金融商品取引法 第152条(金融商品取引所に対する監督上の処分)
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- 内閣総理大臣は、金融商品取引所が次の各号のいずれかに該当する場合において、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、当該各号に定める処分をすることができる。
- 一法令、法令に基づく行政官庁の処分、第八十七条の二第一項ただし書若しくは第八十七条の三第一項ただし書の認可に付した条件若しくは定款その他の規則に違反したとき、又は会員等若しくは当該金融商品取引所に上場されている有価証券の発行者が法令、法令に基づく行政官庁の処分若しくは当該金融商品取引所の定款、業務規程、受託契約準則その他の規則(以下この号において「法令等」という。)に違反し、若しくは定款その他の規則に定める取引の信義則に背反する行為をしたにもかかわらず、これらの者に対し法令等若しくは当該取引の信義則を遵守させるために、この法律、この法律に基づく命令若しくは定款その他の規則により認められた権能を行使せずその他必要な措置をとることを怠つたとき第八十条第一項の免許を取り消し、一年以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、その業務の変更若しくはその業務の一部の禁止を命じ、その役員の解任を命じ、又は定款その他の規則に定める必要な措置をとることを命ずること。
- 二金融商品取引所の行為又はその開設する取引所金融商品市場における有価証券の売買若しくは市場デリバティブ取引の状況が公益又は投資者保護のため有害であると認めるとき十日以内の期間を定めて取引所金融商品市場における有価証券の売買若しくは市場デリバティブ取引の全部若しくは一部の停止を命じ、又は閣議の決定を経て、三月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずること。
- 三第八十七条の二第一項ただし書の規定により認可を受けて行う業務が当該金融商品取引所の業務の公共性に対する信頼を損なうおそれ若しくは金融商品市場開設等業務(取引所金融商品市場の開設及びこれに附帯する業務をいう。次号において同じ。)の健全かつ適切な運営を損なうおそれがあると認めるとき、又は同項ただし書の認可に付した条件に違反したとき同項ただし書の認可を取り消すこと。
- 四第八十七条の三第一項ただし書の規定により認可を受けて保有する子会社の行為が当該金融商品取引所の業務の公共性に対する信頼を損なうおそれ若しくは当該金融商品取引所の金融商品市場開設等業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがあると認めるとき、又は同項ただし書の認可に付した条件に違反したとき同項ただし書の認可を取り消すこと。
- 2.内閣総理大臣は、前項第一号の規定により業務の全部若しくは一部の停止、業務の変更若しくは業務の一部の禁止を命じ、又は定款その他の規則に定める必要な措置をとることを命じようとするときは、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
- 3.第一項第二号の規定による処分については、審査請求をすることができない。
この条文の基本情報
金融商品取引所に対する監督上の処分とは何ですか?
定義金融商品取引所に対する監督上の処分とは、金融商品取引法第152条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、金融商品取引所が次の各号のいずれかに該当する場合において、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、当該各号に定める処分をするこ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融商品取引法第152条(金融商品取引所に対する監督上の処分)は、日本の金融商品取引法に含まれる条文です。
- 金融商品取引法第152条の条文原文は「内閣総理大臣は、金融商品取引所が次の各号のいずれかに該当する場合において、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるときは、当該各号に定める処分をするこ…」で始まります。
- 金融商品取引法第152条は第五節 監督に置かれています。
- 金融商品取引法の公布日は昭和23年4月13日です。
- 金融商品取引法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 金融商品取引法第152条の前の条は金融商品取引法第151条です。
- 金融商品取引法第152条の次の条は金融商品取引法第153条です。
- 金融商品取引法第152条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第152条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000025 - 本サイト収録
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第152条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000025/152
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融商品取引法152条は、内閣総理大臣が金融商品取引所に免許取消しや1年以内の業務停止を命じられる根拠である。市場の売買が有害なときは10日以内の売買停止も命じられる。
Q · 金融庁は東証の売買を止めたり、免許を取り消したりできるんですか?
できます。閣議決定を経れば最長3か月の業務停止も可能です
できます。金融商品取引法152条1項は、取引所が法令や定款に違反したとき、または会員等や上場会社の違反を是正させる権能を行使せず放置したときに、免許の取消し・1年以内の業務停止・業務の変更・役員の解任などを命じられると定めます。同項2号は、市場の売買状況が公益または投資者保護に有害と認められる場合に10日以内の売買停止、閣議の決定を経れば3か月以内の業務停止を認めています。2号の処分については審査請求ができません(3項)。
解説
東京証券取引所は株式会社だが、その営業免許を握っているのは内閣総理大臣である。152条1項は、その手が動く引き金を四つ並べた条文だ。法令や定款の違反はもちろんだが、見落とされやすいのが1号後段。会員の証券会社や上場会社が違反したのに、取引所が定款や規則で認められた権能を行使せず放置したとき、処分されるのは取引所自身である。免許取消、1年以内の業務停止、そして役員の解任命令まで並ぶ。2号はさらに直接的だ。市場の売買状況が公益または投資者保護に有害と認められれば10日以内の売買停止、閣議の決定を経れば3か月以内の業務停止。あなたが持っている株を売れない日が、国の判断で作られる。そして3項が、その2号の処分について審査請求の道を封じている。
法的な位置づけ
金融商品取引法152条は、内閣総理大臣による金融商品取引所に対する監督上の処分を定める規定である。1項は免許取消し・業務停止・役員解任等の処分事由を4号に分けて列挙し、2項は1項1号の重い処分について聴聞を義務づけ、3項は1項2号の処分に対する審査請求を排除する。
よくある質問 AI による整理
Q1金融商品取引法152条とは何ですか?
内閣総理大臣が金融商品取引所に対して行う監督上の処分を定めた規定です。免許取消し、1年以内の業務停止、業務の変更、役員の解任、10日以内の売買停止などが並びます。
Q2取引所を処分するのは金融庁ですか内閣総理大臣ですか?
条文の名宛人は内閣総理大臣ですが、金融商品取引法上の委任規定により権限は金融庁長官に委任されており、実務上の検査・聴聞・処分の公表はすべて金融庁が担います。
Q3市場の売買停止命令は最長何日ですか?
152条1項2号の売買停止命令は10日以内です。より重い業務全部または一部の停止は閣議の決定を経たうえで3か月以内、1号による業務停止は1年以内が上限です。
Q4取引所の役員解任は本当に命じられますか?
152条1項1号は役員の解任命令を明文で認めています。取引所は株式会社であっても、この局面では株主総会の判断より監督官庁の命令が先に立ちます。
Q5152条の処分に聴聞は必要ですか?
1項1号による業務停止・業務変更・業務の一部禁止・措置命令には、行政手続法13条1項の区分にかかわらず聴聞が必須です(2項)。弁明書の提出では代替できません。
Q6売買停止で損をした投資家は補償されますか?
152条に投資家への損失補償規定は一行もありません。処分は「公益又は投資者保護のため必要かつ適当」として行われ、売却機会を失った損失は投資家が負担する建て付けです。
Q7自主規制の怠りも152条の対象になりますか?
なります。1項1号後段は、会員等や上場会社の違反に対し定款その他の規則で認められた権能を行使せず、必要な措置を怠つたことを独立の処分事由としています。
Q8152条の処分はどこで確認できますか?
金融庁の報道発表資料で行政処分の内容と根拠条項が公表されます。1項1号か2号か、あるいはより軽い153条の措置命令かを最初に確認するのが実務の出発点です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国が東証を止めたことって、実際にあるんですか?
市場の全面停止命令が発動された例は極めて稀で、大規模なシステム障害のような事案で実際に使われたのは、より軽い153条の業務改善命令である。152条は抜かれない刀として機能している。実務のポイント:発動されないから軽いのではなく、抜かれないからこそ金融庁の口頭の要請が通る。取引所が即応する理由は、背後にこの条文が置かれているからだ
Q2審査請求できないって、もう何もできないんですか?
152条3項が封じているのは行政不服審査法に基づく審査請求だけで、取消訴訟(行政事件訴訟法3条)の道は塞がれていない。ただし10日以内の停止命令は判決前に期間が終わる。実務のポイント:現実的な武器は本訴ではなく執行停止の申立て(行政事件訴訟法25条)。即日で出せる体制があるかどうかで、争えるかどうかが決まる
Q3上場会社が不祥事を起こしたら、取引所も処分されるんですか?
違反そのものではなく、取引所が定款や規則で認められた権能を行使せず、遵守させるために必要な措置を怠つた場合に処分対象になる(152条1項1号)。要件は「放置」である。実務のポイント:これが、上場廃止審査や注意喚起が投資家から見て冷淡なほど速く動く理由。取引所は投資家のためというより、自分の免許を守るために動いている
間違えやすい点 AI による整理
- 「国が東証を潰せるのか」という問いの立て方自体がずれている。152条1項1号後段が本当に狙っているのは免許取消ではなく、取引所に自主規制をきちんと行わせることだ。処分理由の中心は取引所の「不作為」、つまり会員や上場会社の違反を見逃したことにある。この条文は市場を止めるための刀ではなく、取引所の背中を押し続けるための重さとして存在している
- 3項の「審査請求をすることができない」を手続上の些細な制限だと思っている人は、深刻度を取り違えている。1項2号の売買停止は最長10日、訴訟は数年。争っている間に期間が満了し、事後的な司法審査が空振りする構造になっている。制限されているのは不服申立ての一形式ではなく、実質的な救済のタイミングそのものだ
- 投資家から見れば「市場が止まって売れない、これは損害だ」。法律から見れば「公益又は投資者保護のため必要かつ適当な処分」。あなたを守るという名目で、あなたの売却機会が奪われる。この落差に補償の規定はなく、損失は投資家が飲む前提で制度が組まれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動される場面 | 152条:法令・定款違反、または自主規制の権能不行使・市場の状況が有害 | 151条:処分の前段階として報告の徴取・検査を行う 153条:監督上必要な措置(業務改善命令等)にとどまる場面 |
| 処分の重さ | 免許取消し・1年以内の業務停止・役員解任・10日以内の売買停止 | 処分ではなく事実確認手段(報告・資料提出・立入検査) 業務運営の改善を命じる措置命令、免許の存続は前提 |
| 手続保障 | 1項1号の処分は聴聞が必須(2項)、1項2号は審査請求不可(3項) | 行政調査であり不利益処分の手続規定の対象外 不利益処分として行政手続法の一般原則による |
| 実務での登場頻度 | 極めて稀。抜かれない刀として抑止力を担う | 処分検討時にほぼ必ず先行する 大規模システム障害等で実際に用いられる主力条項 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も主管機關が交易所に対し章則の変更や停止・禁止・糾正を命じられる構造をとり、交易所が会員の違反に対し必要な処置をとる義務を負う点で日本152条1項1号後段と発想が近い
韓国も取引所を許可制とし、金融委員会が許可の取消しや業務停止を行う枠組みを持つ。日本と同じく自主規制機能の適正確保が監督の中心に置かれる
ドイツは州の取引所監督官庁が中心で、連邦 BaFin と役割を分担する。免許(Erlaubnis)の取消しや取引の中止権限を持つが、連邦一元の日本と監督主体の構造が異なる
米国 SEC は SRO が自主規制義務を正当な理由なく履行しない場合に制裁でき、緊急時には取引停止を命じられる。日本152条1項1号後段・2号はこの発想を条文化したものと位置づけられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが取引所の自主規制部門にいて、ある上場会社の開示違反の兆候を半年放置した。処分の名宛人は上場会社だけではない。152条1項1号後段は、権能を行使しなかった取引所自身を名指しする。あなたの部署の議事録と稟議書が、そのまま処分理由書の材料になる
- もし明日、金融庁が取引所金融商品市場の売買停止を命じたら、あなたの指値注文はどうなる? 約定しないまま最長10日、価格は動かずニュースだけが動く。含み損は自己責任で、152条1項2号の処分に投資家への損失補償の規定は一行も付いていない
- 聴聞の通知が取引所に届いた。2項により、業務停止でも業務変更でも弁明書提出では済まず、必ず聴聞が開かれる。ここで出さなかった資料は、後の訴訟でほぼ効かない
- 2号の処分が出た。取消訴訟の提起と執行停止の申立てを数日で仕上げなければ、10日の停止期間が満了して訴えの利益そのものが消える。判決を待つ戦略は、この条文の前では敗着になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 売買停止で損害が出ても152条に補償規定はない。まず金融庁の公表資料で根拠条項を特定する(1項1号か2号か、それとも153条の業務改善命令か)2. 2号の処分なら審査請求は不可(3項)、取消訴訟と執行停止の申立てが唯一の経路、期間満了前に動く3. 取引所の自主規制の怠りで損害を受けた場合、152条を直接の請求権にはできないが、取引所に対する損害賠償(民法709条)で違法性を論じる材料になりうる4. 現実的に最も効くのは金融庁への情報提供、事実と証拠を時系列で出す
訴えられた側:1. 聴聞通知を受けたら即日、行政手続法18条の文書閲覧請求で行政側の資料を確認2. 争点は「違反があったか」より「必要な措置をとることを怠つたか」の評価。自主規制部門の対応記録、議事録、稟議、モニタリングのログを時系列で固める3. 2項により業務停止・業務変更・措置命令には聴聞が必須。手続違背は取消事由になるため、通知書の記載事項と期日設定を精査する4. 処分内容の軽減は公表前が勝負、公表後の巻き戻しは実務上ない
時効(請求できる期限):152条は行政側に発動期限を課していないが、処分の効果には上限がある(1項1号の業務停止は1年以内、2号の売買停止は10日以内、閣議の決定を経る業務停止は3か月以内)。争う側の期限は、1項2号の処分について審査請求不可(3項)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月・処分の日から1年(行政事件訴訟法14条)。実質的な勝負は、行政手続法15条の聴聞通知が届いてから期日までの数週間
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)証券取引法から金融商品取引法への改題 証券取引所を金融商品取引所、有価証券市場を取引所金融商品市場へ用語を置き換え、処分判断の対象となる市場の状況に市場デリバティブ取引を含めた。号の構成・認可関係の追加時期は要検証
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:証券取引法の制定に伴い、証券取引所に対する監督上の処分規定が置かれた。米国1934年証券取引所法の自主規制機関監督の枠組みを参照した体系である
- 2.平成18年(2006年) 改正:証券取引法から金融商品取引法への改題に伴い、証券取引所を金融商品取引所、有価証券市場を取引所金融商品市場へ用語を置き換え、処分判断の対象となる市場の状況に市場デリバティブ取引を含めた。号の構成や認可関係の追加時期は要検証
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