機構と責任者の双方に厳しい処分を科す
米国は食品検査ラボの認定制度を設け、認定ラボによる分析結果の報告をFDAが監督する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、検査室長から「この検体の数値、基準値ぎりぎりだから帳簿は再検査後の値だけ書いておいて」と言われたら、どうなる? 指示に従って記載を省けば、44条違反の「記載をしない」または「虚偽の記載」として、書いた本人が罰金の対象になり得る。指示した室長も共犯として責任を問われ得るが、あなたの責任が消えるわけではない
- 登録検査機関の経営が行き詰まり、社長が「来月末で検査部門を閉じる」と社内に告げた。廃止の許可申請を出さないまま業務を止めれば、38条違反として役員が罰金の当事者になる。許可が下りる前に止まってしまう検体の処理先も決まっていない。残りの時間は、あと3週間しかない
- 立入検査の当日、担当者が慌ててサーバーの一部フォルダを「見せられない」と拒んだ。拒絶・忌避にあたる。一言で罰則の線を越える
- あなたは食品輸入商社の品質保証担当である。取引先の検査機関で帳簿改ざんが発覚し、その機関が発行した「合格」の成績書が根こそぎ疑われることになった。通関済みの自社ロットについて、国から再検査や回収を求められるリスクが、自分の机に降ってくる
取るべき行動
被害を受けた側:検査を依頼した側として、取引先の検査機関の不正を知った場合:1. 手元の検査成績書と、検体を送った記録(日時・ロット番号)をすべて保全する2. 該当ロットの流通状況を確認し、必要に応じて別の登録検査機関で再検査を行う3. 所管官庁や検疫所へ早めに相談し、自社から自主的に報告したという記録を残す4. 再検査費用や回収費用は、契約違反または不法行為(民法415条・709条)として検査機関に請求することを検討する
訴えられた側:違反を疑われた検査機関の役員・職員の場合:1. 帳簿・データ・メールを消したり直したりしない(証拠隠滅として状況がさらに悪化する) 2. 自分が指示を受けた経緯(誰が、いつ、何を指示したか)をメモに残す3. 報告徴収や立入検査には正確に対応し、分からない点は「確認して回答する」と伝え、推測で答えない4. 刑事手続に移る可能性があれば、早い段階で弁護士に相談する
時効(請求できる期限):法定刑が罰金のみの罪なので、公訴時効(起訴できる期限)は犯罪行為が終わった時から3年である(刑事訴訟法250条2項6号、253条1項)。帳簿を保存しなかった場合の起算点については、保存義務期間との関係で解釈が分かれ得る(最新の改正状況をご確認ください)
学説
行政刑罰論(通説的理解):本条は行政上の義務違反に刑罰を科す行政刑罰であり、刑法8条により刑法総則が適用される。故意犯処罰が原則で、共犯規定も適用されるため、指示した上司も共犯として責任を問われ得る。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 改正:食品衛生法改正により、従来の指定検査機関制度から登録検査機関制度へ移行。登録検査機関の義務と罰則の枠組みが整備された
- 2.平成30年(2018年) 改正:HACCP制度化等を含む大幅改正に伴い条番号が整理され、登録検査機関に係る罰則が現行の第86条に位置付けられた
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